Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

稽古場への道のり

2013-02-27 | Weblog
片道一時間以上の通勤を短いと感じるか長いと感じるか。まあ首都圏では普通の長さなのだろう。慣れてきたような慣れていないような。森下に通う時より一度乗り換えが多いから長く感じるだけなのか。昨日今日と二日連続して乗り過ごして戻ったからか。この稽古場に通う日々もあと数日。二月はどうして二八日しかないのだろう。ともあれ稽古は稽古。粛々と進めるのみ。……落ち着かない気持ちにさせる周囲の雑事には気を止めず、とゆきたいが、そうもいかないところだ。……稽古場を移った後は劇場に通う日々、となるわけだが、なんと一年八ヶ月ぶり、本当にひさしぶりに下北沢ザ・スズナリの公演。公演終了前日の三月二三日、下北沢の風景が変わる。小田急線地下化により、踏切も駅もなくなる。私が下北沢に初めて来てから三三年、どんな町になってゆくのだろう。……三月になる前といえば、高江では防衛局の工事は二月で終わる。六月末日まで工事はしないことになっている。この期間、ノグチゲラの繁殖期であるための措置であり、何かしようものなら全世界の環境団体が黙っていないだろう。……原発事故由来の放射能被曝による健康被害について郡山市の小中学生14人と保護者たちが集団疎開を求めて起こした裁判がある。北海道の松崎道幸医師が「チェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生し、今後、激増する恐れがある。福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない」と指摘しているという。このような事態についてこの国の人たちが追い詰められている現実、それを認めようとしない現実、どちらもが現実だ。不必要に不安を煽るなという意見もあるのは、わかる。しかし、不安感を隠さないこと、不安感を示すことを否定するような空気を作らないことがそれより重要である。人々が追い詰められている空気。そして鈍感さに逃れる空気。稽古場に通うために片道で電車に五回乗るわけだが、その電車の中にもそれを感じる私がいる。……添付は、下北沢の地図。スズナリへの案内図である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする