プレビュー初日の朝。午後から稽古もする。とにかくできる限りのことはして、開幕に備える。
演劇版『憲法くん』では、 日本初の防衛・セキュリティ総合展示会、「DSEI JAPAN 2019」が行われている、幕張メッセでの「武器見本市」の場面が出てくる。劇中の「憲法くん」は、こんな武器の売買よりも、ここはひどい台風が来たばかりの千葉だから、台風がいっぱい来る原因である地球温暖化について考えたい、と言う。
しかし、日本政府は、地球温暖化への取り組みは甘く、国際的にも評価されていない。共同通信によると、深刻さを増す地球温暖化に対処するため九月に米ニューヨークの国連本部で開かれた「気候行動サミット」で、日本政府はG20大阪サミットの結果報告等の安倍晋三首相の演説を要望したが、なんと国連側から断られていたことが、わかった。二酸化炭素(CO2)の排出が特に多い石炭火力発電の、「推進方針」が支障になった。途上国への石炭火力発電への援助もばれているし、石炭火力発電についての「長期的な全廃」案が「依存度を引き下げる」と後退してもいる。「気候行動サミット」を主催したグテレス国連事務総長が開催に先立ち求めていた「美しい演説ではなく具体的な計画」を、用意できなかったのだ。「セクシー」小泉進次郎環境相の醜態に続き、なんとぶざまなことだろう。
日本は真剣に地球温暖化対策に取り組むことをせず、逆に激しく自然環境を損ねる兵器産業を大々的に後押ししている。「DSEI JAPAN 2019」の大々的開催はその証拠。軍需産業は産業としては世界でもっとも二酸化炭素を放出している。人を殺すだけでなく地球も破壊している。
「憲法くん」たちはそのことに憤る。「憲法」の思想は、温暖化対策強化を訴え、世界に広がる地球環境に対する抗議活動を行う若者のリーダー、スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさんと、連帯できるだろうか。
政府は、温暖化を止めるための廃止停止の決断をすればいいだけなのだが、じっさいのところ、軍事産業を担う会社たちは自分たちの利益のためにその分野にも手を出そうとしている。軍需産業大手のレイセオン社の社長は、口が滑ってしまったのだろうが、「気候変動に対応して消費者行動やニーズが変化するのに伴い、ビジネスチャンスの拡大が見込まれる」と言ったことがある。
まったく、冗談じゃないのである。
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『憲法くん』舞台化、いよいよ、きょう、プレビュー初日。
あの、松元ヒロさんの『憲法くん』が、ほんとうに、演劇になったのです。
11月29日(金)から、座・高円寺。伊丹、名古屋、岡山でも上演します。
こんにちは、憲法くんです。
わたしは、一九四七年五月三日に生まれました。
わたしは、国の力を制限するための、「国民から国への命令書」です。
へんなうわさを耳にしたんですけど、ほんとうですか。
わたしがリストラされるかもしれない、というはなし。
「現実にあわないからだよ」、というひとがいます。
でも、理想と現実が違っていたら、ふつうは、現実を理想に近づけるように、努力するものではありませんか。
でも、わたしをどうするかは、みなさんが決めることです。
わたしは、みなさんのわたし、なんですから。
わたしを、みなさんに、託しましたよ。
http://rinkogun.com/Kenpo-Kun_Tokyo.html