一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1811- 陽だまり

2018-11-24 | 生け花
 急に、朝夕の冷え込みが 強く感じられます。柔らかな冬の陽だまりが恋しい季節です。
庭の片隅に、実が落ちて自生したらしい 柿の木が今年も紅葉しました。そっと触ってみると、その柔らかさにビックリしました。

 柿の葉は、柿の葉寿司の殺菌のために 用いられたり その他いろいろな薬効があるようです。
私がかつて務めていた会社では、全国の支社・工場に柿の葉で作ったお茶が 行き渡っていて社員はもちろん、来客にもポットに用意したこのお茶を出していました。少し、薬茶の香りはするものの慣れると美味しく感じていました。
 社員の健康を気遣う 社長さんの考えだったのでしょう。

 柔らかい冬の日差しの中で 美しく映える柿の紅葉を眺めながら こんなことを思い出しました。

 花材 ・柿の葉の紅葉 ・にしき木
 花器 ・ブルーガラス器

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1811- 大谷焼の甕 (かめ)

2018-11-23 | 生け花
 大谷焼の甕が、私の元に来たのは35年程前のことでした。当時、岡山「RSK メディア・コム」は新しいビルで そこのホールでの「生け花 流展」への出瓶のため 買い求めました。
 松や枝垂桑・ニシキ木・ゆりなどを使った大作は今 写真で見るとエネルギーだけを頼りに生けた作品に思えます。因みにテーマは「海」でした。その後も、岡山の花展会場で 季節を変えながら何度か使い ここ数年はガレージの片隅で鎮座していました。  

 大谷焼の甕は、徳島阿波の地に江戸時代 大分から渡ってきた 陶工によって始められ 生活雑器や藍染めの液を入れる「甕」として使われてきました。
 この度、知り合いで藍染めの魅力に深く惹かれて 染めを始めた人に この甕を差し上げる事にしました。徳島阿波から、岡山にわたり花展会場を大きな作品で 飾ってくれたこの甕は 数十年ぶりに四国に戻り 本来の目的に使われることになったわけです。
 車に横に乗せられた甕は。涅槃像の様に静かに横たわり 夕暮れの中 我が家を後にして行きました。

 花材 ・土佐みずき ・菊 ・紅ひま ・お多福南天
 花器 ・備前焼花瓶





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1811- 岬のボージョレ・ヌーボー

2018-11-21 | 生け花
 数年前から、神戸の我が家でお花を学んでいた女性が 愛媛県の佐田岬へ 居を移してから4か月目。
書道家の夫君の展示と共に、花展を開催しました。
 数年前に流派を離れ「想花人」として自由に生け花活動をしてきた 私の意思をくみ取り 生け花をライフワークの一つ としてくれる人なのかと言う予感の様なものがありましたが この様な形で実現してくれるとは驚きでした。

 会が終わって、会場の様子の写真と 岬の野の花材を一抱え そして新鮮な数々のお土産と共に 我が家を訪れてくれました。
距離的には少し離れてはいますが、岬に生まれた新しいワインの様な 新鮮で風雅な香りの生け花です。
今はフルーティな味の新鮮なワインですが、やがて熟成した芳醇な香り立つ 赤ワインになる日が期待できます。

 花材 ・山帰来 ・ガマズミ ・紅ヒマ
 花器 ・津軽ビードロ(グリーン花瓶) ・アンティーク 手作りガラス花瓶




  我が家訪問の際の、彼女の作品
青もじの枝の、伸びやかな線が 生まれたての「ボージョレ・ヌーボー」の様に新鮮です

 花材 ・青もじ ・トルコ桔梗 ・ドラセナ ・ヒペリカム
 花器 ・備前焼 壺 (小川秀蔵 作)


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1811- コントレール

2018-11-18 | 生け花
 サザンカの花が開き、咲き初めの頃の花びらはもう はらはらと地面を濃いピンク色に染め始めました。
モズが数羽、けたたましく鳴き交わし 今年の秋も終わりが近い事を告げているようです。

 真っ青な空を 南北に切り裂く様に、長い飛行機雲が その先を鋭く光らせ 傾いた陽の中を 西へ伸びて行きます。
明日のお天気は、そろそろ下り坂でしょうか。

 花材 ・小菊 ・コルダータ ・南天の実
 花器 ・琉球ガラス 掛花器

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1811- 酔 歌

2018-11-16 | 生け花
 秋の夜長は、独りでも 多勢でも温かいお酒が良い様です。
 
 花材 ・サザンカ ・雪柳 
 花器 ・有田焼 白磁花瓶 点景にぐい吞み (虫明焼と九谷焼天目)

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