昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

2019-02-16 14:00:48 | 俳句

武田家というと武田信玄の武田である。
信玄が戦に滅法強かったので、その印象があまりに強いが、また武田家は画才に秀でた諸将を輩出したことでも知られている。
信玄自身も『渡来天神図』など優れた作品を残している。
また信玄の弟、逍遥軒信廉などは名品として知られる『武田信虎像』をものしている。
戦国武将はただ戦が強い荒大名だけでは、国治も外政もままならなかったわけだ。
武田信虎はご存知のように信玄を疎んじたため、信玄に放逐され京に上った。
そこで足利義昭の同朋衆(お伽衆)として扶持を得る。
信虎も近国を切り従えて相当な武将だったが、唯々諾々とこのような晩年を過ごしたのは興味深い。
人間の運命は分からないものである。

染まりゆく白き梅花よ朝の園   素閑

楼上のあふるる梅の迷える香   素閑

さらばへていずれかぐはし梅の花   素閑

かそけくも梅一輪に月の出や   素閑

興亡しいまは廃れぬ梅の城   素閑

狂歌詠みそれもかなわず梅の花   素閑

あきなはれ梅一枝の涙かな   素閑

梅が枝のところ寂しい賤の庭   素閑

梅盗む心ありけり小若衆   素閑

梅老ひて木曾の檜も劣りせじ   素閑

梅を見ゆ今日碧なすあけの空   素閑


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