Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.X 本日より「演出家募集」開始 !!

2020-07-08 | Weblog
韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.X 本日より「演出家募集」開始 !!

私も参加している「日韓演劇交流センター」からの、お知らせです。

隔年で日本で開催されている韓国現代戯曲ドラマリーディング。
今回も、演出家を募集します。
今回は、鄭義信さんの演出作品が一本、既に決まっており、あと二本の枠になります。
                                                       
日韓演劇交流センターが、これまで隔年で実施してきた韓国現代戯曲ドラマリーディングですが、その10 回目を、2021 年 1 月に予定しております。
実施ごとに注目していただき、多くの お客様にご来場いただき、また韓国演劇界とも深い交流の継続を実現してきました。これも多くの みなさまのご協力のおかげだと思い、この場を借りてお礼を申し上げます。
つきましては、公演に際しまして、3 作品のうち 2 作品の演出家を公募することになりました。(今後、出演者もオーディション形式で募集したいと思 っております。)当企画に興味を持つ演出家の方々には、ぜひご応募していただきたいと思います。 下記の作品情報のほかに、事務局に粗訳をご用意しております。ご希望の方は事務局までメール にてお問い合わせください。ご応募お待ちしております。
                   
◆応募資格 18歳以上で、これまで演出経験の実績のある方 
◆応募方法 郵送、メールのどちらか                   
郵送 〒352-0011 埼玉県新座市野火止 3-16-24 東京演劇アンサンブル内 日韓演劇交流センター 宛
メール akira@tee.co.jp 必ず件名に「日韓リーディング演出希望」とお書きください。

◆応募に必要なもの
 【書式自由】プロフィール、希望作品志望理由
◆演出料 10万円程度
◆締切 2020年7月31日必着
                   
◆公演までのスケジュール 
8月 演出家決定                   
9月下旬 出演者オーディション・出演者決定
12 月顔合わせ
1月上旬~1月中旬 稽古(約1週間)   座・高円寺稽古場ほか
                                   
       
◆公演概要 2021 年 1 月 27 日(水)~31 日(日) 座・高円寺1                        
◆お問合せ
 akira@tee.co.jp 必ず件名に『2021 日韓リーディング』としてください。    

               
◆作家・作品について 公演の順番などは未定です。
                   

『激情万里』 (1991年初演)
【作家】 キム・ミョンゴン
1952年生まれ。俳優、演出家、劇作家。現 世宗文化会館 理事長。前、文化観光部長官。 
【翻訳】石川樹里
                   
【あらすじ】 日本の植民地化にあった時代から、朝鮮戦争に至るまでの韓国の演劇史を振り返ることができる 作品として、第10回のリーディングにふさわしい。ただし、登場人物が20人以上。 主要人物6~7 人、それ以外の役が 20 人以上。韓国での上演時は俳優 18 人で演じられた。
1928 年春、新派劇団「北極星」がテントで巡回公演をしていると、嵐でテントが倒れ公演が中断する。 団長の激しい叱責に、普段から不満を抱いていた団員達は集団で劇団を飛び出す。そんな中、団 員のホン・ジョンミンとイ・ウォルソンが結婚することになり、パク・チョルの提案で三人は「開闢座」 の『アリラン峠』に出演することになる。しかし、公演中に一人の青年が舞台に駆け上がり、光州学 生運動(1929 年)のチラシを撒いたことから、劇団は警察に目をつけられ、結局解散させられて団員 はばらばらになる。 その後、ホン・ジョンミンは新派劇団である「朝鮮劇団」に、イ・ウォルソンは日本留学から帰国した ノ・スンチョルが主宰する新劇団体「芸術劇団」に入って活動するが、結局ノ・スンチョルに恋したイ・ ウォルソンは、ホン・ジョンミンと別れる。一方、KAPF(朝鮮プロレタリア芸術同盟)の傘下団体である 「新天地劇団」に加入したシム・ヨンボクとジン・ギョンスクは同居していたが、KAPF のメンバーが 次々に検挙されるなか、逮捕を避けて逃避する。太平洋戦争により、日本の総動員令が強化され る頃、パク・チョルは満州に旅立ち、「朝鮮劇団」の看板俳優として人気を博していたホン・ジョンミン はノ・スンチョルとソン・ジンソプが率いる親日演劇団体「国民劇団」に加入し、自己嫌悪に陥る。ノ・ スンチョルに失恋し自暴自棄になっていたイ・ウォルソンは唱劇団(パンソリを舞台化した公演)とと もに日本に渡り、ホン・ジョンミンは慰問公演のために満州に渡る。満州で朝鮮義勇隊の一員となっ ていたパク・チョルと再会したホン・ジョンミンは、東北抗日義勇隊所属の文化工作隊に加わって抗 日戦線に飛び込む。 日本の敗戦により、中国の延安派とソ連軍の葛藤で入国が難しくなったパク・チョルは延辺に残り、 ホン・ジョンミンは帰国して、日本から戻っていたイ・ウォルソンと新たな暮らしをはじめる。シム・ヨンボクとジン・ギョンスクは南朝鮮労働党の団員となり、革命劇団を率いて、ホン・ジョンミンとイ・ウォ ルソンの娘であるソナが、その劇団の公演に出演する。一方、ホン・ジョンミンは右翼演劇団体に入 ることを拒み、演劇活動を停止する。 米軍政の弾圧を避けて越北したシム・ヨンボクとジン・ギョンスクは、朝鮮戦争によって南下し、反米 を訴える宣伝劇の稽古をしている最中に、仁川上陸作戦が始まって、春川に部隊を移動をすること になる。ソン・ジンソプは移動中に米軍の爆撃によって死亡、ホン・ジョンミンはイ・ウォルソンの家に 避難し、先発隊と一緒に出発したソナは平壌に行くことになる。右翼に逮捕されたホン・ジョンミンは 共産主義者として告発され銃殺される。                   
40 年後、延辺演劇界の大家となっていたパク・チョルは、ソウルを訪問し、老人ホームで孤独に暮 らしているイ・ウォルソンと再会する。
                   

『加害者探求‐付録:謝罪文作成ガイド』(2017 年 4 月初演)
                   
【作家】グ・ジャヘ(女性作家)
1982 年生まれ。劇作家、演出家。劇団「ここは、当然、劇場」代表。 大学時代に演劇サークルで劇作と演出を担当。2010 年に本格的に劇作家としてデビュー。 国立劇団でさまざまな演出家の演出助手を務め、独自のスタイルを見つける。
2012 年に自作の『ここは、当然、劇場』を上演し、同じ名前の劇団を旗揚げ。
【訳】洪明花

【あらすじ】
韓国の文壇でセクハラ告発が起こったのは 2016 年秋。演劇界でのセクハラ告発は、それから 1 年 半ほど遅れた 2018 年春だった。本作は、演劇界のセクハラが暴露される前に、芸術界のセクハラ を舞台に上げた初の作品である。劇の形式は、一般的な演劇のように登場人物が物語を紡いで行 く形式ではなく、加害者達が自分達のセクハラを記録した一冊の本を完成させるという形式を取っ ている。俳優達は登場人物ではなく、記録書の序文、推薦の辞1、推薦の辞2、目次、付録など、膨 大な内容を、立ったまま読み上げていく。
大前提
「この記録は、記録され、完成した瞬間に破棄される」 「これより、芸術界を「この世界」、芸術家を「詩人」、芸術家志望者を「習作生」と呼ぶ」
                   

※こちらの作品は公募外です。

『椅子は悪くない』(2002 年初演)
【作家】ソン・ウッキョン
1968年生まれ。 劇作家、俳優。1995年に劇作家としてデビューして以来、40作あまりの戯曲を執筆。
【演出】鄭義信 【訳】上野紀子 
                                   
https://www.facebook.com/nikkanengekikouryu/?__tn__=kC-y.g&eid=ARC7e1myEeZZEJDhlNhCcp6GShnDaXZR-_IfbY6bh4pNfD4fX5c3IZYEQr4FnaW29WheOKK40gID3OSz&hc_ref=ARRwsd4k0IT_Xh-rHGkzIvPEQnEFICy1IdCMUXkKlx5DWozPUHsPuQvmESXQ-kFwdME&fref=nf&__xts__[0]=68.ARD_TBJVQyy4rvuoe1MXYihV7kYEx6xxW4X7HWSF-BchsIZZMqSkMB_ddrTTMAo2QO25m-qfzAWHu59yEVJFyGKGm-SAP-qBpXYp_0LXjmjT4-RfG3NtP-xThjlLcjEb5qfRMd_RnrabuLBPrcte_qQYPn67i7M-iLy9otkI3QfUAUok4nbwvig6OHqv2JS_YkErh2GEEzQ1AQBiCel9kP3IcqmE7n9wVR81YUa70kC1iWJnia98FgLcXlBuQGgIfkwc9WWTx9kVaHEmVz3tZqLPeNFJTAX082fbr6Y1ch7HWYH6CPL5MMu61oKYEVzA6HEDrFTQD-KmaMmCMlT8zLWb5oY2KLsE-dqK9DpEYw5ZoeNVNrz4QSdc
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演出という仕事

2020-07-08 | Weblog
四十年、いろいろな立場で「演劇」と呼ばれる営為をやって来て、「演出」と名前がつく仕事もあれこれやってきたわけだが、「演出」とは何か、と尋ねられても、しかと答えられる自信はない。
多くの場合、「劇作・演出」を兼ねてきたし、どうやら「劇作・演出」兼任者は、「劇作」のほうが主であると思われることが多い。じっさい、私は、「日本演出者協会」という組織に三十年近く属していて、「副理事長」も何度かやったが、理事選挙の得票数が一位だったときでも、「理事長」は、固辞してきた。「劇作家を兼ねるような不純な演出家がトップになってはいけない」と、自ら言い出した理由からである。
ただ、この歳までやってくると、「劇作・演出」まるごとの勢いで迫っていく、というのにも、なんだかしらけている自分がいる。自分の世界(戯曲)を描くために自分で演出する、という仕組みを、ときに疑いの目で見ている。もちろん「劇作・演出」は今後も自分のスタンダードのスタイルであるのだろうが……。
自分の戯曲を演出してくれた多くの演出家たち(栗山民也、鵜山仁、蜷川幸雄、キム・カンボ、松本修、串田和美、越光照文、山下悟、金守珍、流山児祥、藤井ごう、ら諸氏)の仕事にも感嘆してきたし、「専門演出家」の凄みも理解している。
まあ、「演出」という仕事については、いずれゆっくり書きたいと思う。

そんな私であるのに、どうやら私は自分なりに、「演出」しているようだなあ、と思えているのが、今回、『天神さまのほそみち』の現場である。
いつもよりも特別なことをしているわけではない。もともとは、そのはずだ。
だが、戯曲があまりにも手強い。
そして、もちろん、素晴らしくたたかい甲斐のある戯曲である。
キャスティングについても、ある決意のもとに、行った。
コロナ禍下で、私たちはなんだか、生まれて初めて稽古場に来ているような気持ちになっているような部分もあった。
スタッフとは、あまりにもツーカーで、「以心伝心」すぎるのだろう、劇団では初めて組んだ演出助手の大江祥彦さんが、呆れるくらいである。
だが、どうやら今回は、ちゃんと演出している。そのようだ、と思う。

「演出」という仕事の中心は、おそらく、演出家としての自分の個性を出すことではない。
全てを活かす、ということである。
こんな悲惨な社会状況の中で、しかも自分の戯曲でなくても、充実した「新作」をお届けできている、という手応えがある。どうやら。
私もようやく、「ええと、じつは、私は「演出」をしているのです」と、名乗ってもいいのかな、と、思っている。



<別役実メモリアル> 燐光群『天神さまのほそみち』

作◯別役実 演出◯坂手洋二
7月3日(金)~19日(日)全20ステージ
会場◯下北沢ザ・スズナリ
出演◯さとうこうじ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 円城寺あや 鬼頭典子 杉山英之 荻野貴継 樋尾麻衣子 武山尚史 町田敬介 中山マリ(voice)

今週平日は連日、アフタートークを開催しています。
今日は、杉並区長の田中良氏が初めてトークに参加してくださいます。
木曜日以降は、別役実氏ゆかりの演劇人の皆様です。

本公演のチケットをお持ちの方、ご予約の方はご入場頂けます。
ぜひともご関心のあるゲストの日を選んでおいでください。
連日と記しましたが、10日までの連続です。
大笹吉雄さんがゲストの回は、少し離れた、14日(火)夜になります。

8日(水)田中良(杉並区長)
9日(木)名取敏行(名取事務所プロデューサー)
10日(金)鵜山仁(演出家 文学座所属)
14日(火)夜 大笹吉雄(演劇評論家)

【全席指定】 
一般前売 3,800 円 ペア前売 7,000 円 当日 4,200 円
U-25/大学・専門学校生 1,500 円 高校生以下 500 円 
U-25 以下は特別価格(前売・当日共通料金。当日受付にて要証明書提示)。

タイムテーブル、アフタートークスケジュール等、詳細は燐光群 Webサイトを御覧ください。

http://rinkogun.com/Tenjinsama_no_Hosomichi.html

写真・姫田蘭。
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