「MBA」といういわゆる資格がある。
実は「資格」でもなんでもなく米国の大学の「経営学修士」という単なる学位なのだが、一時、企業幹部になるには、この学位が必須と言われていた。
しかしスティーブ・ジョブスも、ビル・ゲイツも、ザッカーバーグもこの学位を持っていない。
数十年前になるが、オカブが漠然とアメリカン・ドリームに憧れて、米国留学しMBAを取りたいなどと夢想していたころ、取引先の米企業の幹部から、MBAの学位は金融にしか役に立たないからやめておけ、と言われた。
確かに、その通りだ。
現実のビジネスで成功する、特に起業に成功するには、経営大学院に行くよりも、ドア・ツー・ドアのセールスで汗をかいたり、プログラミングを必死に勉強したりするほうがよほど役に立つ。
まあ、何事にも王道はないということだ。
春泥に傘と菜の束市の路 素閑
とろとろと馬曳く荷駄や春の泥 素閑
泥まみゆ村のはずれに春の刻 素閑
おくれ毛もおきて急ぐや春の泥 素閑
花のみが春とも言えず泥の色 素閑
春泥や汽車の音する田んぼみち 素閑
春の泥梅の一枝手折りけり 素閑
春の泥背戸の林に柴拾ひ 素閑
春の泥山に囲まる三軒家 素閑
やり込めた相手が春泥かへしけり 素閑
紅白に山彩るる春泥や 素閑