これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

大人も遊べる鉄道博物館

2019年10月06日 21時47分43秒 | エッセイ
 鉄道マニアではないが、以前から、鉄道博物館には興味があった。
 2学期は祝日が多く、体力にもゆとりがある。仕事のない日にエイヤッと家を飛び出し、大宮からニューシャトルに乗り込んだ。
 つい券売所に行ってしまったが、入口には自動改札があり、スイカやパスモで入館することもできるらしい。これは一本とられたと感じた。
「おおっ」
 ステンドグラスのお出迎えがまぶしい。



 地味な施設を想像していたので、明るく華やかなエントランスに期待が高まる。
 私は7月から朝食をとらない生活を続けている。時計を見ると、すでに11時を回っていた。まずはランチからにしよう。あとから知ったことだが、駅弁も館内で売られているので、家族連れなら食事のできる車両に乗り込み、旅行気分で賑やかにいただくこともできる。
 トレインレストラン日本食堂。



 食堂車を再現した内装になっており、かなりオシャレだ。東海道・山陽新幹線では2000年に食堂車を全面廃止にしているし、車内販売までなくなるご時世だから、飲み食いに命を懸ける身としては、誰かタイムマシンを開発してくれないかと切に願う。
 デミグラスソースのハンバーグステーキ。



 東京駅赤レンガ パウンドケーキ。



 ハードな仕上がりのケーキで、ほどよい歯ごたえが小気味いい食感であった。
 満腹になったら、館内巡りをして、カロリー消費を図る。個人的には「歴史」の展示が一番気に入った。



 さすがに、この時代に電車に乗ったことはない。



 ドラマや映画で見たような光景だ。



 この券売機には強いノスタルジーを感じた。



 ICカードが主流となった今では、この機械の前にズラリと人が行列を作っていたなんて、信じられないだろうな。そして、この時代は有人改札が当然だった。



 中学生のとき、休日に行きたい場所は原宿が一番人気だった。ちょうど、竹の子族が話題となっていた時代である。私も何回か行った。竹下通りをブラブラして、雑貨を買ったりクレープを食べたりするのが楽しかった。
 あるとき、一人の友達が帰りの切符をなくした。決して不正を働いたわけではないけれど、このままでは改札を出られない。そこで、彼女と同じ駅で下りる別の友達が、機転を利かせた。
「この切符をはがして2枚に増やそう」
 当時の切符も少々厚手で、二層になっていたのが幸いした。一人が表面を上にして、もう一人は裏面を上にして切符を出し、無事に通過することができたらしい。
 自動改札では完全アウトだろうが、当時の改札員も目利きのプロである。今にして思えば、うつむきながら小さな背中を丸め、オドオドと通り過ぎる少女を見て、事情を察した改札員が見逃してくれたのではないか。
 1階の車両ステーションは最も力を入れた場所に見えた。



 こんなに古い車両を保存していたのかと驚くばかり。





 主だった車両は中まで入れるサービスがうれしい。



 新幹線といったら、これが普通だった。



 今はスタイリッシュになったなぁ。



 ふと、奇妙な感覚に見舞われた。この車両が動き出したら、過去に行かれるのではないかと。あり得ないことが起きそうだと、どうにもワクワクする。









 車両ステーションを抜けると、現実に戻ってきたが、郷愁感は心の中に残っていて、そこだけほのかに温かい。
 ああ楽しかった。
 リフレッシュできた。
 また遊びに行こうっと。


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コメント (12)
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