これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

幻の新潟みやげ

2023年07月02日 16時49分04秒 | エッセイ
 夫が一泊で新潟に行くことになった。
「おみやげは何がいい?」
「うーん、そうねぇ」
 職場には新潟出身の職員が複数いて、みやげをもらったことがある。
 柿の種。



 都内で買うよりパリパリしていて美味しかった気がする。
 朱鷺の子。





 何種類かあるようだが、黒が一番気に入った。



 よし、頼むならこれにしよう。
 しかし、ちゃんと画像を確認しなかったものだから、商品名を間違えて伝えてしまった。
「じゃあ、朱鷺の玉子ってやつがいいな」
「朱鷺の、玉子?」
「そうそう」
「わかった」
 たぶん、カモメの玉子と混同したのだ。いかんなぁ。
 新潟は父の故郷でもある。子どものときから、あれこれおみやげをもらっていたが、コロナ禍以降は親族との行き来がなくなったようで、出かける話を聞いていない。久しぶりの新潟感に気分が上がる。

 一泊旅行はあっという間に終わり、夫が帰ってきた。
「ただいま。笹だんご買ってきたよ」
 まずは娘のリクエストである笹だんごが登場する。



 バラ売りしていることは知らなかった。プラスチック製のカゴに入った10個入りなどをイメージしていたので、ちょっとびっくり。つぶあん、こしあんが選べるとあって、芸の細かさに「へえ~」と感心した。
 中身も記憶と違っている。



 昔は中央がくびれていたのに、今はずん胴になったようだ。小型化したことを歓迎する人もいるだろう。
「美味しい」
 味は昔と同じ。緑が濃くて、ビタミンがたくさんとれるのではないかと期待した。
「ママに頼まれたおみやげも買ってきたよ」
「わーい」
「温泉たまご饅頭だったよね」
「え……」



 ドーンと出てきた箱に、しばし言葉を失った。
「玉子」を強調し過ぎたのだな、きっと。
 まあ、これはこれで美味しいような気がするから、よしとしよう。
「朱鷺の子」さん、またいつかどこかで……。クスン。

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コメント (4)
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