一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1803- 古都の春

2018-03-25 | 生け花
 桜の開花、柳の若芽の緑・・・旅心を誘われる頃です。
ニュースの画面では、外国人を含めた観光客で 大賑わいの京都の様子が 伝えられてきます。
 あの春霞の中の静かな かっての京都には もう会えないのかも知れません。

 花材 ・山ツバキ 
 花器 ・アンティーク砥部焼 舟徳利 
 点景 ・舞子絵リトグラフ (小磯良平作)




1803- セリご飯と花てぼ

2018-03-22 | 生け花
 元町の野菜産直のお店で、セリが売られていました。懐かしいセリご飯の香りが 思い出されて買い求めました。

 私が小学校三年の時、当時福岡市内から 大牟田線で15分位の片田舎に引っ越しました。
父が経営していた、菜種を原料とした食用油を製造する 小さな町工場に続く住宅でした。
 周りは殆どが田圃と畑で、油の原材料の菜の花と麦畑が広がる 筑紫平野です。
今頃の時期、学校帰りの田の畔に 田セリが沢山 生えていて始めて食べたセリご飯が すっかり気に入り 母に度々「セリご飯を作って・・」とねだりました。
 母は「花てぼ」と言う小さな籠と、竹のへらを出してくれて妹を連れて 菜摘みに出掛けました。

 畦道の横を流れる小さな用水は、とても奇麗で流れがキラキラしていたのを 思い出します。
採ってきたセリは井戸端で奇麗に洗い、ざるに上げて母に渡すまでが 私の仕事でした。
 後に、この籠は八女の特産であることを知りました。今でも作られている様です。
遠い懐かしい 思い出です。

 花材 ・菜の花 ・つばき
 花器 ・織部創作花器 (山田修作)






1803- 海のあけぼの

2018-03-21 | 生け花
 春はあけぼの・・・、清少納言が枕草子に綴った 春一番の美しい光景ですが 続く言葉で山の風景の美しさを 讃えていることが判ります。
ベランダから見渡す 辺りを薄茜色に染め上げた 春の海のあけぼのも 違った趣で素敵です。

 花材 ・ぼけ ・椿 三種
 花器 ・有田焼 青白磁器


1803- いかなご漁の春

2018-03-20 | 生け花
 播磨の海に春を告げる、いかなご漁が始まり 本格的な春の訪れを迎えています。
妹が神戸の知人にお願いして、美味しい くぎ煮を作って貰い 我が家にもお裾分けが回ってきます。
 早速、すし飯を作り錦糸卵を作り 青味の野菜・紅生姜などを用意し いかなご寿司を作りました。
小さな いかなごの くぎ煮の出来具合は上々で 春の味覚を楽しみました。

 いかなごのくぎ煮は、小さなものが良いらしく 魚売り場で売られているものも二センチ未満のものです。
詩人の金子みすゞさんが見たら、心を痛める様な稚魚です。キラキラ光る、小さないかなごを眺めて思いました。

 花材 ・白椿 一休 ・一つ葉
 花器 ・丹波焼ブルー 鉢 (市野秀作)




1803- 雨あがり

2018-03-17 | 生け花
 久しぶりに、夜通し降った雨も 昼近くにはすっかり上がりました。
冬の間 乾燥と寒さで そこにあることさえ忘れていた 裏庭の苔が緑のふかふかの絨毯のように 復活しています。
 天地のエネルギーと、暖かさをしっかりと吸い上げた緑は 人の心も豊かに包みます。
古刹の景観を、いっそう味わい深くする 苔の美しさは今は 日本人だけではなく外国の人にも理解される理由が良くわかる 優しい春雨の贈り物でした。

 花材 ・シンビジウム二種 ・結びやなぎ
 花器 ・津軽ビードロ 花瓶