これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

私がスイーツをやめたワケ

2016年08月14日 21時27分29秒 | エッセイ
 メンタルは強いほうだ。困難にはファイティングポーズで立ち向かい、逃げたら負けの気がする。
 しかし、そうではない人も多い。すぐに傷つき、気力を失って立ち直れなくなる友人を知っている。
 何が違うのだろう。
「これか~!?」
 ヒントをくれたのは、この本である。



『心療内科に行く前に食事を変えなさい』
 そっか、食事ね。
 これは人づきあいの参考になる予感がする。早速ゲットした。
 筆者はマスコミに露出度の高い医師のようだが、私はテレビを見ないので全然知らない。語り口から、率直で「困った人たちを助けたい」という気持ちが伝わってくる。信頼できそうだ。
 読んでいるうちに、「おや?」と注意を引く症状を見つけた。
「当てはまるものをチェックしましょう。寝起きが悪い、湿疹や肌荒れ・あごのニキビに悩んでいる、手足が冷えやすい・冷え性だ、立ちくらみやめまいがする」
 んん? これって私のことでは……。
 それは、貧血の箇所だった。検査の数値上、私は軽度の貧血に分類されているが、筆者の診断によると女性の8割が貧血だという。
「湿疹ができやすい、鼻水が止まらない、便秘になりやすいなどの不調に悩まされている人は、鉄不足から皮膚や粘膜が弱くなっている証拠」
 実は、5月末から鼻水がグズグズと続いている。かかりつけ医からはアレルギーと言われ、2種類の錠剤を服用しているがすでに3カ月。いつになったら治るのだろうと思っていた。
「口の周りのポツポツもなくならないし、油断すると便秘になるし、絶対鉄不足だよ」
 この本は、タイプ別の食べ物や食べ方を教えてくれるところがいい。
「まず、ヘム鉄(肉・魚)をとろう」
 これにも心当たりがある。ちょうど3年前に『長生きしたけりゃ肉は食うな』という本に刺激を受け、肉を減らしたせいなのではないか。
「やーめた。肉よ肉。今日から肉をたくさん食べようっと」
 実際に、肉をたくさん食べるようにしたら、肌がキレイになり、薬なしでも鼻がすっきりしている。
 もう一つ、図星を指された箇所があった。
「キレやすい、低血糖タイプ」
「甘いものが食べたくて仕方ない、音がうるさく感じることがある、ランチ後1~2時間すると眠くなってやる気が出ない」
 私はスイーツをこよなく愛している。血糖値が気になるため、空腹時には食べないけれど、お弁当のあとにデザートでバウムクーヘンやプリンをパクリ、くらいならいいよねと思っていた。しかし、このタイプにも当てはまるものが多く、心配になってきた。
「ランチにご飯やスイーツなどの糖質を多くとると、血糖値は急激にグンと上がります。そうなると、膵臓は急いで血糖値を下げようとして、大量にインスリンを分泌します。すると血糖値は急降下。脳に糖分が行かなくなり、急激な眠気や集中力の低下、だるさなどを感じることになります」
 うん、まさにこれである。
 ときどき、仕事中に抗いがたい睡魔に襲われることがある。会議中だろうと、面談中だろうと、お構いなしだ。体がだんだん重くなり、やがて身動きがとれなくなる。椅子に座っているのに、ぬかるみにはまってしまったような状態だ。心は幽体離脱し、夢の中をさまよい始める。人の話し声が遠くなり、まったく頭に入ってこない。
 この「泥沼地獄」を何とかしなくては、と思っていたところだった。
「ベストなおやつは、インスリンを分泌せず、かつ脳の働きを高めるタンパク質や脂質の食品です。チーズ、ナッツ、牛乳や豆乳、するめや小魚スナックなど」
 ふむふむ、なるほど。
 今までに、スイーツの功罪を、こんなにわかりやすく教えてくれた人はいなかった。
 糖尿病予備軍と診断されてから、甘いものはかなり控えてきたが、まだまだ手ぬるかったようだ。これを機に、スイーツは記念日やお祝いなどの特別な日だけにしよう。泥沼地獄はもうたくさんである。
 日常的なおやつはこれ。



 比較的塩分の少ないナチュラルチーズ、とりわけカマンベールチーズが私の好みだ。トロリとした食感がたまらない。
「食後のスイーツだけでそうなるの? 多分、インスリンの分泌量が少ないんですよ。僕もだから」
 糖尿病を患う同僚からは、こんなアドバイスももらい、さらに気が引きしまる。
 友人の顔を思い浮かべて買った本だが、結局は自分のためになった。


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コメント (10)
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