一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

2103- 雛ちらし

2021-03-02 | 生け花

 癌の緩和ケアの病院に入院した妹は お雛まつりの日に亡くなりました。

この病院は 比較的新しくできた病院で、設備も整っていて癌の終末期の残り少ない日々を 快適に過ごすための心配りが至る所に感じられました。

ここで妹は、最後の一週間を過ごしました。

 南に面した窓からは、手入れの行き届いた庭が見下ろせ 目覚めには朝日を浴び 夜は星を見上げ 小鳥のさえずりが心を和ませるかの様です。

その様な、豊かな自然が病む人の心には どの様に映っていたのでしょうか。

 食事に関しても毎回、栄養と味を熟慮した美味しいもので 最後の二日を除いて 妹は「美味しい」と言って完食していました。

一週間の献立表の3月2日は季節感を感じさせる「雛ちらし」となっていて妹は嬉しそうにしていました。きっと子供の頃、母がよく作ってくれたちらし寿司を思い出していたのでしょう。

 

 でも3月2日には痛みが強くなり 食事をとることが出来なくなりました。

 雛ちらしを、楽しみにしていたことを思い出し 今夜は雛ちらしを作ってお供えします。 

母の作っていた、チリメン雑魚や干瓢の入った 味が濃い目のちらし寿司です。子供の頃、大好きだった薄桃色の桜でんぶも のせて・・・。

 

 花材 ・桃の花 ・こでまり ・スイートピー ・ぜんまい

 花器 ・創作線紋花器 馬川晴美作

 

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