ウルトラマン 科学特捜隊の倒した怪獣を数えてみよう

2023年04月22日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「安用寺孝功世代」が中心のオタク談義。
 
 ウルトラマンにくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂った特撮エピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 


 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」



 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 


 「ばっかりガブガブ飲んでる主人公が、弱っちい正義のロボットを差し置いて、ムチでバシバシ巨大怪獣を倒す話」 



 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。
 
 では、まずは登場人物。


 



 
 1.ベットウ


 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。

 好きな『ウルトラQ』の怪獣はぺギラ


 
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ
 
 好きな『ウルトラQ』の怪獣は特になし。


 
 
 3.カネダ先輩

 SFミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな『ウルトラQ』の怪獣はパゴス


 
 4.

 特撮SFミステリ、映画あたりが専門。
 
 好きな『ウルトラQ』の怪獣はマンモスフラワー
 



 
 
「なんか、日本の特撮って、すごいんだね」
 
「すごいやろ。なんかねー、頭狂ってるよな」

ファミコン黎明期みたいな、闇鍋カオスな勢いはありましたよね」

「今やったら、一時期のなろう系みたいな感じかもな。ちょっと前のニコ生とか」

「どんなジャンルも、出始めのときは無茶できるねん。それが楽しい。昭慶爆発とか」

「『日本沈没』とか最高やけど、絶対にケガ人出てますよね」

「見ただけで、【あ、これヤバイやつや】ってわかるもんな。でもこの時代の怖いところは、別にこの人が特別でもないという」

「ふつうのアクションシーンでも、俳優さんの周りでバンバン爆発させるし」

「こないだ亡くなった団時朗さんも、外ロケでそこらじゅうに火薬の仕込んであるところを走るのとか、メチャ怖かったって言うてはりましたね」

どこに埋めてあるかとか、本番中にイチイチ気にしてられへんから」

「芝居しながら、めくらめっぽうで走るしかない」

「マジで、地雷原で運動会とか、してるようなもんですもんね」

「『空手バカ一代』の特訓シーンみたいや」

「アハハハハハ! まあ、あれは創作ですけど」

「なに言うてるねん。あれは全部、ホンマのことやん」

「んなわけあるかい! カネダ先輩、この人アホですわ」

「(真顔で)あのマンガには事実しか描いてないぞ」

「出た、大槻ケンヂの【ウソしか描いてないのに、信者はあれを全部本当のことと信じている】という意味で『空バカ』=聖書説」

「あのさー、盛り上がってるところ悪いけど、ひとつ質問していい?」
 
「どうぞ、どうぞ」
 
「その『シン・ウルトラマン』ってさあ、劇中に正義組織みたいなの出てくるの? 【地球防衛隊】みたいな」
 
「あー、それは出ますよ」
 
「【気特対】やったけ」
 
「それは山本弘の『MM9』ですわ」

「【気象庁特異生物対策部】やね」

「『シン・マン』は禍威獣特設対策室で【禍特対】。ちなみに、どっちも科学特捜隊の略称である科特隊が元ネタっすね」
  
「で、それがどした?」
 
「うーん、こういうこというと言うと、怒られるかもしれないけど、そういう組織があるなら、ウルトラマンっていらないんじゃないかって」
 
「ほう」
 
「だってその、科特隊だか禍特対って、怪獣退治のスペシャリストなわけでしょ? それなりの戦力は持ってるわけで」
 
スーパーガンスパイダーショットマルス133だって、立派に怪獣を倒してるよな」
 
「なんか、ふつうに戦って、勝てる気がするんだけど。怪獣って、要はデカい動物みたいなもんだし」
 
「あー、それは全然勝てますねえ」
 
「あ、そうなの?」
 
「それはなー、特撮ファンの間では、まあ常識というか」
 
「全然、怪獣に人間は勝てるねん」
 
「科特隊とか出んでも、自衛隊で充分」
 
戦車とか出したら、【撃て】【どどどーん】でオシマイ」
 
退治のノリっすね」

「へーえ」
 
「だから、それこそ『MM9』は怪獣を倒す方法よりも、【いかに倒せない状況を作るか】を考えるのがキモやったって、作者も言うてた」
 
「本気出したら勝つから【怪獣の血液劇薬で、飛び散ると大惨事になるから攻撃できない】みたいな縛り作ってね」
 
有川浩海の底』も、自衛隊出たら一発でしたもんね」
 
「だから、あの小説は自衛隊を《出せない》葛藤がドラマになってる」
 
「まあ、レガリスは数メートルくらいで、ちっこいからホンマに害獣退治と変わらん」
 
「じゃあ、自衛隊とか地球防衛軍が攻撃するミサイルを次々はね返されて《ウルトラマン助けて!》みたいなシーンは、基本フィクションなんだね」
 
「ドラマを盛り上げるために、あえて噛ませ犬をやってくれてる」
 
「けど、初代マンの方の科特隊は結構がんばってますよ」
 
「そうなんだ」
 
「結構、怪獣は倒してるのよな。えーと、なにあったけ。まず、アントラー

「ウルトラマンが大苦戦するのを、キャップナイススローでね」

 

 

 

スペシウム光線にノーダメのアントラー。カッケー。

 

 

「スゴイ遠投とコントロールで、青い球を命中させるねんな。あの回はバラージのセットもすばらしい」

の映画のセットに、勝手に入って撮ったんですよね」

「そういや『奇巌城の冒険』って観たことある人に、会ったことないなあ」

「たしかに。そもそも、ソフト化されてるんやろか」

「アントラー出るんかな」

出るわけないでしょ」

「オレ、世界中のすべての映像作品に、怪獣出てほしい人やから」

「ただの気ちがいですやん」

「『ローマの休日』とかでも?」

「あーいいッスねえ。全然ありです」

「なに出すんです?」

ビルガモとか」

「どういうセンスなんスか。やっぱそこはアボラスバニラやないんですか?」

スタジアムあるからな。今度、『名作映画怪獣が出るなら、どれが合う?』って企画やろうか」

「それ、いいですね!」

 

 

 

 

ローマが似合う男(?)。ロボット怪獣ビルガモ。「バルタニック・ウェーブ」がイカす。かわいい。

 

 

「話を戻して、アントラーの次はマグラーか」

マグラかマグラーかで、一晩悩むやつですね」

ナパーム手榴弾でノックダウンってのが、シブいんよなあ」

 

続く

 


 
 

コメント
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