会社帰りにスーパーに寄った。
レジで並んでいたときのこと。
私はここのスーパーで会話をしたことがない。
大家さん以外、知り合いがいないから。
しかし、今宵は違った。
列の前の前のご婦人は、ミニシクラメンの鉢植えを籠に入れていた。
単色ではなくて紫、やや薄い紫、赤みを帯びた紫…様々な色をした花が小さな鉢から溢れんばかりに生えていた。
「嗚呼、なんて綺麗なんだろう」
なんとなくぼんやりとそれを眺めていたら、レジ係のおばちゃんが
「綺麗ですね。一つの鉢にこれだけ色が入っているのも珍しいですよ」
と言った。
そして、私の前に並んでいたおばちゃんも
「そうそう。私もそう思っていたのよぉ~。さっき花売場で見たとき、こんな綺麗なシクラメン、なかったわよぉ~。」
と言った。
言われた本人ははにかんでいて、私もつられて笑った。
その場が一気に和んだ。
花の愛らしさが持つ力を感じた。
ほんの些細な出来事。
だけれども、胸の中で淀んでいたものが、すっと鎮静したのを感じた。
レジで並んでいたときのこと。
私はここのスーパーで会話をしたことがない。
大家さん以外、知り合いがいないから。
しかし、今宵は違った。
列の前の前のご婦人は、ミニシクラメンの鉢植えを籠に入れていた。
単色ではなくて紫、やや薄い紫、赤みを帯びた紫…様々な色をした花が小さな鉢から溢れんばかりに生えていた。
「嗚呼、なんて綺麗なんだろう」
なんとなくぼんやりとそれを眺めていたら、レジ係のおばちゃんが
「綺麗ですね。一つの鉢にこれだけ色が入っているのも珍しいですよ」
と言った。
そして、私の前に並んでいたおばちゃんも
「そうそう。私もそう思っていたのよぉ~。さっき花売場で見たとき、こんな綺麗なシクラメン、なかったわよぉ~。」
と言った。
言われた本人ははにかんでいて、私もつられて笑った。
その場が一気に和んだ。
花の愛らしさが持つ力を感じた。
ほんの些細な出来事。
だけれども、胸の中で淀んでいたものが、すっと鎮静したのを感じた。