福岡に行くと言ったら、20代の同僚女性が興味深い話をしてくれた。
「福岡から吉野ケ里遺跡が近いんですよ。私は行きました。すごくよかったです」
なぬ、吉野ケ里遺跡!?
佐賀県と聞いていたが、博多から45分ほどで行かれるらしい。ぜひ、行ってみたい。
しかし、いざ福岡に来てみると、早起きするのはダルいし暑いし、同行した娘もライブ疲れをしている。だんだん面倒になり、「次でいっか」と思い始めた。
他に歴史的価値のあるものはないかなと『るるぶ』を探していると、どえらいフレーズが目に入った。
「福岡市博物館 ~ 教科書でおなじみの、国宝 金印を展示しています」
金印とは、あの「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の文字でおなじみのハンコである。私は仰天して、娘に駆け寄った。
「ねえねえ、教科書に載ってた金印が見られるって。ヤフオクドームの近くだから、ついでに行こうよ」
「金印? 何で福岡なの? 長崎じゃないの?」
「長崎は江戸時代じゃなかった?」
「そうだっけ」
「もっと昔のハンコでしょ」
「織田信長?」
「卑弥呼かも」
地元の人や、日本史の専門家が聞いたら、立ちくらみを起こしそうな会話である。
ひとまず、「行けばわかるんじゃね?」ということでバスに乗った。
福岡市博物館は大変モダンな建物だ。予想よりも大きくて立派であった。
「スゲー……」
私も娘も、口をあんぐりと開けて中に入る。
金印は常設展で公開しているらしい。階段を上がってみると、不吉な看板が目についた。
「常設展示室はリニューアルのため、現在閉室しております」
ギャッ!!
しかし、よく見たら続きがあった。
「なお、国宝 金印は部門別展示室にて公開しております」
ウホウホ。
さすがは福岡市。私のために、準備しておいてくれたのだ。
なんてはずはないか……。
金印は博物館で一番の目玉なのだろう。展示室の入口すぐの場所に飾られていた。朱色の印影がでかでかと掲げられ、見覚えのある文字に、大昔のものとは思えない親近感が感じられる。
印面の1辺の長さは2.347cmという。かなり小さな印だが、重量は108.7gあり、見た目より重いそうだ。教科書に掲載されていたものを生で見て、有名人に会えたときと同じ喜びがあった。
来てよかった!
金印は、中国の史書『後漢書』にある光武帝が、福岡平野にあった奴国(なこく)の王に与えた「印綬」(いんじゅ)にあたるもので、弥生時代に大陸との盛んな交流が行われていたことを示すものだという。
「全然違っていたね」
「恥ずかしいね」
私たちは赤面しながら展示室を出た。
階段の手前に、来館記念スタンプがあった。
「あっ、これいい~!」
迷わずペッタン。
「お母さん、博物館のもあるよ」
こちらもペッタン。
すごーく得した気分。
今度来たら、吉野ケ里遺跡にも行かなくちゃ。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「福岡から吉野ケ里遺跡が近いんですよ。私は行きました。すごくよかったです」
なぬ、吉野ケ里遺跡!?
佐賀県と聞いていたが、博多から45分ほどで行かれるらしい。ぜひ、行ってみたい。
しかし、いざ福岡に来てみると、早起きするのはダルいし暑いし、同行した娘もライブ疲れをしている。だんだん面倒になり、「次でいっか」と思い始めた。
他に歴史的価値のあるものはないかなと『るるぶ』を探していると、どえらいフレーズが目に入った。
「福岡市博物館 ~ 教科書でおなじみの、国宝 金印を展示しています」
金印とは、あの「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の文字でおなじみのハンコである。私は仰天して、娘に駆け寄った。
「ねえねえ、教科書に載ってた金印が見られるって。ヤフオクドームの近くだから、ついでに行こうよ」
「金印? 何で福岡なの? 長崎じゃないの?」
「長崎は江戸時代じゃなかった?」
「そうだっけ」
「もっと昔のハンコでしょ」
「織田信長?」
「卑弥呼かも」
地元の人や、日本史の専門家が聞いたら、立ちくらみを起こしそうな会話である。
ひとまず、「行けばわかるんじゃね?」ということでバスに乗った。
福岡市博物館は大変モダンな建物だ。予想よりも大きくて立派であった。
「スゲー……」
私も娘も、口をあんぐりと開けて中に入る。
金印は常設展で公開しているらしい。階段を上がってみると、不吉な看板が目についた。
「常設展示室はリニューアルのため、現在閉室しております」
ギャッ!!
しかし、よく見たら続きがあった。
「なお、国宝 金印は部門別展示室にて公開しております」
ウホウホ。
さすがは福岡市。私のために、準備しておいてくれたのだ。
なんてはずはないか……。
金印は博物館で一番の目玉なのだろう。展示室の入口すぐの場所に飾られていた。朱色の印影がでかでかと掲げられ、見覚えのある文字に、大昔のものとは思えない親近感が感じられる。
印面の1辺の長さは2.347cmという。かなり小さな印だが、重量は108.7gあり、見た目より重いそうだ。教科書に掲載されていたものを生で見て、有名人に会えたときと同じ喜びがあった。
来てよかった!
金印は、中国の史書『後漢書』にある光武帝が、福岡平野にあった奴国(なこく)の王に与えた「印綬」(いんじゅ)にあたるもので、弥生時代に大陸との盛んな交流が行われていたことを示すものだという。
「全然違っていたね」
「恥ずかしいね」
私たちは赤面しながら展示室を出た。
階段の手前に、来館記念スタンプがあった。
「あっ、これいい~!」
迷わずペッタン。
「お母さん、博物館のもあるよ」
こちらもペッタン。
すごーく得した気分。
今度来たら、吉野ケ里遺跡にも行かなくちゃ。
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