福岡市のJR博多駅前の道路で12月8日早朝、大規模な陥没が発生。
市営地下鉄の延伸工事が原因らしい。天神駅止まりの地下鉄七隈線を博多駅まで延長しようという計画だった。
博多は空港も地下鉄で繁華街に数駅で繋がるアクセスのいい都市だが、さらに便利になることを目指していた。
日経新聞・共同通信等によれば、地下約25メートルの岩盤を掘削して鋼材を取り付け、コンクリートを吹き付けて補強する工法でトンネルを拡幅する作業をしていた。地表から地下16メートルまでは地下水が通る砂層で、その下の厚さ2メートルの粘土層がトンネルの上で水を遮る形になっていた。
博多湾に面した土地は地下水脈が広がっており、工事中の地下トンネルでに粘土層に亀裂が生じるなどして上部から水や土砂が流れ込み、引きずられるように地表が陥没したとみている。
事故は8日午前5時15分ごろに発生。
午前4時半ごろからトンネルの天井部分が崩れ始め、コンクリートを吹き付けても止まらなかったため作業員が避難。地上の道路を通行止めにした。その約5分後、陥没が始まったという。
博多駅から西に約300メートルの交差点付近で、長さ30メートル、幅27メートル、深さ15メートルにわたる陥没。埋設されていた電線やガス管なども破損し、一時、最大800戸が停電。近隣へのガス供給も止まった。銀行のオンラインシステムも一部で使えなくなった。停電した建物内で70代の女性1人が転倒し、軽傷を負った。
早朝なのでその被害で済んだとも言える。その後も近隣の商業ビルが停電で休業するなどの影響が出た。交通規制の間、現場周辺には計約350メートルにわたって規制線が張られた。
しかし、あっという間に復旧した。5車線道路をえぐった巨大な穴は、15日朝には跡形もなくなった。
ただし26日には、陥没事故の現場を埋め戻した復旧地点周辺の道路の路面が沈下していることが判明。7センチ程度と言われている。四時間ほど交通規制していたが、安全が確認されたとして解除された。
年末、たまたま博多を訪れたので、現地に行ってみた。
何ごともなかったかのように、街は、道は、そこにあった。
陥没面積は、そこに立ってみると、それほど大きくないという気はした。しかし、駅の真正面すぐ近くの、目抜き通りである。
この短い期間に「復旧」したことは、ある意味では、たいしたものだと言っていいのだろう。「日本の技術力」「スピード対応」を賞賛する諸外国の報道も多く紹介された。
しかし、地下鉄七隈線工事は完全にストップした。今後の工事の目途については報道されていない。
なんだか空疎である。
表面をとりつくろっただけではないか、その場しのぎに過ぎないのではないかというと、工事に携わった関係者に失礼になるだろう。
しかし、この現場は、いまの国の空気を見事に象徴している気がした。
市営地下鉄の延伸工事が原因らしい。天神駅止まりの地下鉄七隈線を博多駅まで延長しようという計画だった。
博多は空港も地下鉄で繁華街に数駅で繋がるアクセスのいい都市だが、さらに便利になることを目指していた。
日経新聞・共同通信等によれば、地下約25メートルの岩盤を掘削して鋼材を取り付け、コンクリートを吹き付けて補強する工法でトンネルを拡幅する作業をしていた。地表から地下16メートルまでは地下水が通る砂層で、その下の厚さ2メートルの粘土層がトンネルの上で水を遮る形になっていた。
博多湾に面した土地は地下水脈が広がっており、工事中の地下トンネルでに粘土層に亀裂が生じるなどして上部から水や土砂が流れ込み、引きずられるように地表が陥没したとみている。
事故は8日午前5時15分ごろに発生。
午前4時半ごろからトンネルの天井部分が崩れ始め、コンクリートを吹き付けても止まらなかったため作業員が避難。地上の道路を通行止めにした。その約5分後、陥没が始まったという。
博多駅から西に約300メートルの交差点付近で、長さ30メートル、幅27メートル、深さ15メートルにわたる陥没。埋設されていた電線やガス管なども破損し、一時、最大800戸が停電。近隣へのガス供給も止まった。銀行のオンラインシステムも一部で使えなくなった。停電した建物内で70代の女性1人が転倒し、軽傷を負った。
早朝なのでその被害で済んだとも言える。その後も近隣の商業ビルが停電で休業するなどの影響が出た。交通規制の間、現場周辺には計約350メートルにわたって規制線が張られた。
しかし、あっという間に復旧した。5車線道路をえぐった巨大な穴は、15日朝には跡形もなくなった。
ただし26日には、陥没事故の現場を埋め戻した復旧地点周辺の道路の路面が沈下していることが判明。7センチ程度と言われている。四時間ほど交通規制していたが、安全が確認されたとして解除された。
年末、たまたま博多を訪れたので、現地に行ってみた。
何ごともなかったかのように、街は、道は、そこにあった。
陥没面積は、そこに立ってみると、それほど大きくないという気はした。しかし、駅の真正面すぐ近くの、目抜き通りである。
この短い期間に「復旧」したことは、ある意味では、たいしたものだと言っていいのだろう。「日本の技術力」「スピード対応」を賞賛する諸外国の報道も多く紹介された。
しかし、地下鉄七隈線工事は完全にストップした。今後の工事の目途については報道されていない。
なんだか空疎である。
表面をとりつくろっただけではないか、その場しのぎに過ぎないのではないかというと、工事に携わった関係者に失礼になるだろう。
しかし、この現場は、いまの国の空気を見事に象徴している気がした。