前回(→こちら)に続いて、大川豊の『日本インディーズ列伝』を読む。
「UFO党」「日本愛酢党」羽柴誠三秀吉などなど、ステキすぎる泡沫候補の数々を紹介する本書。
一読大爆笑は必至なのだが、中でもインパクトがあったのが山口節生先生。
総裁が、付録のDVDにも収めたこのお人。まずなにがすごいといって、その出馬頻度。
なんと16年間で24回出馬。
総裁は「おそらくギネスものだろう」としてから、
「オレが大好きな理由がわかるだろ」。
なんだか、ケンカの強い兄貴を自慢する弟のようでほほえましいではないか。
そんな山口先生、インディーズ候補の常として支持者が少ない。
どうしても、知名度から人脈や資金について大手に大幅に劣ることとなるのだが、バックアップしてくれるのは、それこそ総裁のような一部マニアのみなのだ。
そのことが顕著に表れたのが、大宮ソニックホールで行われた山口先生の集会。
キャパ2500人という大ホールである。その情報をキャッチした総裁は、
「あのマイナーな山口先生がそんな大きなところで!」
すぐさま駆けつけたのだが、なんとその大ホールに訪れたお客は総裁一人だけだったのである。
あとの2499は空席。閑古鳥。まさに太平洋ひとりぼっち。
本屋などで、作家やマンガ家がサイン会をやったら、客が数人しかいなくてドッチラケで大困りなんてことがあるらしいが、数人どころか一人である。
咳をしなくてもひとり。ものの見事な、さらしものである。総裁が来なかったら、どうしてたんだろ。
ところがである。山口先生は壇上に登ったのであった。
たったひとり、自分の話を聞きに来てくれた総裁のために。彼は演説をはじめようとしている。
これはすごいことである。人間「呑みにいかない?」という誘いを「いや、今日はちょっと」とか断られただけで、「なんだ、オレってもしかして嫌われてるのかな」とか、ヘコんだりもするものである。
そこに、この山口先生の心の大きさは素晴らしいではないか。さすがは、総裁が認めた人である。その山口先生の開口一番が、
「ボクはPUFFYになりたい」
ここでまず、スココーンとコケそうになる。
なんだそれは。それならまず、奥田民生に連絡取れよといいたくなるが、まあそれくらいの人気者になりたいということであろう。
そこからは真面目に、政治の話になる。たったひとりの客相手に、熱弁を振るう山口先生。
まさに「逆ひとりでできるもん」状態といえようが、氏は日本を憂い、本気で未来のことを考えているのだ。
2500人収容の大ホールの中、マンツーマンで語る山口先生。この模様はDVDにも収録されてて、ホントに1対1(正確には撮影スタッフなどもいますが)のガチンコ勝負。
語ること約3時間。すごい。ほとんど、アンディー・ウォーホールの実験映像であった。
ちなみに、山口先生はことあるごとにPUFFYの話を語っていたそうである。ただ単にファンなのではないかという気がしないでもないが、「パフィーで日本を語る」というのもよいではないか。
そんな孤軍奮闘状態の山口先生であるが、応援演説をしてくれる味方というのもいるのである。それが川上俊夫先生だ。
不勉強にも私は知らなかったが、なんでも政見放送で
「ホー、ホー、ホータル来い♪」
という歌を披露した人だという。
だというと言われても、読者諸兄も困るであろうが、さすがはインディーズ仲間だ。またその川上先生の政策というのが
「イギリスの民営化」。
イギリスの民営化。なんだそれは。意味不明だ。
郵政ではなく、イギリスの民営化。
負けました。なにに負けたのかわからないが、素晴らしいインパクトだ。なぜその年の流行語大賞にならなかったのか、首をひねるばかりである。
かように、個性的な候補者たちにスポットをあてたこの本は爆笑必至。
他にも
「ニートが選挙に出馬」
「わたしはマッカーサーから日本の権利を譲り受けた」
「『クイズミリオネア』で得た100万円を元手に立候補」
などなどパワフルな人が、たくさん紹介されている。
昨今、若者の政治ばなれが嘆かれているそうだが、この本を読めば、
「え? 選挙ってこんなおもしろいの?」
と蒙が啓かれるのではないだろうか。もちろん出馬もOKだ。
「UFO党」「日本愛酢党」羽柴誠三秀吉などなど、ステキすぎる泡沫候補の数々を紹介する本書。
一読大爆笑は必至なのだが、中でもインパクトがあったのが山口節生先生。
総裁が、付録のDVDにも収めたこのお人。まずなにがすごいといって、その出馬頻度。
なんと16年間で24回出馬。
総裁は「おそらくギネスものだろう」としてから、
「オレが大好きな理由がわかるだろ」。
なんだか、ケンカの強い兄貴を自慢する弟のようでほほえましいではないか。
そんな山口先生、インディーズ候補の常として支持者が少ない。
どうしても、知名度から人脈や資金について大手に大幅に劣ることとなるのだが、バックアップしてくれるのは、それこそ総裁のような一部マニアのみなのだ。
そのことが顕著に表れたのが、大宮ソニックホールで行われた山口先生の集会。
キャパ2500人という大ホールである。その情報をキャッチした総裁は、
「あのマイナーな山口先生がそんな大きなところで!」
すぐさま駆けつけたのだが、なんとその大ホールに訪れたお客は総裁一人だけだったのである。
あとの2499は空席。閑古鳥。まさに太平洋ひとりぼっち。
本屋などで、作家やマンガ家がサイン会をやったら、客が数人しかいなくてドッチラケで大困りなんてことがあるらしいが、数人どころか一人である。
咳をしなくてもひとり。ものの見事な、さらしものである。総裁が来なかったら、どうしてたんだろ。
ところがである。山口先生は壇上に登ったのであった。
たったひとり、自分の話を聞きに来てくれた総裁のために。彼は演説をはじめようとしている。
これはすごいことである。人間「呑みにいかない?」という誘いを「いや、今日はちょっと」とか断られただけで、「なんだ、オレってもしかして嫌われてるのかな」とか、ヘコんだりもするものである。
そこに、この山口先生の心の大きさは素晴らしいではないか。さすがは、総裁が認めた人である。その山口先生の開口一番が、
「ボクはPUFFYになりたい」
ここでまず、スココーンとコケそうになる。
なんだそれは。それならまず、奥田民生に連絡取れよといいたくなるが、まあそれくらいの人気者になりたいということであろう。
そこからは真面目に、政治の話になる。たったひとりの客相手に、熱弁を振るう山口先生。
まさに「逆ひとりでできるもん」状態といえようが、氏は日本を憂い、本気で未来のことを考えているのだ。
2500人収容の大ホールの中、マンツーマンで語る山口先生。この模様はDVDにも収録されてて、ホントに1対1(正確には撮影スタッフなどもいますが)のガチンコ勝負。
語ること約3時間。すごい。ほとんど、アンディー・ウォーホールの実験映像であった。
ちなみに、山口先生はことあるごとにPUFFYの話を語っていたそうである。ただ単にファンなのではないかという気がしないでもないが、「パフィーで日本を語る」というのもよいではないか。
そんな孤軍奮闘状態の山口先生であるが、応援演説をしてくれる味方というのもいるのである。それが川上俊夫先生だ。
不勉強にも私は知らなかったが、なんでも政見放送で
「ホー、ホー、ホータル来い♪」
という歌を披露した人だという。
だというと言われても、読者諸兄も困るであろうが、さすがはインディーズ仲間だ。またその川上先生の政策というのが
「イギリスの民営化」。
イギリスの民営化。なんだそれは。意味不明だ。
郵政ではなく、イギリスの民営化。
負けました。なにに負けたのかわからないが、素晴らしいインパクトだ。なぜその年の流行語大賞にならなかったのか、首をひねるばかりである。
かように、個性的な候補者たちにスポットをあてたこの本は爆笑必至。
他にも
「ニートが選挙に出馬」
「わたしはマッカーサーから日本の権利を譲り受けた」
「『クイズミリオネア』で得た100万円を元手に立候補」
などなどパワフルな人が、たくさん紹介されている。
昨今、若者の政治ばなれが嘆かれているそうだが、この本を読めば、
「え? 選挙ってこんなおもしろいの?」
と蒙が啓かれるのではないだろうか。もちろん出馬もOKだ。