関西を中心とした激しい水害のニュースに驚いていたら、続いて起きた北海道の震災の被害にも、ショックを受けている。
被災状況の深刻さは、いずれもかなりなものと思う。関西空港の無惨な水没と、タンカー衝突で本州との間の接続が断たれた姿は、まさに日本沈没のメタファーだ。あれだけ広大な山が崩れる姿というのも、私たちは過去に見たことがない。
オリンピックと「防衛」に掛ける費用を、貧困対策と災害対策に回さないと、この国はもう終わりである。
「歴史的に、かつてのない大災害期に突入している現在、政府・自衛隊は、イージス・アショア、自衛隊の南西シフト態勢などの大軍拡を直ちに中止し、自衛隊全体を「災害派遣部隊」として根本から再編成せよ」という小西誠さんの提唱に、全面的に賛成する。
さて、日本劇作家協会も関わる札幌の短編演劇祭「教文演劇フェスティバル」は、毎年恒例の人気イベントである。私も第一回の審査員として参加した。もっと昔の1999年に札幌で「劇作家大会」を開催した経緯もあり、幾ばくかの人脈も生きているのだが、何しろ札幌には個性の強い演劇人が大勢いるのだ。
しかし現在の札幌は、様々な復旧が難航しており、「教文演劇フェスティバル」主催で開催場所の札幌市教育文化会館じたいが停電しており、職員の皆さんは非常用電源でなんとか事務をしている状態だという。
札幌市内は、地震そのものの被害は深刻なものはあまりないという声も多いが、停電があまりに大規模で、皆さん不安な日々を過ごされているようだ。もちろん地下鉄も動いていない。ガソリンも不足しているらしいし、停電のため信号も機能しておらず危険だという。
なので、9/8・9開催予定だった今年の「教文演劇フェスティバル(短編演劇祭/グランドチャンピオンステージ)」を、やむなく中止とすることになったという。
この演劇祭に参加することになっていて、関西空港が水没したため飛行機が飛ばず、急遽フェリーで札幌に向かったところ、苫小牧に着く前の船上で北海道震災被災のことを聞いたというのが、高間響さんら京都の劇団「笑の内閣」の皆さんである。いわば二重の被災者というべきである。
「教文演劇フェスティバル」は、今後、延期・代替を協議して開催されることが望ましいと思うが、せっかく札幌に着いたのだからと高間さんたちの公演だけでも実現させてあげたいという声や動きもあるみたいで、代替の劇場で急遽上演とかが実現するなら、それはそれで素晴らしいことだと思う。
以下、「教文演劇フェスティバル」事務局よりのお知らせ。拡散依頼があり。
【重要・教文演劇フェスティバルの開催について】
9月6日未明に発生いたしました大規模地震の影響により、
当館は現在も全館停電、また電力供給の見込みもたっていない状況です。
余震の可能性もあり、安全確保の見通しがたたないことから
9/8・9開催予定だった「教文演劇フェスティバル(短編演劇祭/グランドチャンピオンステージ)」を、やむなく中止とさせていただきます。
なお、チケットの払い戻しをはじめとした今後の対応に
ついては、詳細が決まり次第改めてご連絡させていただきます。
何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
公式HP:http://www.kyobun.org/news/news.php?id=457
教文演劇フェスティバル事務局
札幌市教育文化会館事業課