解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MAC 『君の名は。』編

2023年06月17日 | オタク・サブカル

 今回はわれわれ「トーマス嶋田世代」が中心のオタク談義。
 
 将棋の「米長名人誕生」について書いていたら、思ったより長くなってしまい久しぶりのこのネタですが、特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 
 「宇宙から、恐るべき円盤生物を派遣して、人類を大ピンチに追いやった指令が、最終回でウルトラマンじゃなく、そこいらの子供にボコられて死ぬ」 
 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。
 
 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。
 
 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣はサタンビートル


 
   
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣は特になし。

 
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣はガロンリットル


 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。
 
 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣はブリザード

 
 
 

ベットウ「というわけで、いろいろウルトラマンの正義の組織について、語ってきましたけど」

MATTACZATときて、最後はMACか」

ワカバヤシ「なんか、マクドナルドみたいなチームだねえ」

ベットウ「いやいや、MACといえばマッキントッシュでしょ」

「ふつうは赤坂ちゃう?」

カネダ「えー? 鈴木しか思い浮かばんけどねー」

ワカバヤシ「キミらのかたよったマック知識はいいから。で、このMACってどんな組織なの?」

ベットウ「『ウルトラマンレオ』に出てきた宇宙パトロール隊。【Monster Attacking Crew】を略してMAC」

「またの名を【全滅MAC】」

ワカバヤシ「うーん、なんだかTACとMATを足して2で割ったような名前」

カネダ「ZATの【Z】探したのんで、凝った名前は懲りたんちゃうか?」

ベットウ【Zariba】には振り回されましたよ

「若干、ネタ切れ感はあるよな」

カネダ「実際、MACはあつかい自体も、わりとぞんざいやしな」

ワカバヤシ「なんで? あ、【全滅】だから弱いんだ」

カネダ「いや、弱いのは弱いけど、それは他のチームも似たようなもんやから」

「なんやろ。とりあえず、みんなだいたい、MACの隊員がだれかとか、おぼえてへんねん」

ワカバヤシ「ヒドイなあ」

ベットウ「たしかにそうなんですけど、なんでやろ、不思議におぼえてないですよね」

カネダ「そうそう。科特隊ならハヤタにアラシ、イデ隊員とか」

ダウンタウンがやってたヤンタンに、【ウルトラマンのイデ隊員のコーナー】ってあったなあ」

ベットウ「他にも、ウルトラ警備隊からZATまで、特撮ファンやったら全員、隊員名は言えるんですよ」

ワカバヤシ「言えるんだ」

カネダ「まあ、九九みたいなもんやな」

ベットウ「でも、それがMACになると、主人公のおおとりゲンと、隊長のウルトラセブンでもあるモロボシ・ダン以外、あんまし名前が出てこーへんのです」

「なんか、【ツルク星人に殺されたヤツ】とか、【カーリー星人におそわれたヤツ】とか」

ベットウ「胴体まっぷたつになる人ですよね。今やったら、放送できない」

ワカバヤシ「名前言ってあげてよ」

カネダ「うーん、これはタロウと一緒で、後期ウルトラマンは、そんな熱心に見てなかったからというのもあるけど……」

ベットウ「それを置いても、MAC隊員は存在感ないですよね」

川上鉄太郎より知られてない。そら、全滅もさせられるわ、と」

ワカバヤシ「で、その【全滅MAC】ってなんなの?」

カネダ「これはもうね、MACが文字通り全滅するから」

ベットウ「伝説の第40話。『恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった!』」

ワカバヤシ「あらら、タイトルでもう言ってしまってる」

ベットウ「すごいでしょ。で、中身もこれがまた、ハードで」

ブラックスターから送り込まれた円盤生物シルバーブルーメに襲われて、宇宙にあるMAC基地は致命的なダメージを受ける」

 

 

円盤生物の先鋒シルバーブルーメ。たった1匹でMACを終了させたスゴイ奴。

 

ベットウ「あ、ちなみになんで円盤生物かといえば、当時はUFOブームやったかららしいです」

ワカバヤシ「乗っかるなあ」

カネダ「いやいや子供番組やし、そういう姿勢は大事よ」

「で、これが、メチャクチャに怖いんよな」

ベットウ「レオは基本、怖いんスよ。女性隊員の誕生日パーティーやってて、すごく和気あいあいとしてるところからの大惨事」

カネダ「【全滅】はネタにされがちやけど、演出はええのよ。救いのない感じが。シリアスで」

「宇宙いうのが、またコワイ。逃げ場がないし」

カネダ「『エイリアン』やね。クローズドサークルものの息苦しさ」

ワカバヤシ「あー、あれは怖いね」

ベットウ「まさに藻屑と化して死ぬおそろしさ。絶望感がスゴイ」

カネダ「小川一水の『天涯の砦』読んだとき、シルバーブルーメ思い出したもんな」

「同じ絶望でも、ジャンセスナとはえらい違いや」

カネダ「トラウマなるで」

ベットウダン隊長まで死んでまいますしねえ」

ワカバヤシ「ホントに全滅なんだねえ」

「さらに言えば、そのあとの地球襲撃シーンもエグイ」

カネダ「バンバン人死んで、避難所に【死亡者名簿】が、かかってるねんけど」

ベットウ「明らかに、東京大空襲とかのイメージなんですよ。全然救いがない」

 

 

 

 

 

カネダ「ガチやね、あの辺は」

ベットウ「『火垂るの墓』くらい容赦ない」

「子供とかあんなん、よー見んで」

ワカバヤシ「すごい展開だねえ。今までは、そんなのなかったんでしょ?」

ベットウ「まあ、過激なテコ入れという説が有力ですからね」

ワカバヤシ「あー、ありそうだね」

ベットウ「この当時の日本って、オイルショックやったんですよ」

ワカバヤシ「はいはい。今の子が知ってるかは不明だけど、社会の教科書とかに載ってたね」

ベットウ「そうそう、主婦がトイレットペーパー買いしめるシーンとか」

「で、それが特撮界にも押し寄せてきて」

カネダ「なんせ、カネがかかるから」

ベットウ「毎週セット組んで、新しい怪獣作って、全部壊すとか、贅沢な世界ですからねえ」

第1話、2話の洪水シーンはすごいもんね。なんべん見ても最高」

カネダ「ゆるーい『タロウ』を楽しんでた子供に、ケンカ売るようなキツい内容で」

「それやのに、回が進むごとに……」

ベットウブニョとかノーヴァとか、いかにも予算ないねんなーって思いましたもん」

カネダ「もともとレオが光線技使わん肉体派なのも、合成とかにお金かけへんためやし」

「そのフトコロ具合が苦しくなって、それやったら、もうMAC全滅させてまお、と」

カネダ「そしたら、ストーリーに緊迫感は出るし、隊員のギャラも減らせるし、ええことだらけやないか!」

ベットウ「経費削減ですわ!」

ワカバヤシ「それ、みんなの妄想でしょ?」

ベットウ「でも、だいたい当たってるんとちゃいます?」

「【Zariba】と同じで、それしかない感じが」

ワカバヤシ「大人の事情なんだね」

 

 (続く


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