夫が一泊で新潟に行くことになった。
「おみやげは何がいい?」
「うーん、そうねぇ」
職場には新潟出身の職員が複数いて、みやげをもらったことがある。
柿の種。

都内で買うよりパリパリしていて美味しかった気がする。
朱鷺の子。


何種類かあるようだが、黒が一番気に入った。

よし、頼むならこれにしよう。
しかし、ちゃんと画像を確認しなかったものだから、商品名を間違えて伝えてしまった。
「じゃあ、朱鷺の玉子ってやつがいいな」
「朱鷺の、玉子?」
「そうそう」
「わかった」
たぶん、カモメの玉子と混同したのだ。いかんなぁ。
新潟は父の故郷でもある。子どものときから、あれこれおみやげをもらっていたが、コロナ禍以降は親族との行き来がなくなったようで、出かける話を聞いていない。久しぶりの新潟感に気分が上がる。
一泊旅行はあっという間に終わり、夫が帰ってきた。
「ただいま。笹だんご買ってきたよ」
まずは娘のリクエストである笹だんごが登場する。

バラ売りしていることは知らなかった。プラスチック製のカゴに入った10個入りなどをイメージしていたので、ちょっとびっくり。つぶあん、こしあんが選べるとあって、芸の細かさに「へえ~」と感心した。
中身も記憶と違っている。

昔は中央がくびれていたのに、今はずん胴になったようだ。小型化したことを歓迎する人もいるだろう。
「美味しい」
味は昔と同じ。緑が濃くて、ビタミンがたくさんとれるのではないかと期待した。
「ママに頼まれたおみやげも買ってきたよ」
「わーい」
「温泉たまご饅頭だったよね」
「え……」

ドーンと出てきた箱に、しばし言葉を失った。
「玉子」を強調し過ぎたのだな、きっと。
まあ、これはこれで美味しいような気がするから、よしとしよう。
「朱鷺の子」さん、またいつかどこかで……。クスン。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
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柿の種。

都内で買うよりパリパリしていて美味しかった気がする。
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何種類かあるようだが、黒が一番気に入った。

よし、頼むならこれにしよう。
しかし、ちゃんと画像を確認しなかったものだから、商品名を間違えて伝えてしまった。
「じゃあ、朱鷺の玉子ってやつがいいな」
「朱鷺の、玉子?」
「そうそう」
「わかった」
たぶん、カモメの玉子と混同したのだ。いかんなぁ。
新潟は父の故郷でもある。子どものときから、あれこれおみやげをもらっていたが、コロナ禍以降は親族との行き来がなくなったようで、出かける話を聞いていない。久しぶりの新潟感に気分が上がる。
一泊旅行はあっという間に終わり、夫が帰ってきた。
「ただいま。笹だんご買ってきたよ」
まずは娘のリクエストである笹だんごが登場する。

バラ売りしていることは知らなかった。プラスチック製のカゴに入った10個入りなどをイメージしていたので、ちょっとびっくり。つぶあん、こしあんが選べるとあって、芸の細かさに「へえ~」と感心した。
中身も記憶と違っている。

昔は中央がくびれていたのに、今はずん胴になったようだ。小型化したことを歓迎する人もいるだろう。
「美味しい」
味は昔と同じ。緑が濃くて、ビタミンがたくさんとれるのではないかと期待した。
「ママに頼まれたおみやげも買ってきたよ」
「わーい」
「温泉たまご饅頭だったよね」
「え……」

ドーンと出てきた箱に、しばし言葉を失った。
「玉子」を強調し過ぎたのだな、きっと。
まあ、これはこれで美味しいような気がするから、よしとしよう。
「朱鷺の子」さん、またいつかどこかで……。クスン。

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