震災、原発事故から十年目に出される、判決。
30日、仙台高裁で、東京電力福島第一原発事故の被災者約3830人が国と東電に慰謝料や居住地の放射線量低減を求めた生業訴訟の控訴審判決が出た。
全国で約30あるという同種訴訟のうち、国を被告に含めた13件で地裁判決が出ており、国に賠償を命じたのは7件という。
残りの六件は大津波は予見できたとしつつ、対策工事をしても事故は防げなかったなどとして国の責任を認めていない。
国は「地震は予見できず、事故も防げなかった」、東電は「国の指針に従い十分に賠償した」と反論している。
国の責任を高裁が判断するのは初めてである。
主な争点は、
国と東電は第一原発に襲来する大津波を予見できたか。
建屋の水密化などで事故を防げたか。
国の中間指針に基づく賠償が妥当か。
ということだった。
弁護団の馬奈木厳太郎弁護士は、判決後の高裁前の報告で、
原告の主張をほぼ認める完勝、
判決文では、国が東京電力の言い分を「唯々諾々と」呑んだ、という指摘もあったらしい。
賠償の金額も、過去最高になっているという。
この先の群馬、千葉の判決にもいい影響を与えるだろう、ということだった。
(不正確だったらごめんなさい)
原発事故の責任を隠し、過去に目を瞑る、国策による「東日本大震災・原子力災害伝承館」の開館に立ち会い、虚しさを抱えていた日々だったが、人々の熱意が、それを打ち崩していくことができるはずだ、と思う。