Please Please MeやWith The Beatlesの初期の2枚は2トラックでの録音でプロデューサーのジョージ・マーチンは当然の事ながら、モノ・ミックスでのレコード制作しか考えていなかった。1963年10月からレコーディングに4トラックのシステムが採用される事によってダブル・ボーカルなんかも別トラックに録音して後で音量をそれぞれ調整し重ね合わせる事によって音の表現力に幅をもたらすことができる様になり、ステレオ・ミックスでも複雑なアレンジに拘らなければある程度の立体化を出すことは出来るようになった。
そんな中で登場したのが1964年の映画のサントラ盤、A Hard Day’s Nightが登場。、日本では約2ヶ月遅れた同年9月に日本独自デザインによるジャケでステレオ盤一択で発売された。買ったのは70年代になってからで、その当時比較対象がなくこのアルバムの音はこういう物なんだと特に違和感は感じなかった。
ところが80年代になってから、何ちゃら20周年記念として日本でもようやくモノ盤が登場。
これを聴いて、まだアレンジが複雑化するサイケ時代に突入していない初期のシンプルなロックンロール時代の作品ならば音の塊が中央からドォーンと飛び出してくるモノ・ミックスの方が迫力があると感じたね。