老い来れば緩くなりたる猫の首輪外しやるとき眼閉じいる
短歌de胸キュン 栗木京子選
題「輪」
入選
ランは、仔猫のときから12年をわが家で過ごした
当時高校生だった娘が
友達の家に生まれた仔猫の一匹をもらった
家人がいない日中は
専用の通用口から出入りして
蝶やバッタを追いかけ自由奔放に過ごした
仔猫から 少年期 青年期 ・・・ 老年期と
猫の一生は
駆け足のように過ぎて行った
老いと病気で水しか飲まなくなった
病院の治療を嫌がった
だんだん痩せて首輪がゆるゆるになった
痩せた体にゆるゆるの首輪は重かろうと
外してやった
あれから15年が過ぎ
悲しい出来事も
やさしい思い出となった