江戸時代の絵師・伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の代表作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」が国宝に指定されることになりました。
「動植綵絵」は若冲が40~50代に制作し京都相国寺に寄進した三十幅からなる大作です。(現在は宮内庁三の丸尚蔵館蔵)
鳥や草花、魚、昆虫などが絹地の上に神業のように緻密な手法で描かれていて、観る者を圧倒します。
「動植綵絵」の中にスズメを主題にした作品も描かれています。
秋塘群雀図 (しゅうとうぐんじゃくず) ~Autumn Millet and Sparrows
畑のアワを目指して上空から一斉に舞い降りてくるスズメの群
たわわに実ったアワをついばむスズメが 合計58羽描かれています。
鳥獣保護法などなかった時代、野鳥は大半の人々にとって食べ物でした。
そんな時代にあって若冲は日常でも野鳥を愛してやまなかったそうです。
焼き鳥屋の店先に吊るされた篭の中のスズメを見過ごせず
すべて買って帰って自宅の庭先で放したという逸話が若冲の図録に掲載されています。
違う種類の鳥~ツグミだったと記憶しています~を同様に救い出した話も別の本で紹介されていました。
実家が京都錦小路の青物問屋で金に困らない若冲だからできたのだ、という声が聞こえてきそうですが、
「舌切り雀」の昔話にもあるように、小さなスズメを慈しみ情けをかける心が
食糧の乏しい時代を生きた人々の中にも確かにあったのでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
若冲の動物愛護の気持ち、尊いものだと思います。 あの時代には、尚更。。。偉い。
用心深いスズメが多いのは、人に食べらて追われてきた歴史があるから、かもしれませんね…。
私も若冲の絵が大好きで画集を何冊も買ってしまいました。
録画してあるNHKの特番も永久保存のつもりです。(^_-)-☆