CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

Greeeee〜n の Vinyl!

2020年09月23日 | Southern Rock

音楽メディアのCDがレコードをマーケットから駆逐したのも束の間、ネットからのダウン・ロードや聴き放題のサブスクなど新たなビジネスモデルが登場するとCDも売れ行きが落ち始め出して久しい今日この頃。

ネット配信が主流となると形ある物を販売する実店舗での営業は厳しさを増す。

テコ入れとして過去の名盤をリマスターとかリミックスとか銘打って再発することになるが、何度も同じものを買ってしまう人もそうはいない。てなことで限定盤商法でデラックス・セットとかピクチャー盤やカラー盤などが頻繁に登場するようになった。

いつの世もコレクターと称する人種は限定って言葉に弱い。あたかも真夜中の闇にポツンと光り輝く捕虫灯に群がる虫のごとく見事に策略に引っ掛かってしまう。

もちろん私のような4流コレクターも例外ではない。

ネットのサイトで限定カラー・レコード販売の広告に引き寄せられ、つい購入に至ってしまう。

本日はGreeeee〜n Colored Vinyl仕様のオールマン・ブラザーズ・バンドの1973年発売の通算5枚目のアルバム、Brothers & Sisters。

(70年代末キャプリコーン・レコードは倒産。その後ポリグラム系ポリードール・レーベルから再発、現在はユニバーサル系マーキュリー・レーベルとなっている)

兄のデュアン・アールマンを交通事故で亡くし、さらにこのアルバムの制作時ベースのベリー・オークリーもバイクの事故で物故。

かなりヘコんでいたバンド・メンバーを引っ張るがごとくリーダー・シップを発揮したのがディッキー・ベッツ。

特に彼の作曲面での頑張りと新メンバーの専任ピアニスト、チャック・リーヴェルがもたらしたサウンド面での新たなフレイバーはキャッチーでバンドにとって最大の商業的成功を収めたのはご存知の通り。

(すでに持っているレコードなのに爽やかなGreeeee〜nに幻惑されてしまったようだ。)

せっかく買ったので旧盤と比べてみようではないか。

(初回日本盤はワーナーから発売、Jelly Jelly最高!)

あれ〜? 旧盤と比べると音圧が低いね。

旧盤は結構コードの内周いっぱいまでカットされているが、緑のリマスター盤は旧盤と比べるとラン・アウトのスペースが大きく残っている。

すなわち、内周の歪みを低減させるため全体的にカッティング・グルーブの左右の蛇行を小さくしたコンパクトなカッティング施した。それ故旧盤と比べて音圧が低く聞こえるって事ですな。

まあシビアな再生装置も耳も持ち合わせていないので、特にロックの場合は単に音が全面にドォ〜ンと出てくる派手なサウンドを良しとする個人的嗜好から音圧の高い旧盤の方が印象がいいんだけどね。

でもね、Greeeee〜n の Vinylがクルクル回転しているのをじっと見ているのも悪くない。

むむ〜 あたかも捕虫灯に引き寄せられた虫のような...


モノ・トーンの世界 その4

2020年07月30日 | Southern Rock

デュアン・オールマンのスライドがうなりをあげてStatesboro Bluesが始まるともうそこはオールマン・ブラザーズの世界。

1971年の2枚組アルバム、AT The Fillmore East。日本に上陸したのはその2年後の1973年で当時はアトランティック・レーベルから発売。

彼らの存在を認識したのは、翌年1972年のアルバム、Eat A Peachからで、デュアン・オールマンはすでにこの世に別れを告げていた。当時はパープル、ツェッペリンやイエスなど英国のロック・バンドを追いかけてEat A Peachまでは手が回らなかった。

(1976年の再発盤。日本ではビクターがキャプリコーン・レーベルと新たにライセンス契約を結んでいた。)

彼らのアルバムを手にしたのは、次作Brothers & Sistersからで、FMでRumblin’ Manがよくオン・エヤーされていて、そのギター演奏のかっこよさに惹かれて購入と相成り、さらにグレッグ・オールマンのサザーン・ブルースの虜となる。

てな事で、彼らの古いアルバムを遡って聴いていったことから AT The Fillmore Eastに遭遇。

ジャケはクールなモノ・トーン。

しかしその内側には熱気にあふれた演奏でオレンジ色に染まっている。

当然、タブロイド判の“オレンジ色のニクい奴ら”のことではない。


オールマンがドゥービーに改名?

2020年03月01日 | Southern Rock

メンバー間の意見の相違あるいは対立により1976年解散に追い込まれたオールマン・ブラザーズ・バンドは、1978年に再結成を果たし翌年のオリジナル・スタジオ・アルバム、Enlightened Rougeを出すも所属レコード会社だったキャプリコーン・レコードが倒産。

そこで新たにアリスタ・レコードと契約を交わし活動を続行。そして1980年にアルバム、Reach For The Skyをそのアリスタから発売。 

(オン・タイムでレコードは購入しなかった。2008年に紙ジャケ化された時に即お買い上げ)

アリスタと言えば、70年代コロンビア・レコードの社長として大成功を収めたクラウス・ディビスが背任の疑いで解任され、その後彼はコロンビア映画の傘下だったベル・レコードのコンサルタントに就任し、それを土台に設立された新興レーベル。

ベルは、オズモンズ、デビッド・キャシディーやトニー・オーランド・アンド・ドーンなどらお茶の間ポップ・アーティストらが在籍、そして新レーベル設立後もバリー・マニロウ、メリサ・マンチェスターやベイシティー・ローラーズなど同様にポップ路線のアーティストが数多く在籍。

そこでコロンビア時代の昔取った杵柄とでも言えば良いのか、レーベルの間口を広げるためロック路線も拡充。アウトローズ、キンクス、アラン・パーソンやルー・リードらと契約を結んだ。

オールマン・ブラザーズとの契約もその路線に沿ったものかと….

芸風は初期の泥臭いブルース色は薄らぎ、大ヒット・アルバム、Brothers And Sistersあたりのポップ路線を狙ったものですかな? 

ただキャプリコーンのような南部のレーベルと違って、ニューヨークを拠点とするアリスタの垢抜けたイメージから全体的に売れ筋ポップ路線での制作が不問律となっていたのか、演奏や歌唱にやや軽さを感じ、聴きようによってはドゥビー・ブラザーズのような雰囲気が。

もちろんこの業界売れてなんぼの世界なので、頑なに己のスタイルを通そうとしても結果が伴わなければ契約は切れる。

このアルバムからシングル・カットされたオールマンらしさが無い軽快なロックンロール・ナンバー、Angeline。

ディッキー・ベッツとこのアルバムの共同プロデューサーであるマイク・ローラーとジョニー・コッブが曲作りに加わっていて、なんとしてもヒットに繋げたいレーベルの意向が見え隠れしないでも無い。

しかし私としては、このアルバムがオールマン・ブラザーズにそぐわないなどと言う否定的な見解は持たない。

この過渡期の時代があってその後のバンド活動に繋がって行くわけだから、これはこれで彼らにとって必要なアクトだと。

それに先入観なしでこのアルバム実際聴いてみてれば、オールマンードゥービーなかなかよろし〜と思うのであります。


2020年もレコードを聴く

2020年01月05日 | Southern Rock

楽しいひと時はアッと言う間に過ぎ去ってしまう。 

明日からまた仕事。 

でもよくよく考えてみると、平日仕事に縛られていてストレスの連続だから余計に休日により有り難みを感じる訳で、毎日が日曜日状態になってしまうとこれはこれで退屈してしまう。 

それに労働の代償としてお金を多少なりとも頂けるのも無視出来ない。世の中お金で買えない大切なものもあると言うけど、やっぱり日々の生活を平穏に送るためにはある程度の額は必要不可欠。 

そんな訳で、明日からの勤労生活は素直に受け入れ、今日この時はリラックスしようと取り出したる一枚はこれ! 

1969年に出たデラニー・アンド・ボニーのアルバム、The Original Delaney & BonnieもしくはAccept No Substituteと言うタイトルが付いた彼らのデビュー・アルバム。

実際はそれより前にメンフィスのスタックス・スタジオでブッカー・TとMG’sやアイザック・ヘイズのバック・アップでHomeというアルバムが制作されたがお蔵入り。 

南部の黒人アーティストが得意とするところのR&Bやゴスペルなんかがベースになっている音楽志向で、はっきりいってヒット・チャートの頭を取るようなポップさはなくはっきりいって地味! 

でも黒人アーティストらが奏でるそれらとは違い、悲壮感が感じられなくむしろ明るい雰囲気があるような… 

親しい仲間内のミュージシャンらと一丁楽しくやりましょうか? てな感じを受ける。だから、Accept No Substituteすなわち“代わりはいらね〜”というアルバム・タイトルになっているのかも。 

お仲間は、ジム・プライス、ボビー・ウイットロック、ボビー・キー、ジム・ケルトナー、カール・レイドゥル、リタ・クーリッジとレオン・ラッセルらおなじみの面々。そして知る人ぞ知るギターのジェリー・マッギーもね。 

ジェリーといえばのちにベンチャーズにノーキー・エドワーズの交代要員としてバンドに加わり活躍というまさかのSubstituteつながり。 

彼はベンチャーズ時代に当時日本で大ヒットした京都の恋、京都慕情とか雨の御堂筋の作曲に加わっていて、その少し前にThe Original Delaney & Bonnieで南部のロック・サウンドを奏でていたとは! 

まあ、声を大にするほど大げさなものでも無いのですが… 

おヒマなら是非ご一聴を。

日本盤はワーナー系のエレクトラ・レーベルから発売。但し、発売は4年後の1973年だった。日本で著名だったエリック・クラプトンでも参加していればもう少し早かったかも?


年末に聴いてみるレコード 、最終回はこれダァ〜

2019年12月31日 | Southern Rock

年末シリーズ最終日はコレだ〜 と取り出したのがオールマン・ブラザース・バンドの1969年のファースト・アルバム。

1979年のキャプリコーン・レーベルからの再発日本盤です。

 

デビューといっても各メンバー既に別バンドにてプロ活動していたので、最初からエンジン全開の迫力ある演奏がわずか2週間で録音された。 

デュアン・オールマンはナッシュビルで5年間の契約でスタジオ・アーティストとしていろいろなアーティストのレコード収録に参加し、当然プロデューサーの指示によりコマーシャルな演奏を続けてきたことによるフラストレーションがたまり、その反動としてこのアルバムでは彼のギターが炸裂することになる。

いい湯だな〜♪ と日本ではなるのだが、アメリカではどうかな? 

残念ながら元々芸風がラジオ・フレンドリーとはいかずアルバムは商業的な成功は収めることは出来なかったが、この手のロックが好きな人々には大きなインパクトを残した。 

そう、サザーン・ロック・ファンならこれを聴かずして年を越せるか〜! 

聴かざる者は鞭打ちの刑じゃ〜!  

Tried to the whippin' post

Good Lord! I feel like I'm dyin'

 

と声を大にするほど大げさなものでも無いのですが…  おヒマなら是非ご一聴を。

 

それでは皆様良いお年を。

 


祝日の昼下がりはこの一枚

2019年10月22日 | Southern Rock

バンド内の趣味のバンドと言うか、1975年頃からオールマン・ブラザーズ・バンドのメンバー3名、チャック・リーヴェル、ラマー・ウイリアムスにジェイモーが集まってジャム・セッションを楽しんでいた。 

翌年オールマンが解散と相成ったので、バンド内バンドがセッション・ギタリストを加えた4名でついに1977年にアルバム・デビューを果たすことに。 

バンド名の由来は、リーダ格のチャック・リーヴェル(C.Leavell)を文字ってシー・レヴェル(Sea Level)となったそうな。 

そしてサウンドは、後にストーンズ、クラプトンそれにジョン・メイヤーなどのアルバムにセッション・プレーヤーとして重宝されるチャック・リーヴェルが好んだオールマン時代のライブで繰り広げられるジャズ系長尺インプロビゼーション辺りを中心にオールマンぽいサザーン・ロックもチラホラ登場って感じですかね。 

泥臭いR&Bがサウンドが売りの一般的なサザーン・バンドとは一線を画す。 

初っ端のRain In Spainなんかは個人的にジョー・サンプルのソロアルバムなんかを思い起こさせる雰囲気が感じられ中々よろし〜

そしてサイモンとガーファンクルで有名だったスカボロ・フェヤーもピアノ・インスト・アレンジで取り上げていて興味深い。 

ただ、日本盤ライナー・ノートはちょっと大袈裟に持ち上げ過ぎでいただけない。 

まあ、レコード会社から宣伝としてお金を貰って執筆しているので仕方ないんだけどね〜

(アゲ過ぎてどうもすいません)


ご無沙汰LPでも、その5 ヒュー (パッチ〜ン)

2019年09月27日 | Southern Rock

ローリン、ローリン、ローリン♪

ローリン、ローリン、ローリン♪

ローリン、ローリン、ローリン♪

ローハイド

ヒュー (パッチ〜ン 鞭の音)

とこの歌が流れれば、ピィーンと反応できるのは私を含めた年配の方々に限られるだろう。 

白黒テレビの時代、お茶の間の西部劇ブームでお馴染みのローハイド(Rawhideとは生皮の鞭で、この番組ではカウ・ボーイのスボンの上から着用する革製保護カバーの意味らしい)の主題歌で、隊長のフェーバーさんを補佐するまだマカロニ・ウエスタンに出る前の若き日のクリント・イーストウッドが出演していたっけ。 

しかし70年代のロック・ミュージックを愛する者としては、そう、サザーン・ロック・バンドの雄、マーシャル・タッカー・バンドの1976年の5枚目のアルバム、Long Hard Rideをすぐさま思いださなければならないのだ。

 

ジャケを見ただけでもRawhideの世界がそこに。 

このバンド、サザーン・ロック・バンドと言っても割とカントリー色が強く、ブルース系ナンバーを演奏しても他の南部出身のバンドの様なコテコテの仕上がりにはならない。 

これはリーダーであって、リード・ギターを担当するトイ・コルドウェルの奏法によるところが大きい。 

彼の軽やかなリード・ギターにサックスやフルートが絡みスッキリ爽やか感はさらに増す。

南部バンド特有の泥臭さは感じられないこのバンド独特の演奏が中々よろし〜。

 

 

Rawhide→ローハイド→ローハーイド→ロンーハーライド→ロンーハードライド→ロングハードライド→Long Hard Ride  バンザイ〜!! 

ヒュー (パッチ〜ン) 

(不意に床を叩いた鞭の音に) あぁ〜びっくりした。 

くだらないダジャレおやめください〜

どうもすいません。


アーシーなサウンド、ウエット・ウイリーの五枚目

2019年02月06日 | Southern Rock

アイクとターナーはアイケッツ、ウエット・ウイリーにはウィリエッツてな宣伝文句で当時売り出していた様な記憶がある。

本日はサザーン・バンド、ウエット・ウイリーのアルバム、Dixie Rock。


ブギウギ・ロック、R&B、ブルースなどルーツ・ミュージックを基調としたバンドで、1970年南部のアラバマで結成 。

本作は1975年にオールマン・ブラザーズなどが所属するキャプリコーン・レーベルから発売された通算5枚目のアルバムで、前作から正式にメンバーになった女性Duo、ウィリエッツが活躍。



(裏ジャケ、ウィリエッツのお二人様)

男臭いボーカルに、女性Duoによるブルージーもしくはファンキーなコーラスが絡むことにより他のサザーン・バンドとは一味違う個性を創り出す 。

そのリード・ボーカルのJimmy Hallはグループ以外にもソロ・アルバムを出したり、あのジェフ・ベックの1985年のアルバム、Flashにリード・ボーカルで参加など安心の実力派。(但し有名なPeople Get Readyはロッド・スチュワートがボーカルをとっている。)

ウエザー・レポートでコズミックな浮遊感覚を味わった後、ウエット・ウイリーのDown To Earthなサウンドで地上に無事御帰還って事ですね。


B B Top 誕生!

2018年03月11日 | Southern Rock

アメリカ合衆国といえば、その名称の通り複数の州が集まった単一国家を意味する。

国土が非常に広大なので、州単位でも単一国家として存在できるようなレベルである。

州によって独自の法律が施行され、また国内だけでも数種類の時差も存在することから地元民の州に対する帰属意識は結構強いものがあるのではないかと思う。

以前ヒューストンに得意先を訪問した時、工場にはアメリカの国旗とテキサスの州旗が敷地内に掲揚されていたのが印象的だった。

日本の私企業で工場の敷地内に国旗を掲揚することはあっても、都道府県の旗をその隣に掲揚しているのはまず見かけない 。デザインがダサいっていうのもあるかもしれない。

今日は、そんなアメリカ人、特に南部住民が州に対して強い地元意識を示しているようなタイトルのアルバムを紹介したい。

それはZ Z Topが1976年に出した5枚目のアルバム、Tejas。

左が70年代アルバム発売当時に買った日本盤、右は昨年リマスターされた180グラムの輸入盤。すでに昔買ったやつがあるのに、もう一枚買うなんて何を考えているやら....


当時キングレコードから出た盤は、なんとストーンズと同じロンドン・レーベル。Z Z Topらしくないと思う

今回の、リマスター盤はワーナーから出ている。旧盤と比べると今回のリマスターは音圧がやや低い上品な味付けと言うか、これもZ Z Topらしくない気がする。


三つ折りの特殊ジャケットで、レコードの出し入れはビートルズビートルズのホワイトアルバムと同じ上から入れる仕様となっている。

かってこの地がメキシコ領でスペイン語でTejas(スペイン語ではJの発音がHになるので、テハスと読む )呼ばれていて、その後アメリカ領となってTexas(テキサス)となる。

Z Z Topはヒューストン出身のバンドであるが、ここでのTejasはヒューストンやダラスのような大都会ではなく、アルバム・ジャケのデザインからして Texasの片田舎って匂いがする 。

俺たちゃTejasっ子、場末の酒場での与太話なんかを洗練された流行りの都会ロック・サウンドではなく、シンプルな3人 編成のバンドで荒削りのブギーやブルース・ロックをギンギンに聴かせやるぜ〜って感じかな。

ただ今回のアルバムは以前のものと比べて若干ポップ寄りに仕上がっていて、ちょっと都会に染まったかなと言う印象はあるが、全曲ご機嫌な楽曲でまとめられており、あっという間に聴き終える。

助手:博士、Z Z Topの名前の由来ってなんですか?

博士:本人達から、直接聞いたわけでもいないので確かかどうかはわからぬが、彼らはブルース・ギタリストのB B Kingのファンだったらしい。当初はZ Z Kingと名乗りたかったようだが、本家の名前と紛らわしい感じもするので、結局Z Z Topになったらしいようじゃ….

助手:じゃあ、我が研究所も、彼らにちなんでB B Topって名付けたいのですが….

博士:その心は?

助手:相変わらずバカみたいにレコード買い漁って、バカみたいなブログを綴って、その頂点を極めたいと思っている研究所ってことで。

博士:バッカも〜ん。

全くその通りじゃないないか!


マーシャル・タッカー・バンドのCarolina Dreams、我が家の地味なレコード紹介シリーズ、その十九

2017年10月11日 | Southern Rock

1977年、サザーン・ロック・バンド、マーシャル・タッカー・バンドの6枚目のアルバム。


オールマン・ブラザーズ・バンドのレーベルであるキャプリコーンからオールマンに続くバンドとして1973年にセルフ・タイトルのスタジオ・アルバムでデビュー。

バンドは南部のR&B、カントリー、ジャズやゴスペルなどバラエティーに富んだ曲を演奏。

オールマンよりはどちらかと言えば、グループ・リーダーでありリード・ギタリスト兼ボーカルのトイコールド・ウェルが好むカントリー寄りの演奏。

R&B系の楽曲となると、ダグ・グレイが伸びやかで迫力のあるリード・ボーカルを披露する。 そしてジェリー・ユーバンクスのサックスやフルートの音色が、他のサザーン・ロック・バンドには無い独特の味付けを曲に施す。

このアルバムは彼らにとってもっとも売れたアルバムで全米22位となりプラチナ・アルバムに認定される。

60年代末から70年代にかけてアメリカの西海岸のカリフォルニア州を中心に、かってママズ・アンド・パパスが歌ったカリフォルニア・ドリーミンに代表される洗練された美しいハーモニー・コーラスが特徴のフォーク・ロックやカントリー・ロックが流行り、ウエストコースト・サウンドなんて呼ばれていた。

しかし時は過ぎ去り、このアルバムが出た頃といえば、ウエスト・コーストではイーグルスがホテル・カリフォルニアを出したあたり。

かってのウエストコースト・サウンドの明るいく爽やかなイメージなんて吹っ飛んでしまっていて、社会の退廃とか暗い~負のイメージが結構描かれていた。

アメリカの東海岸に位置するキャロライナ出身のバンドは、アメリカの先端を行くカリフォルニアのイメージに相対するためあえてキャロライナ・ドリームスとこのアルバムを名付けたのだろうか?

アルバムを聴けば少し田舎臭く感じるかもしれないがそれでも結構明るさに溢れていて好感が持てる。

ジャケットの内側の写真、仲良きことは美しきかな~ 実篤 って感じ

これは当時行き詰ったウエスト・コーストのミュージック・シーンに対するイースト・コーストからの回答ではないかと思えるのだが。


マンデー・ブルーズ

2017年05月28日 | Southern Rock

今日グレッグ・オールマンが亡くなったって聞いた。

オールマン・ブラザーズ・バンドを知ったのは、確か1972年の4枚目のアルバムEAT A PEACHだったと思う。


しかしながら、子供にはブルースの世界なんて到底理解できないし、30分以上に及ぶMOUNTAIN JAMのインプロビゼーションを伴う演奏を正座して聴くことに耐えられるはずも無く、結局バンドの存在を知るのみであった。

ところが翌年の1973年、アルバム、BROTHERS AND SISTERSを出したとき、大ヒットしたシングルRAMBLIN’ MANがよくFM放送でオン・エヤーされ一発でファンになってしまった。


カントリー調の楽曲で歌のパートが終わった後、ディッキー・ベッツとゲストのギタリスト、レス・デューデックのギター・バトルが延々と続きフェイド・アウトしていく普通の3分ポップ・シングルとは一線を隔す構成に新鮮味を感じた。

当時は、歌のパートは終わると締めの演奏をチョロっとしてハイ終了と言うシングルばっかりだったからね。

早速LPを買って聴いてみたら、一曲目のWASTED WORDSが本当にかっこよく聴こえてさらにいい気分。

取っ付き難いブルース・ナンバーと思われたJELLY JELLYも聴き慣れてしまうと、何回もリピート。

JESSICAはサザーン・プログレって感じでこれまた何度も繰り返し聴いた。

初期のデュアン・オールマンが在籍していたときからのファンからは、BROTHERS AND SISTERSなんて緩々だといわれるかもしれないが、当時は子供だったから仕方が無い。

深夜らラジオでかかる3分程度のポップなシングル盤を買うことはあっても、ブルース・ロックのファンでLPを買って家で聴くって言うような人はクラスにいなかったからね。

それから数十年、オールマン・ブラザーズのアルバムはグレッグやディッキーのソロを含め大体買ったし今でもそれらを聴く。

以前のように、ヘッドフォンをかけて正座して聴くことはなくなったが、音量をちょっと抑えてバック・グラウンド・ミュージックとして鳴らす。

そして楽しい一時はあっと言う間に終わってしまう。

もう彼の新譜を聴くことが出来ないのは残念。

楽しかった週末はあっという間に終わりを告げて、いつもより悲しいマンデー・ブルースを聴くことになるのか?


Seven Turns

2017年05月25日 | Southern Rock

人生いろいろ。といっても島倉千代子の歌でない。

良い時もあれば悪い時もある。

物事が旨く行かない時、周りがまったく見えずに方向性を失い彼方此方うろうろ彷徨うな~んてことも。

そんな時こそ、一旦立ち止まって耳を澄ませば、微かながらもきっと誰かの呼ぶ声が。

朝の一筋の光が行くべき道を照らす。

と、歌っている曲がある。

オールマン・ブラザーズ・バンド、9枚目のスタジオ・アルバム、Seven Turns。

1976年にバンド内のごたごたで解散。70年代の末に1回目の再結成。

2枚のアルバムを出したが、これが不発となりまたもや解散。やっぱりアルバムが売れないと意気消沈。

そして、80年代末に2回目の再結成。

2度の解散の轍を踏まずに、気合の入ったアルバムを制作。

アルバムは全米53位、3枚のシングルもメイン・ストリーム・ロックのカテゴリーでGood Clean Funが1位、Seven Turnsが12位、そしてIt Ain’t Over Yetが26位と盛り返す。

このSeven Turnsって言う曲は、ディッキー・ベッツの作で、彼の楽曲はいつもバンドのブルース調主体のイメージに、カントリー、ラテン、そしてジャズなど色々なフレーバーをアルバムに加えて、バンドの魅力を拡大させることに貢献。

今回の楽曲はRamblin’ Manのようなカントリー調で軽快にさらっと歌われる楽曲ではなく、ミドル・テンポで力強く歌われていて、このアルバムの重要なアクセントとなっている。

Seven turns on the highway
ハイウェイを七曲
Seven rivers to cross.
七つの河を渡る
Sometimes, you feel like you could fly away
時には、飛んでいっちまいそうな
Sometimes, you get lost.
時には、失せちまう

And sometimes, in the darkened night
そして時には、闇夜の中で
You see the crossroad sign.
十字路のサインを見つける
One way is the morning light
一つは朝日の方向
You got to make up your mind.
決めちまいなよ

Somebody's calling your name.
誰かが名前を呼ぶ
Somebody's waiting for you.
誰かが待っている
Love is all that remains the same
変わらぬ愛がすべて
That's what it's all coming to.
それが転がり込んでくるすべてだって事なんだ

といつも通り、ど下手な超意訳を試みる。

Seven turns on the highwayって、多分フリー・ウェイの走行中にインター・チェンジでの方向転換を人生の分岐点として比喩しているのではないかと思うのだが…

さすが7回もターンすると本当に方向を見失うかもね。

まあ、人生七転び八起き、七度目の正直を期待する気持ちが大切なのかも。

それとも、アルバムのジャケの写真にあるように、7人のメンバーそれぞれのターン(変化)を意味しているのかな?


マーシャル・タッカー・バンドのA New Life

2016年03月23日 | Southern Rock

3月も終わりに近づき、日本特有の仕切りの単位である本年度も期末を迎え、 新しい年度が始まる。

年度の由来といえば、明治初期に、コメでの納税が3月末で4月から稲作が始まるための区切りとか、陸軍が4月に徴兵を始めたとか色々説があるようで。

それから、日本と同じ方式を取っているのが、イギリス、インド、パキスタンやカナダと旧英連邦の諸国が採用している。明治の初期にイギリスの制度を参考にしたのかも?

今日、市役所に所用で出かけると結構混雑していて、この時期、特に新卒の学生や転勤族たちの転籍が多いからそうだったのかもしれない。

日本にはお正月という一年の重要な区切りもあるので、考えようによっては、一年間に何と2回ものリ・スタートのチャンスがある 。1月からのスタート・ダッシュに失敗した人は、4月に気分を新たにリ・スタートなんて…

ところで、マーシャル・タッカー・バンドって聞いたことありますか?

オールマン・ブラザーズが所属したのと同じレコード会社、キャプリコーン・レーベルからデビューしたサザーン・ロック・バンドである。他のサザーン・バンドと比べると、ロック、ジャズ、カントリーそしてR&Bの要素が混ざり合い、長いインプロビゼーションも彼らの特徴で、数あるサザーン・バンドに置いて 非常にユニークな存在のバンドである。

そのマーシャル・タッカー・バンドが1974年にA NEW LIFEというタイトルの2作目のスタジオ・アルバムを出した。

一曲目のタイトル曲は、故郷に帰ってリ・スタートしたいというある男のストーリーをカントリー・タッチで演奏するのだが、フルートが絡むことにより特に後半の演奏場面ではプログレ風に聴こえる。

例によって拙い訳ではあるが…

A New Life

Hey, mister, got a road map?
I'm kinda lost
Gotta get to Georgia tonight
Don't care what it costs
Been down in Denver jail for four long years
And I'm so homesick I could die

旦那、ロードマップ持ってる?
道に迷ったみたいなんだ
今晩ジョージアに着かねばならない
いくらかかっても構わない
4年もの長い間デンバーの刑務所にいたんだ
死にたいぐらいのホームシックなんだ

Got a sweet woman back home
Waitin there for me
Least in all her letters, Lord
She said she'd be
Waitin there with open arms
Born new life for me
And I'm so homesick I could die

帰れば優しい彼女がいる
俺を待っててくれるって
彼女の手紙ではね
彼女は言ったさ
両手を広げて待っててくれるって
俺にとって新しい生活が生まれる
死にたいぐらいのホームシックなんだ

Shot a man in Denver
Over some money owed
So she told me
That I had to go
But I paid my time
And a new life is gonna be mine

デンバーで人を撃っちまった
金の貸し借りのもつれで
だから彼女は俺に逃げなければと言った
しかし、俺は俺自身の時間で償ったのさ
そして新しい生活は俺のものとなるのさ

3月31日と4月1日の間には何も特別なことがなくても、それを区切りとしてA NEW LIFEというものを味わってみたい。

過去の失敗をいつまでも引きずっていては前に進めない。失敗を精神的に100%清算できなくとも、何らかの区切りは必要であり、年度という制度は有り難いと思う今日この頃である。


続編、新ロック三大ギタリストって?

2016年01月17日 | Southern Rock

巷では、新ロック三大ギタリストとは、ジョン・メイヤー、デレク・トラックスそしてRED HOT CHILLI PEPPERSのギタリストであるジョン・フルシアンテだそうな。

ジョン・メイヤーはスティーブ・レイボーン、デレク・トラックスはオールマン・ブラザース繋がりで名前を知って聴くことになったのであるが、ジョン・フルシアンテについては、RED HOT CHILLI PEPPERSと云うバンドの存在は知っていたのだが、生憎彼らの楽曲をほとんど聴いたことがなかったので、三大ギタリストとの一人だと言われてもピンとこない。まあ今後機会があれば視聴してみようと思う。

そこで今回は、デレク・トラックスについて書いてみよう。

1979年生まれで9歳からギターを弾き始め、1995年に自身のバンドを結成、その活動に並行し1999年叔父であるブッチ・トラックスがいるオールマン・ブラザーズ・バンドに正式加入、2010年妻のスーザン・テデスキのバンドと合体し、テデスキ・トラックス・バンドを結成、自身のバンド活動に専念するため2014年のコンサートを持ってオールマンから脱退。

ロック、ブルース、ジャズだけでなくエスニックなフレーズも弾きこなし、愛用のギター、ギブソンSGをオープンEのチューニングにセットしピックを使わず親指で弾く。スライド・プレイはデュアン・オールマンと同様にメディシン・ジャーを指にはめて弾きまくる。

早速聴いてみようとCDを取り出す、と言っても最近彼を知ったばかりだから、2009年のスタジオアルバム、ALREADY FREEとそれに続いた2010年のライブアルバム、ROADSONGSしか持っていない。

ALREADY FREEとROADSONGS

なるほど、噂通りうまい。ギター・ソロも心地良く聴こえるし、スライド・プレイも唸りまくる。上記2枚のアルバムで演奏されたボブ・ディランのDOWN IN THE FLOODのカバーも自身のオリジナルに聴こえるほど素晴らしい出来だと思う。

ディランのGREATEST HIT 2、2枚目の最後にオリジナルが収録されている。

とは云え、この2枚のアルバムだけを聴いた印象としては、メジャーになるには楽曲が少々地味ではないかと…

オールマン・ブラザーズは、アルバムの頭にこれぞオールマンと云う派手目の曲を持ってきている。

例えばファースト・アルバムではDON’T WANT YOU NO MORE、フィルモア・イースト・ライブでSTATESBORO BLUESを一曲目に配置し一気に彼らの音楽に引き込んでしまう手法である。


また、デュアン・オールマンの場合は、デレク・アンド・ドミノスにゲスト参加し、LAYLAでエリック・クラプトンと共演できたことで、一気に知名度が上がったこともプラスになった。

デレク・トラックスが、今後自身のバンドにおける活動をどのように進めていくのかは定かではないが、私見としては、彼の本意ではないかもしれないが、オールマン・ブラザーズのように彼のギター演奏が光りさらに通だけでなく一般受けするような楽曲を数曲取り入れてくれればと、個人的に思う。

せっかく新三大ギタリストに祭り上げられたのだから、単なるギターが特別上手いギター職人というような立場ではなく、メジャー級ヒットもガンガン飛ばし、将来カリスマ的存在として君臨していただきたい。

尚、合体したテデスキ・トラックス・バンドは、結構いい線いってるみたいで, ひょっとすると楽曲次第で将来ボニー・レイット姐さんみたいに大化けするかも…

テデスキ・トラックス・バンドの一枚目のアルバム、リベレーター

Derek Trucks Band - Down in the Flood


クリスマスをうるさく過ごす、ZZ TOP-TEJAS (TEXASの意味)

2015年12月25日 | Southern Rock

忘年会のシーズン、いかがお過ごしでしょうか?

若い頃は、体力に任せて何軒も夜遅くまでハシゴをして飲み歩いたこともあったが、やはりこの歳になると、胃や腸も若い頃と比べると当然の如く劣化しているだろうし、昔のような回復力は望めない。

数十年前の、ヤングと呼ばれたサラリーマン時代には夜中まで飲み歩いていても、翌日朝早く起きて会社に定時に出勤出来たのだが、最近では外で飲み過ぎると、その後どの様にして家にたどり着いたのか記憶が定かではなくなり、朝起きると“あれ、ここはどこ?”と自宅で目を覚ます。

体はふらふら、千鳥足のステップでなんとか電車に乗り、最寄りの駅で間違わずに降り家に無事に辿り着いてるわけなのだが、たぶん他人の目にはそのヨレヨレの姿が非常に滑稽に映っていたことだろう。

帰宅途中に出くわす人々は、一期一会の存在で次の日には、ヨレヨレ姿の男の存在などその記憶からは完全に抹殺されているのだが、醜態をさらしていたかもしれない自身としては、今後お酒は控えよう毎度反省することになるわけである。

それに、翌日の二日酔いからくる頭痛や吐き気は、やはりかなり体にこたえる。

というわけで、今年は出歩かず家でいることにした。

ARRESTED FRO DRIVING WHILE BLIND BY ZZ TOP
酔っ払い運転で逮捕された!

WHEN YOU’RE DRIVING DOWN THE HIGHWAY AT NIGHT
夜、ハイウェイを走っていて、
AND FEELIN’ THAT WILD TURKEY’S BITE
ワイルド・ターキーでも、一口やりたいと思う時
DON’T GIVE JONNEY WALKER A RIDE
ジョニー・ウォーカーだけはダメだぜ
CAUSE JACK BLACK IS RIGHT BY YOU SIDE
なぜって、ジャック・ダニエル(ブラック・ラベル)がそこにあるから。
YOU MIGHT GET TAKEN TO THE JAILHOUSE AND FIND
それから、あんたたぶんブタ箱行きになり、
YOU’VE BEEN ARRESTED FOR DRIVING WHILE BLIND
酔っ払い運転で逮捕されるってことになるぜ。

とアメリカ南部出身のバンド、ZZ TOPは“スコッチなんて飲むんじゃねー、バーボンにしな!だけど飲酒運転はご法度だぜ。”と歌う。

そう、“飲んだら乗るな! 飲むなら家で!”

ZZ TOP TEJAS、1976年発売 全米17位

三つ折りジャケット

レコードを入れるスリーブは、ジャケットの上から入れる変形ジャケット

ストーンズのようなロック・サウンド、IT'S ONLY LOVEなかなかよろしー

ZZ Top It's Only Love