こんかい『憲法くん』のために不慣れな勉強をしているとき、ちょうど出た共同通信の報道により、合憲違憲などが争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を、全国の裁判所が既に廃棄処分していたことがわかった。
自衛隊に一審札幌地裁で違憲判決が出た長沼ナイキ訴訟や、沖縄の米軍用地の強制使用を巡る代理署名訴訟などである。自衛隊や基地問題を、過去からの経緯で検証することが不能になっているのだ。
代表的な憲法判例集に掲載された137件について共同通信が調査した結果、廃棄は118件、保存は18件、不明1件だったそうだ。
判決文など結論文書はおおむね残されていたが、審理過程の文書が失われ、歴史的な憲法裁判の検証が不可能になっている。裁判所の規定は重要裁判記録の保存を義務づけ、専門家は違反の疑いを指摘する。米国などでは原則永年保存され閲覧できるはずである。
やはり、日本は「隠す」のだ。
憲法を持ち出すやつらは、「お上に逆らう不届き者」なのだ。
誰かがお上に逆らおうとした歴史など、残っていてはいけないのだ。
ひどい話である。
「憲法くん」は、そんなお上のと庶民の関係の「常識」に揺さぶりをかける。
松元ヒロさんが始め、微力だが私たちも繋いでゆく。
写真は、左から、中山マリ、鴨川てんし、木下祐子、樋尾麻衣子、吉村直、杉山英之。撮影・姫田蘭。
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『憲法くん』舞台化、始動。
あの、松元ヒロさんの『憲法くん』が、ほんとうに、演劇になるのです。
11月29日(金)から、座・高円寺。伊丹、名古屋、岡山でも上演します。
こんにちは、憲法くんです。
わたしは、一九四七年五月三日に生まれました。
わたしは、国の力を制限するための、「国民から国への命令書」です。
へんなうわさを耳にしたんですけど、ほんとうですか。
わたしがリストラされるかもしれない、というはなし。
「現実にあわないからだよ」、というひとがいます。
でも、理想と現実が違っていたら、ふつうは、現実を理想に近づけるように、努力するものではありませんか。
でも、わたしをどうするかは、みなさんが決めることです。
わたしは、みなさんのわたし、なんですから。
わたしを、みなさんに、託しましたよ。
http://rinkogun.com/Kenpo-Kun_Tokyo.html