ほんとうに、『憲法くん』を劇にするのです。
あまりにもしっかりと屹立して存在する松元ヒロさんの原作から、どこまで「演劇」としての成立に持ち込むか。
正直、これまで誰もやったことがない種類の演劇にしてゆく作業である。
昨日は、ある意味難題である猪熊恒和と大西孝洋ふたりのシーンに、方向性をつけることができた。というか、こんな場面は、この二人にしかできない。打てば響くような敏感さとギリギリのところを狙う繊細さで、稽古が立ち上がってゆく。これは八十年代からの劇団の蓄積あるいは体験の継続によって成り立つものだ。
いろいろと苦しい問題が出てきたとしても、演劇のことは演劇の問題として解決していくしかない。だがそれは逆に言えば、演劇の問題は演劇そのものが助けてくれることも多いということだ。あたらしい創作とは、演劇の可能性を拓いていくということでもあるのだ。
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『憲法くん』舞台化、始動。
あの、松元ヒロさんの『憲法くん』が、ほんとうに、演劇になるのです。
11月29日(金)から、座・高円寺。伊丹、名古屋、岡山でも上演します。
こんにちは、憲法くんです。
わたしは、一九四七年五月三日に生まれました。
わたしは、国の力を制限するための、「国民から国への命令書」です。
へんなうわさを耳にしたんですけど、ほんとうですか。
わたしがリストラされるかもしれない、というはなし。
「現実にあわないからだよ」、というひとがいます。
でも、理想と現実が違っていたら、ふつうは、現実を理想に近づけるように、努力するものではありませんか。
でも、わたしをどうするかは、みなさんが決めることです。
わたしは、みなさんのわたし、なんですから。
わたしを、みなさんに、託しましたよ。
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