これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

2019 今年の漢字

2019年12月15日 21時40分42秒 | エッセイ
 毎年、清水寺から発信される「今年の漢字」を楽しみにしている。
「うーん、『令』かぁ。そのまんまじゃん。もうちょっとひねってほしかったな」
 家でブーブー言う年も多いのだが、毎年、勝手に自分なりの「今年の漢字」でエッセイを書くのだから、黙っているべきかもしれない。
 まあ、これはこれで妥当かしら。
 では、私にとっての今年の漢字は何だろう。
「やっぱ『初』かな。4月から、初めて尽くしだったからね」
 異動先の高校は、初めての普通科だった。職業科の教員免許しか持っていない私には、あらゆるものが新鮮だ。
 授業がないのも初めて。毎日、書類や電話と格闘している。
 家から近い高校で、初めての通勤時間10分。時間短縮でよかった反面、消費エネルギーが減り、健康診断ではコレステロール値で引っかかった。交通機関を利用しなくなった分、読書量も減ってしまった。
 周りからは「無理していませんか、大丈夫ですか」と心配されることも多い。私は背が低く、鶏ガラみたいな体型をしている。ぱっと見で、「この人、忙しくなると倒れるんじゃ」と不安がられる理由はわかる。
 でも、私の「適応力」が高く、ゴキブリ並みの生命力を持っていることは、ほとんど知られていないだろう。反乱分子ばかりの集団では、不満の種をかわしながら自分のポジショニングを見つけることができる。また、無気力だらけの集団でも、「これはやりたい」を決めて、マイペースで動くことができる。根底には、「他人が私の行動をコントロールするなんて、100年早いんだ、ふーんだ」みたいな気持ちがあることは間違いない。
 もうひとつ、「観察力」も身を助けてくれる。職員の行動を見ていて、「この人、実はこう思っているんじゃないかな」とか「次はこう動くんじゃないかな」と予想すると、結構な確率で当たるのだ。勘というより、これまでに会った人の行動と結果が頭の中で膨大なデータベースを構成していて、そこから該当するパターンを選ぶ感じに近い。いずれにせよ、職員の心の動きや行動を予測し、それに寄り添った対応をするのが今の私の仕事なのだから、この能力は大いに利用せねばと思っている。
 残念なことに「学力」や「判断力」は衰える一方だ……。昨日は階段の「階」の字が書けなかった。年々、頭が悪くなっていく現象は何とか食い止めたいけれど、何をしたらよいのかわからない。毎日10分の脳トレをしてみようかと考えるこの頃である。
 そうそう、娘のいない家も初めての経験だ。4月に就職し、横浜で一人暮らしを始めたから、家の中は私と夫だけになってしまった。一階に住んでいた義母までもが、9月から特養老人ホームに入居したから、部屋の中がからっぽになったことにも慣れていない。
「やっぱり、家族は多い方がいいよね」
 心からそう思ってやまない。



 みなさんの、今年の漢字は何ですか?
 その一文字に、一年間の想いや成果が表れているに違いありません。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (10)
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