助手:レコード・アルバムの楽しみと言えば、その音楽だけではなくジャケのデザインにもありますね。
博士:その通りじゃのう〜
わしの場合は、単なるアーティストのポート・レートよりは、アルバムに関連してなんらかの意味が込められたイラストとかコラージュなんかに興味がいく。
助手:今ではジャケのデザインも世界的に統一されましたが、60年から70年代にかけてアメリカ編集とヨーロッパ編集でジャケのデザインだけでなく、曲目が変わったり曲順が入れ替わったりして別のアルバムの様に見えましたね。
博士:今回はユーライア・ヒープの初期の作品にスポットを当ててみようじゃないか。
助手:1970年のデビュー・アルバム、Very ‘Eavy Very ‘Umble。
これって、Hが省略されていて、Very Heavy Very Humbleと読むんでしたっけ。
博士:とてもヘビーで、とても地味ってタイトル、まあ地味っていうよりはサウンドは簡素つまりシンプルって感じかのう〜
英盤のジャケは、廃墟になった洋館を探索していて、ふと気になった物置の扉を開けると、デタッ〜!
当時英盤はフィリップス・レーベルの参加だったヴァーティゴ・レーベルから発売され、例の眩暈(Vertigo)のレーベルで有名
マーキューリー・レーベルから発売された米盤のジャケは、ウィングのついたムカデの化け物が描かれている!これはちょいとひどいかも。
レコード・ショップでムカデの化け物のジャケのレコードを買うにはかなり躊躇すると思うのだが…
個人的にはどっちもどっちではあるが強いて言えば蜘蛛の巣男デタッ〜!の方がまだマシの様な気持ちも…
助手:1971年のセカンド・アルバム、Salisbury。
博士:Sailsbury と言えば、ロンドンから西に200キロの田舎町。16分強にも及ぶプログレ大作(途中でジャージな演奏が登場)のタイトル・チューン、Salisburyが収録されておるのう〜
英盤のジャケは、タミヤの1/35スケールのミリタリー・キットのお世話になった者であれば一目でピンとくる、英陸軍所属のチーフテン戦車!なんでもSalisbury郊外に基地があるらしい。
米盤のジャケは、これまたひどい! 真っ赤な背景に不気味なエイリアンらしきイラストが。
ウィングのついたムカデの化け物もひどかったが、このイラストもヒープのイメージを変な方向に貶めた様な….
当時、ヒープはアメリカ・マーケットで色物扱いされていたと勘繰りたくなる。
助手:1971年のサード・アルバム、Look At Yourself。
博士:アメリカ人もようやく気がついたのか、ヒープのイメージの統一を図ることになるのう。
英盤のジャケは、青い縁取りの壁掛け鏡。その上に2つの瞳がこちらを睨みつける。
米盤のジャケは、ドレッサーの上に置く様な角度の調節できる回転式鏡。その上に2つの瞳がこちらを睨みつける。
助手:ようやくここに来て、アメリカのマーケットがヒープを真面目に取り上げようとしたのですかね? 翌年の次作、Demons & Wizardsではロジャー・ディーン作の同じジャケ・デザイン採用となりましたからね。
博士:これでわしも安心した。何しろ、アメリカ公演で前座のヒープが当時イギリスでは無敵のT.Rex喰っちまったからのう〜
(記事では、もっとヒープをと叫ぶ観衆のチャントに、T.Rexは二度とヒープとの公演は一緒に行わないと言ったとか)
めでたし、めでたしと昔話を思い出したみたいで...
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