これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

割にハードな鳥取砂丘

2018年09月09日 21時39分45秒 | エッセイ
 鳥取砂丘は広大な砂の海である。
 エキゾチックで幻想的な写真を見て、ずっと「一度は行ってみたい」と感じていた。だが、砂漠ではなく砂丘という名の通り、思いの外アップダウンの激しい場所だった。
「砂丘会館で長ぐつを借りよう」
 スニーカーなどでは、靴の中に砂が入ってしまうそうだ。また、夏場は砂が60度まで上がり熱くなるので、サンダルはもってのほかとWebページに書いてあった。まったくファッショナブルではないけれど、ここは素直に長ぐつを履こう。



 給食のオバちゃんみたい……。
 インフォメーションで地図をもらうと、砂丘のてっぺんとなる馬の背までの道が載っていた。最短距離で行くコースは、急な傾斜を真っ直ぐに進むため、「ヒイヒイハアハアコース」との名がつけられていた。
 これはちょっと……。
 代わりに、60分かけてグルッと一周する「おすすめコース」を歩くことにした。歩く距離は長くなるが、高低差は小さいので疲れないと思ったからだ。
「あれだ」
 階段を上り切ると砂丘が見える。



 早く行きたいのは山々だが、焦らず右に進み緑地帯を歩く。
「あ、バッタ」
 草の間から、何匹ものバッタが飛び出してきた。少し前に話題になった『バッタを倒しにアフリカへ』に出てくる、サバクトビバッタではなさそうだ。



 バッタは体の色を変えられるそうだから、砂に同化してこんな色をしているのかもしれない。



 緑はすぐになくなり、砂、砂、砂のエリアが待っていた。右足を踏み入れると「ズブズブ」と沈み込み、左足の番になっても「ズブズブ」と潜っていく。「よっこらしょ」と砂から足を引っこ抜き、また同じことを繰り返す。ただでさえ長ぐつが重いから、平地を歩くよりもずっと疲れる。
 まもなく、夫が悲鳴を上げた。
「ダメだ、もう膝が痛い」
 奴は若い時分に膝の手術をしているせいか、悪路と寒さにはめっぽう弱い。これから引き返し、砂丘会館で休憩すると宣言した。
「しょうがない。2人で行こう」
 私と娘はすこぶる元気である。足の下から逃げようとする砂にすべり、邪魔されても馬の背を目指した。



 日本海も見える。



 景色を楽しみながら登れば、馬の背には難なく着く。ここは結構混雑していた。「せっかく登ったのだから、もう少しいたい」と誰もが考えるからだろう。
 風が吹き、砂丘に「風紋」のできる場所がある。馬の背から米子寄りに進むと、ほとんど人がいなかった。トンビの家族が4羽で仲良く遊んでいただけで、ほぼ貸切の風紋を堪能できたことがうれしい。



 足跡もつけちゃった~!



 最後はラクダに乗る。エイキチくんというヒトコブラクダだった。かなりの高さから、ズン、ズンと歩く振動が伝わってくる。大人に肩車されているような目の位置なので、高所恐怖症の人には厳しいかもしれない。



 水は持っていたが、とにかく喉が渇いた。
 砂丘会館に戻ると、ダッシュで梨ジュースを買い、一気に飲み干した。これがまた美味しい。



「俺は梨ソフトを食べて待ってた」
「はあ?」
 私たちはジュースだけだったのに、キイ~!
 砂丘では、パラグライダーやサンドボードなども体験できるそうだ。
 また来る機会があれば、チャレンジしたい。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (10)
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