これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

インチキタイツ

2019年12月08日 21時48分48秒 | エッセイ
 12月に入り、本格的に寒くなってきた。暖房の利いた室内にいても足元が冷える。必然的に、裏起毛のパンツばかりを履くようになる。
「でも、たまにはスカートも履きたいんだよね」
 スーパーの2階に行けば、オバさん、おばあさん向けと思われる、厚手のタイツが売られている。くすんだベージュだから、余計に血色が悪く見え、まったくエレガントでない。
 若い頃は絶対買わなかったが、加齢というものは恐ろしい。「もうオバさんだし」と開き直る歳になると、暖かければ何でもいいという短絡的な思考に支配され、いくつか購入してしまった。
「うーん、でもやっぱり寒いな」
 見た目が悪くて寒ければ、好んで履くはずもない。結局、真冬は分厚いパンツルックなのだ。
 しかし、今年はよい商品に出会えた。
「なになに、セシールの足美人(そくびじん)?」
 カタログの説明を読むと、見た目は薄手のストッキングなのに、実はポカポカのタイツとあった。
「たしかに、薄手のストッキングに見えるわぁ。どうなってんの?」


(カタログより)

 気になる商品は、チャチャッと購入する。



 この状態ではどう見てもタイツにしか見えないが、巧妙な二層構造になっていて、分厚いタイツの上に薄手の黒ストッキングが重なっている。だから、足の凹凸に応じて、透け感が演出できるというわけだ。
 中は、真冬仕立てでこんな感じ。



「あったか~い」
 生地の厚さで、多少は足が太く見えるけれど、ほとんど気にならない。それより、暖かさが重要だ。
 ためしに、これとロングスカートを履いて自転車に乗ってみたら、まったく風を通さなかった。調子に乗って、そのまま出勤する。
「何て偉いタイツ!」
 足元が変わると気分が上がる。その日は一日中、鼻歌が飛び出しそうな高揚感を持って過ごした。
 19時過ぎに帰宅し、すっかりお気に入りとなったタイツを脱ぐ。だが、予想外の事態が待ち受けていた。
「あれえ、一回しか履いていないのに、もうボロくなってる……」



 かかとに毛玉ができ、白くなってしまった部分の目立つこと。
 このタイツは、思ったよりもデリケートらしい。値段の割に、耐久性がないのが欠点だ。
 というわけで、またまた裏起毛のパンツばかりになっている。
 でも、見てなさい。
 卒業式には、このタイツを履いて、オシャレするわよ!


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コメント (6)
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