これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

何か忘れていませんか?

2018年09月28日 22時27分09秒 | エッセイ
 昨夜はよく眠れなかった。
 季節の変わり目には咳に悩まされることがある。風邪かと思って内科に行くと、いつもアレルギーと診断される。常備している薬を飲んで寝たが、即効性はないから、夜中に咳き込んで何度も目が覚めた。
「ゴホゴホ、ゴホゴホ。まだ3時か……」
 だから、寝起きは最悪だった。頭がボーッとして重い。それでも、これしきのことで仕事を休むわけにいかず、手早く朝食をすませて駅に向かう。
「あ……アイラインが」
 駅の近くで、化粧のミスに気づいた。ファンデーションは塗ったのに、アイラインを塗り忘れた。荷物を軽くするため、化粧品は持ち歩かない。女子力も捨てた。けれども、いつもよりダメダメな見てくれに萎縮する。
「ポーチに入っていたのに、何で気づかなかったんだろう」
 それはやはり、寝ぼけていたからに違いない。脳の一部が眠っていたのだ。今も?
 さて、どうしよう。わざわざ取りに帰るほどのものではない。代わりのものはないか?
「ふでペンとか」



 ふでペンは、職場の机に常備している。私のアイライナーはふでペンタイプだから、飽きたら写経に使おうかと思っていた。ならば逆に、ほんまもんのふでペンで目を縁取るのもアリか。
「んなわけないだろう」
 冷静な答えが出てきた。だって、落ちなかったら大変ではないか。
「ボールペンとか」
 2校目の教え子は、アイライナーの代わりに油性のボールペンを使っていた。恥ずかしげもなく堂々と。描きやすくていいと笑っていたが、彼女の肌はボロボロだった。肌荒れしては元も子もない。
 結局、目の周りには何もつけなかった。
「考えてみたら、咳対策でマスクするじゃん。口紅だっていらないよ」
 加齢とともに、睡眠力や女子力は落ちていくのに、怠け心は成長する。
 ムクムク、ムクムク膨れ上がって、すっかり図々しくなった。
 しばらくは手抜きメイクかな?


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (8)
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