これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

家庭内離婚の年賀状

2012年12月30日 21時33分39秒 | エッセイ
 今月初め、古いプリンタが壊れた。もう10年以上前に買った年代物なので、十分元は取れている。しかし、住所録の入ったパソコンは、このプリンタにしか接続できない。
「年賀状どうしよう」
「どうしよう」
 私も夫もうろたえた。互換性のないアプリケーションを使っていたため、300件近い住所録がパーだ。パソコンに詳しい人ならば、もっと気の利いた対応ができるのだろうが、私の技術では取り出せない。
 ひとまず、試験休みと冬休みで暇を持て余している娘に頼み、古いパソコンのデータを新しいパソコンに入力し直す作業をしてもらった。エクセルで作れば、この先ずっと使えるだろうから安心だ。
「俺のはいいよ。カラリオを買うから」
 夫はパソコンなしでもハガキの作成ができるという、エプソンのカラリオで宛名の印字をするらしい。
 前にも書いたことがあるが、我が家は家庭内離婚と言われており、シャンプー、石鹸、歯磨き粉、茶葉などなど、ほとんどの日用品を夫婦で共有していない。それぞれが、てんで勝手にお気に入りの商品を買ってきて、自己管理している。茶葉を切らしたとき、こっそり夫の茶筒から借りることはあるけれど、基本は別々だ。もっとも、あとから茶葉を買ってきても、夫に返したためしはないが。
 そんなわけで、今年から年賀状の宛名も、各自で印刷することになった。
「お母さん、全部打ち終わったよ」
 私と娘の女子チームはクリスマス前に入力を終え、さっさと印刷に移った。
 一方、メカオンチの夫は、入力に四苦八苦していたようだ。4万を切ったカラリオを手に入れたはいいが、使いこなしている雰囲気ではなかった。



「ママ、『昶』って字が出てこない。何て読むのかな?」
「知らないよ。手書き入力すれば?」
「カラリオにはそんな機能がないんだ~!」
 夫は、牛に似た顔を歪ませて、「モウッ」と文句を言い始めた。



 結局、義弟たちに聞きまくり、彼らが解決してくれたようだ。
「わかった、『あきら』だってさ」
 夫はようやく入力を終えたが、この遅れが響き、印刷までこぎつけたのは、12月29日の昼過ぎである。分厚いハガキの束をかかえ、いそいそとポストに向かっていった。
 年賀状の残りがやけに少ない。私が3枚、夫が4枚、印刷ミスをしたからだ。
 
 別々にするから、こんな無駄が!

 アホらしくなり、ため息がでた。
 毎年、一家で300枚近くの年賀状を出すので、印刷は近所のスーパーに一括して注文する。来年からは、宛名を分けたついでに、年賀状も各自で印刷にしようかと思いついた。
 だが、差出人名が、女子チームは2人連名、夫は単独となると、周りの反応が怖い。「笹木さんち、とうとう離婚したみたいよ」などと噂されかねないではないか。
 モウッ!

 年内の更新はこれで終わりです。
 今年も読んでくださり、ありがとうございました(^_^)/
 どうぞ、よいお年をお迎えください。
 来年も、またよろしくお願いいたします。


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コメント (10)
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