世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

「命のリレー」の引き換えにできること

2007年03月11日 23時24分22秒 | Weblog
昼過ぎ、母からの電話で目覚めた。
実家近くのスーパーが閉店したことを熱く語っていた。
三升屋やFKDインターパーク、ベニマルの出現により、スーパー激戦区となりつつある、我が故郷雀宮。
一瞬、センチメンタルな気分になったが、私の幸せタイムである「まどろみ」を阻止されたことに、少々苛立った。
そんな私に気付かず、彼女は喋りに喋り、一時間も会話し続けた。

彼女との会話にぼんやり浮かぶ幼き日々の私。
幼少の頃、母の漕ぐチャリンコの後ろに座り、よく連れていってもらったスーパー。
帰りに高砂公園の滑り台で遊ぶのが定例であった。
遊び疲れると、再び私は母のチャリンコの後ろに座わる。
そして、「正嗣の餃子」に寄り、餃子を食べる。
初めて一人前を完食したとき、母は「まあ凄い」と喜んでくれた。
満腹になった母子は、またチャリンコに揺られ、帰宅する…そんな幼き頃の光景が蘇ってきた。
育児とは、なんと孤独な作業なのだろうか。
日本語が通じない子供と一日を過ごし、母は気が狂わなかったんだろうか。
「ママって子供好きだったの?」
私は訊いてみた。

「ううん。大っ嫌いだった。」
という返答が。

嫌いでもあれだけ愛情を込められるだなんて、やっぱ母親って凄い。
自分がたぶんならないから、余計にその未知なる母性に感嘆してしまう。

母親が子供を可愛がるのは、精子よりもより栄養分がある卵子を提供した雌が、見返りを求めるからだという説がある。

勿論、父にも愛されたのではあるが、母のそれは上記の卵子養分説を信じてしまうほどだ。
毎月、無駄に卵子を放出している我が身体。
この遺伝子の行き場は無い。
子供嫌いという私の強い思いにより、40億年以上続いた命のリレーはあっけなく途絶えるのだ。
まあ、仕方がない。

今私にできることは、精子と卵子を提供するだけではなくちゃんと育ててくれた両親に、孝行することだ。
遺伝子を残せない私だが、生んで良かったと一瞬でも思ってくれたら幸いだ。

ああ、久々に「正嗣の餃子」が食べたくなった~。

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「激震!株主総会」

2007年03月11日 23時17分15秒 | Weblog
昨日録画しておいた「ハゲタカ」第4話「激震!株主総会」を観た。
他社の株主総会をあまり見る機会がないので、ドラマといえども真剣に観てしまった。

「株主総会の集中日」の設定のはずなのに、雨の中、鷲津さんの吐く息が白かったのがガッカリだった。
株主総会の集中日っていったら6月。蒸し暑い時期にあの白い吐息は…。
しかし、それにしても栗山千明の綺麗さには毎度ながらうっとり。
クールなスーツにブルガリっぽいピアス。…参考にさせていただきまっせ。

モニタースクリーンを使い、取締役が二列で座る大企業の株主総会は迫力があった。

規模は違えど、当社も株主総会まであと三ヶ月。

今年はどうなることやら。


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「オウエンとムゼイ」

2007年03月11日 23時15分20秒 | Weblog
3/10(土)

あたたかい太陽が降り注ぐ休日。久々にお布団を干した。今夜はフカフカのお布団で眠れる!と考えただけでもワクワクする。
ついでに部屋の掃除もした。今日の掃除レベルでいうと「松竹梅」の梅レベル。あまりやる気がしなかったので、足の踏み場を確保するまでにとどまった。…無理はいけない。

夕方、池袋に本を買いに行く。
以前、このブログに書いた「オウエンとムゼイ」の写真集だ。
スマトラ沖地震で母親とはぐれてしまった赤ちゃんカバのオウエンとゾウガメのムゼイの友情をドキュメンタリータッチで綴った絵本。翻訳はベッキー。

今日の池袋は激混みであった。
デパートなど、ゆっくり買い物という雰囲気ではない。
「あっ、かわいー」と思って棚に近付こうものなら、必ず他人とガチンコしてしまう。
そそくさと買い物を済ませ、皇琲亭でお茶をすることにした。
ここの喫茶店は、駅から近いこともあり、なかなか重宝している。
落ち着いた雰囲気も素敵。
カウンター席にて珈琲をすすりながら、「オウエンとムゼイ」を開く。

生物学観点からいうと、カバとゾウガメの友情なんて有り得ないらしい。でも写真に写るのは、お互いに寄り添う二人の姿だ。
世界には想像できないこと、有り得ないことが時として起こることがある。
もっと身近なことに置き換えると、例えば「気付かなかったけど、大切なものは意外と近くにあった」…みたいなことだ。

見落としがちだけど、きっと目を凝らせば、私の周りはそんな幸福の種ばかりなんだろう。

ぢつは、今日、けっこうリアルな夢を見た。異動する夢だ。

吉熊上司と離れて、別のフロアに異動を命じられて落胆。
「どうして異動なんですか、私」と吉熊上司に尋ねると「お前の香水きついんだもの。だから部長に相談したんだ。だけどお前を注意するとまた切れるから、だったら異動させようという話になったんだよ」と言われた。
1階のダムウェーターの前で。

「ああ、そうですか」と答える私。

嫌だ!
と思った瞬間、夢が終わった。寝汗ぐっしょり。
まどろみの中、考える。
仕事は、自分にとってどれだけ大切なものなのかを。

会社員なので、突如として異動を命じられることもある。
今の仕事、そして吉熊上司と離れるとき…そのとき、私はどうなってしまうんだろう。
津波によってお母さんカバとはぐれてしまったオウエンのように、新たな場所で希望に巡り会えるんだろうか。

イマイチ自信がない。
ただ、今ある幸せを再確認するのが精一杯だ。
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