1972年、魔法の黄色い靴でアルバム・デビューし、セカンド・アルバムも同年の年末に約6ヶ月のインタバルで発売するも思ったような成果が出ない。
もう後がなくなり、次の曲がヒットしなければ店じまいと言う覚悟で出したシングルが1973年4月に出た心の旅。
背水の陣として、メロディアスなフォーク・ロック調の曲のボーカルには若き女性リスナーのハートを射止めようと少年ぽい甘い歌声が魅力の姫野達也を起用し、曲のアレンジもインパクトのあるサビのコーラスを曲の頭に持ってきて勢いを出させるなどの工夫を施し準備完了!
制作側がこれは行けると感じたのか、発売した2ヶ月後に一気に畳みかけるが如く心の旅を含むベスト盤を出すことに。
それがチューリップのベスト・アルバム、心の旅。
ジャケのデザインは同じピンボケ気味の写真を両面に使うなどちょっと手抜き感溢れるやっつけ仕事の様ですが、中身は当時のチューリップの魅力満載ですかね。
因みに、それまでの2枚のアルバムの代表曲、シングル曲そして新曲4曲を加えた計12曲を収録したベスト・アルバムと称されたが、まあ新曲4曲が収録されているので3枚目のセミ・オリジナル・アルバムとでも言えるのかな。
ヒットしなかった2枚のオリジナル・アルバムからベスト物を制作するのは結構リスクがあって普通例を見ないが、その後シングルの心の旅が思惑以上でオリコン1位の大ヒットとなり、チューリップの覚醒をアシストしたアルバムとなった。
やっぱり3枚目はスゴイ!
まあ、実際の所オリジナル・アルバムを制作するには新曲が足りなかったのかな?
ただ過去に出した曲もこのアルバムで再評価されこれはこれで良かったと思う。
知らんけど...