青年劇場『キネマの神様』を観る。
ときどき燐光群でも演出してくださっている藤井ごうさんの演出。
感想はいろいろあるが、原作の原田マハさんと私は同世代なので、出てくる映画の記憶なども重なって、なんだか照れくさい。
この劇の照明は、燐光群公演の照明のほぼ全部を担ってくれている竹林功なのだが、竹林と私は中学の同級生で、その頃よく映画を一緒に観ていた。一緒に自主映画も作ったりした(最後の映画はPFFでも上映された、確か1985年)。そういうこともあって、二重三重に面映ゆい。
私は、劇中何度も話題になる『ニュー・シネマ・パラダイス』という映画を、公開時にはとてもいいと思ったが、こちらが成長して印象が変わったということもある。そのうえ、「完全版」だか「ディレクターズカット版」だか忘れたが、余分なダメダメ場面を足した「長尺版」を観てひどく幻滅したこともあり、現在はあまり肯定的に評価していない。なので、この映画を生涯ベストワンと考えるような人たちとは相容れないというのが本音なので、そこが残念なところだ。
音響は近藤達史さん。映画の芝居で映画音楽を使うというのは、当たり前のようだが、これはまたなかなか曲者なのである。ご苦労されたのだと思う。
燐光群に何度も出てくださっている吉村直さんが、79歳の役で主演。
この劇団が上演してくれた拙作『普天間』のメンバーも、四人ほど出ている。
しかし、この劇団には、多くの高齢の劇団俳優陣がいらっしゃって、その活躍ぶりは、観ていて、いいなあと思う。やはり私は劇団が好きなのだ。
今回の俳優陣の年齢幅は、24歳から84歳までなのだという。
公演日程、詳細は以下を御覧ください
https://www.seinengekijo.co.jp/s/kinema/kinema.html