ウルトラ5つの誓い その2

2013年10月04日 | オタク・サブカル
 前回(→こちら)の続き。

 帰ってきたウルトラマン最終話のサブタイトル「ウルトラ5つの誓い」というのが、なんともかっこよく、

 「で、その誓いって、どんな内容やったっけ」

 と調べてみた友人サカイ君と私。

 きっと、「男なら夢を追い続けろ」とか「自分の幸せより、人類全体の幸せが大事なんだぞ」といった、感動的な言葉が出るかと期待して検索してみたらそこには、

 「ひとつ、腹ペコのまま学校に行かないこと」

 とあって、スココーンとコケそうになった。

 故郷に帰るウルトラマンが我々に残したかった最後のメッセージが、

 「朝メシはちゃんと食え」

 そんな栄養士の本みたいなものでいいのかウルトラマン。お母ちゃんやないんやから、とつっこみたくなったが、続いては、

 「ひとつ、天気のいい日には布団を干すこと」

 うむ、たしかに。布団はマメに干したほうがいい。人体は寝ている間にコップ一杯分の汗を……って、おいおいウルトラマン、なにを語っているのか。

 たしかに布団は干すに越したことはないが、なんだか小冊子「主婦の心得」みたいである。私もこう見えて一人暮らしは長いが、まさかウルトラマンに「布団を干せ」と説経されるとは思わなかった。

 さらに3つ目は、

 「ひとつ、道に出るときには車に気をつけること」

 飛び出しは交通事故につながる。よく気をつけないととうなずきたくなるが、やはりそれは宇宙人よりも地方自治体とかにまかせたらどうなのか。

 で、4つ目が、

 「ひとつ、他人の力を頼りにしないこと」

 おお、ようやくヒーローものっぽいセリフが出てきたではないか。というか、これを最初にいえよ!という気もする。そうそう、こういうのが欲しかったのだ、我々としては。

 ただ、ひとつ気になるのは、他人を頼ってはいけないが、自力で倒せなかった怪獣を、人にもらったウルトラブレスレットでガンガンやっつけるのはどうかとか、そもそも地球防衛をまかされているMATが、脚本を書く市川森一にすら

 「こいつら、超よえーなー」

 とあきれられる弱さで、毎回毎回「解散だぞ」とリストラの危機におびえ、あまつさえ仕事はすべてウルトラマンに丸投げとかは問題ではないのか。

 どうにもやってることに説得力がない気がしないでもない。オレらより、そのセリフはMATに言えよということにならないか。

 最後の5つ目は、

 「ひとつ、土の上をはだしで走り回って遊ぶこと」

 オチではどーんと遊び方の話だ。まあ、子供はよく学び、よく遊ぶのがいいが、ウルトラマンもこれから故郷をバット星人の侵略から守るために帰るというのに、なんとも呑気な話である。

 昨今の子供はしっかりしてるから、そんな人から「遊べ」と言われても、「いや、気をつかって遊びにくいよ!」と思うかもしれない。

 こうして、あらためて見直した「ウルトラ5つの誓い」であるが、なんだか全体的に見て

 「小学校の校長先生が全校集会で話す退屈なお説教」

 といった内容であり、地球のために必死に頑張ってくれた秀樹には悪いが、別にまあ、そんなに誓わなくてもいいのではないかと思ったりした。


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