将棋の高校選手権2019の特集を見る。
都成竜馬五段と、乃木坂46の向井葉月さんが司会をつとめる(なんてさわやかな絵面なんだ……)NHK『将棋フォーカス』で取り上げられたものだが、これがおもしろかった。
将棋部ではないが、私も高校時代文化系クラブに所属していたこともあって、このジャンルをプッシュされると弱いのである。
この世界の古典ともいえる大槻ケンヂ『グミ・チョコレート・パイン』をはじめ、アニメにもなったクイズ研マンガ『ナナマル サンバツ』。
書道部をあつかった『とめはねっ! 鈴里高校書道部』などなど。
文化系の若者たちが世間でマイナーとされるジャンルで熱く青春しているのを見ると、昔の自分に重なって、つい見入ってしまうのだ。
今回、熱気あふれる大会の模様を見て、あらためて感じたことがこれだった。
「将棋を指す女性の姿は魅力的だ」
人がなにかと真剣に向き合っている姿はそれだけで美しく、また人を惹きつけもする。
それこそ、先日新しくできた清麗のタイトルを獲得した里見香奈女流六冠の対局姿など、大げさではなく一片の絵画のような芸術性があるほどで、思わず見入ってしまう。
終局後のホッとしたような笑顔も、またいいというか、まあ、これは別に将棋とか男女とか関係ない話で、それこそ『グミチョコ』のオーケンも、
「モテたかったらバンドをやれ!」
と言っていて、その理由がやはり、
「女の子は、なにかに一心に打ちこんでいる男を好きになるのだ」
それが「正しい」と全面的に言い切れないところもあるけど(苦笑)、原則としてはそうだとは思う。
「ふり向くな君は美しい」
これはサッカーだけの専売特許じゃないのだ。
見ているうちに、なんだか自分もタイムスリップというか、高校生のころの思い出がつらつらとあふれ出てくる。
そういや自分はもともと好きになる子も、なってくれる子も(奇特な子がいるものなのです)勉強が得意だったり、倫理観が高かったりという「頭のいい子」が多かった。
つまり人は自分にないモノに惹かれるということだろう。
なもんだから、将棋のような知的ゲームに没頭する彼女らを見ていると、こんな同級生がいたらポーッとなっちゃうだろうなあと、妙に甘酸っぱい気分になったり。
いいなあ、こんな女子部員いたら、オレも将棋部入っちゃうよ。
もう、マンガの世界やん! 青春やなあ。みんなで全国行こうぜ!(←卒業して何年経ってるのか)
ウチの地元大阪は近大付属か。
準優勝の清水南ってたしか、これまた文化部青春作品『ハルチカ』シリーズの舞台になってる学校だよね。
うーん、わが母校大阪府立S高校もそうだけど、文化部のレベルが高い学校は女子もかわいいんだよねえ。
ま、男はたいていボンクラだけど。
だから男子の部はこっぱずかしくて見れない。昔のオレらみたいに、尻に敷かれてんのかな、とか(笑)。
とかなんとか、なんだかヤングたちの熱気にアテられて、すっかり気分は10代のころに戻ってしまっているというか、私のようないい大人が
「女子高生っていいよね」
などと発言するなど、もはやあらぬ誤解しかまねきそうにないが、なんにしても勝って笑顔、負けて涙。
みんなキラキラしてて、今のブームをきっかけに、もっともっと将棋を指す女の子(もちろん男の子もネ)が増えてくれたらうれしいなあと、あらためて思った日曜の朝でした。