ランチの店を探していたら、気になるところがあった。
「チャヤ マクロビ レストラン」
マクロビとは、マクロビオティックのことだ。あの、マドンナやトム・クルーズも、マクロビオティック愛好家といわれている。彼女の美貌と見事な肢体を思い浮かべ、ここにしようと決めた。
もっとも、一度食べたからといって、彼らに近づけるはずもないのだが。
「マクロビオティック? なにそれ」
このところ、一緒に行動することの多い幸枝が、大きな目をパチパチさせて尋ねる。
「ええと、穀物中心の食事だったかな……」
「ふうん。オーガニックとどう違うの?」
「そっ、それは……」
答えに窮した。イメージが先行するばかりで、実際のところ、私はマクロビオティックの何たるかを知らない。これではいけないと思い、きちんと調べてみた。
店のホームページによると、「マクロビオティックとは、穀物や野菜、海藻などを中心とする日本の伝統食をベースとした食事を摂ることにより、自然と調和をとりながら、健康な暮らしを実現する考え方」で、「暮らす土地の旬のものを食べること」「自然の恵を残さず丸ごといただくこと」を原則としている。だから、野菜の皮や根も食べるし、玄米や砂糖も精製せず用いるようだ。また、基本的に、肉・卵・乳製品・化学調味料などは使用せず、食品の灰汁も取り除かないという。
食材バランスや調理法にも決まりごとがあるようだが、急激にではなくゆっくりと、我慢し過ぎてストレスをためないように実践するのがポイントらしい。自分で作るのは面倒だが、食べさせてもらえるならありがたい。
レストランは11時からだ。すぐ満席になってしまうので、開店と同時になだれ込むのがおススメという。ランチタイムは主婦ばかりだと思っていたら、中にはカップルやサラリーマンもいて、意外と客層が広い。男性2人連れは、ちょっと怪しい雰囲気をかもし出していたが、愛好家らしい細身の体型だった。
「お待たせしました。新玉ねぎのロースト アスパラと春野菜のコンポジション 柑橘ハーブソース添えでございます」

マクロビという名前からか、黒っぽい色の料理を想像していたが、目の前にあるのは色鮮やか一皿である。まろやかな酸味とほどよい甘味が楽しめ、とても美味しかった。
お次は、「根セロリと蛤のスープ」である。

サラサラした舌触りで、あっさりした味に仕上がっている。蛤がひとつしか入っていないのは物足りないが、マクロビオティックだから仕方ない。あるだけマシと思うことにした。
メインは「かるくスモークした桜鱒のオーブン焼き 葉山葵のソース」だ。

私はてっきり鮭だと思ったのだが、桜鱒という魚があるらしい。香ばしく、大変美味に燻されている。ソースも素晴らしい味である。肉はないけれど、十分楽しめるメインであった。
「美味しい。よかったよ」
ダイエット中の幸枝も満足したようだ。
食後のデザートにケーキがつく。こちらのケーキは、卵、バター、生クリーム、白砂糖を使用せずに作られているとのことだ。私は「soyティラミス」、つまり豆乳ティラミスにした。

こってりした甘さがなく、舌の上でとろけるような食べやすさがいい。飲み物はミントティーにした。なかなかお目にかかれない、生ハーブには感動する。

フレッシュで爽やかなミントティーを、ぜひ味わっていただきたい。
幸枝のチョイスは、「伊予柑の豆乳カスタードパイ」である。

愛媛県産の伊予柑を、豆乳カスタードクリームとあわせたものらしい。こちらも美味しかったそうだ。ランチは毎月変わるから、頃合を見て、また来たい。
「そろそろ行こうか」
お会計をすませて店を出ると、後ろから呼び止められた。振り返ると、ウエイトレスが立っている。
「あのう、お席の下に落ちていたのですが、お客様のでしょうか」
彼女が差し出したものは、見慣れたデジタルカメラであった。
「あっ、私のです!! ありがとうございます!」
礼を言って受け取ったが、こんな失敗は初めてだ。食べることとおしゃべりに夢中になって、カメラの存在を完璧に忘れていた。商売道具だというのに……。
過剰な盛り上がりにご用心!

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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「チャヤ マクロビ レストラン」
マクロビとは、マクロビオティックのことだ。あの、マドンナやトム・クルーズも、マクロビオティック愛好家といわれている。彼女の美貌と見事な肢体を思い浮かべ、ここにしようと決めた。
もっとも、一度食べたからといって、彼らに近づけるはずもないのだが。
「マクロビオティック? なにそれ」
このところ、一緒に行動することの多い幸枝が、大きな目をパチパチさせて尋ねる。
「ええと、穀物中心の食事だったかな……」
「ふうん。オーガニックとどう違うの?」
「そっ、それは……」
答えに窮した。イメージが先行するばかりで、実際のところ、私はマクロビオティックの何たるかを知らない。これではいけないと思い、きちんと調べてみた。
店のホームページによると、「マクロビオティックとは、穀物や野菜、海藻などを中心とする日本の伝統食をベースとした食事を摂ることにより、自然と調和をとりながら、健康な暮らしを実現する考え方」で、「暮らす土地の旬のものを食べること」「自然の恵を残さず丸ごといただくこと」を原則としている。だから、野菜の皮や根も食べるし、玄米や砂糖も精製せず用いるようだ。また、基本的に、肉・卵・乳製品・化学調味料などは使用せず、食品の灰汁も取り除かないという。
食材バランスや調理法にも決まりごとがあるようだが、急激にではなくゆっくりと、我慢し過ぎてストレスをためないように実践するのがポイントらしい。自分で作るのは面倒だが、食べさせてもらえるならありがたい。
レストランは11時からだ。すぐ満席になってしまうので、開店と同時になだれ込むのがおススメという。ランチタイムは主婦ばかりだと思っていたら、中にはカップルやサラリーマンもいて、意外と客層が広い。男性2人連れは、ちょっと怪しい雰囲気をかもし出していたが、愛好家らしい細身の体型だった。
「お待たせしました。新玉ねぎのロースト アスパラと春野菜のコンポジション 柑橘ハーブソース添えでございます」

マクロビという名前からか、黒っぽい色の料理を想像していたが、目の前にあるのは色鮮やか一皿である。まろやかな酸味とほどよい甘味が楽しめ、とても美味しかった。
お次は、「根セロリと蛤のスープ」である。

サラサラした舌触りで、あっさりした味に仕上がっている。蛤がひとつしか入っていないのは物足りないが、マクロビオティックだから仕方ない。あるだけマシと思うことにした。
メインは「かるくスモークした桜鱒のオーブン焼き 葉山葵のソース」だ。

私はてっきり鮭だと思ったのだが、桜鱒という魚があるらしい。香ばしく、大変美味に燻されている。ソースも素晴らしい味である。肉はないけれど、十分楽しめるメインであった。
「美味しい。よかったよ」
ダイエット中の幸枝も満足したようだ。
食後のデザートにケーキがつく。こちらのケーキは、卵、バター、生クリーム、白砂糖を使用せずに作られているとのことだ。私は「soyティラミス」、つまり豆乳ティラミスにした。

こってりした甘さがなく、舌の上でとろけるような食べやすさがいい。飲み物はミントティーにした。なかなかお目にかかれない、生ハーブには感動する。

フレッシュで爽やかなミントティーを、ぜひ味わっていただきたい。
幸枝のチョイスは、「伊予柑の豆乳カスタードパイ」である。

愛媛県産の伊予柑を、豆乳カスタードクリームとあわせたものらしい。こちらも美味しかったそうだ。ランチは毎月変わるから、頃合を見て、また来たい。
「そろそろ行こうか」
お会計をすませて店を出ると、後ろから呼び止められた。振り返ると、ウエイトレスが立っている。
「あのう、お席の下に落ちていたのですが、お客様のでしょうか」
彼女が差し出したものは、見慣れたデジタルカメラであった。
「あっ、私のです!! ありがとうございます!」
礼を言って受け取ったが、こんな失敗は初めてだ。食べることとおしゃべりに夢中になって、カメラの存在を完璧に忘れていた。商売道具だというのに……。
過剰な盛り上がりにご用心!

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