インドア派のゲーム好きには、あえて海外旅行がオススメで、あと石坂浩二

2023年01月26日 | 海外旅行

 こないだに続いて、NHK特集『シルクロード』のお話。

 ファンであるグレゴリ青山さんをはじめ、多くのバックパッカーが影響を語る『シルクロード』をはじめて観た感想は、

 

 「やっぱりゲームが好きな人は、海外旅行と相性がいいのでは」

 

 これは昔から思っていたことだが、海外を旅行すると「ゲームの世界やん!」と感じることが多い。

 チェコにあるプラハ城など、まんま『ドラクエ』的ファンタジーの世界。

 エジプトルクソールにある神殿の数々やカンボジアアンコールワットも、わかりやすくそう。

 ヨーロッパ各所にあるローマの遺跡など、まさにダンジョンや古代帝国の秘宝の数々だというか、そもそもRPGに頻出する、

 

 「失われた古代の魔法王国」

 

 みたいなものの元ネタが、まさしく「ローマ帝国」(だからその末裔とか生き残りとか亡霊とかが主人公たちを「野蛮人」とか言いがち)なのだから、「まんま」その世界なのである。

 いやあもう、歩きながらずっと「アレフガルドのテーマ」とか『ワイルドアームズ』の「ダンジョン」を鼻歌で歌いたい気分だ。

 『ティアリングサーガ』の「ラゼリアの騎士」とか(例が古いのは、今ではゲームほとんどしなくなったから)。

 この気分を「シルクロード」では存分に味わえる。

 があって、人から情報を集めて、教会神殿遺跡を巡って、最後は宿で回復。

 モンスター(スリとかボッタクリ商人)を蹴散らして、貴重なアイテム(おみやげ)をゲット。

 「ルイーダの酒場」でNPCが仲間になったり(ドミトリーで会う旅行者とか日本人と宿をシェア)、美術館や博物館は「おたから」の文字通り宝庫だし、経験値(人生の)ももらえるし。

 なんて、楽しいんや!

 実際『デトロイト ビカム ヒューマン』とか、ライムスター宇多丸さんも大好き『グランドセフトオート』など、完全に「観光気分」を味わえる作りになっている。

 ああいうのは、ミッションもさることながら

 

 「ここでないどこかを自由に歩き回る」

 

 という楽しさがあるわけで、だとしたらゲームもいいけど、リアルで味わってみるのも悪くないのではないか。

 そういえば昔、

 

 「家庭用ゲーム機初の【フリーシナリオ】システム」

 

 というのを売りにしていた『ロマンシングサガ』をプレーしていたとき、せっかくフリーなのだからと、初見プレーでは本当にミッションなど無視してテキトーに「観光」してみた。

 そしたら、ストーリーが全然進んでないのに「ラスボス」が出現してコケそう。

 なんでも、一定時間を経過すると、ストーリーの進み具合関係なくそうなるらしいのだが、気がついたら急に世界が終りかけてビックリ。

 なにもしてないのに(してないから?)取り返しのつかない感じが、なにやら自分の人生を見ているようで、ちょっと笑ってしまったのであった。

 なんてことを思い出しつつも、ゲームと旅行は意外とリンクしているのではという話。

 ふつうは「ゲームやって興味を持って現地に行く」なんだろうけど、旅行者の場合、

 

 旅行好きが高じて、家でもそういうゲームをやりたくなる」

 

 という、漫画家のさいとう克弥さんみたいなケースもあるのではないか。

 リアルとバーチャルの「幸福な関係性」といってもいいかもしれない。

 ゲーム好きなインドア派で、「でも、たまには外に出ないと」と気になってる方は、いっそ思い切って海外で「ゲーム気分」になることをオススメします。

 あと、個人的なツボだったのが、『シルクロード』のナレーションが石坂浩二さんなこと。

 こんなもん、特撮好きからしたら『ウルトラQ』とか『ウルトラマン』しか思い浮かばんわけで、

 

 「この長安の都の特徴は……」

 

 なんて、あの抑制のきいた声で語られると、

 


 「新疆ウイグルを超えると、砂漠の街バラージへの道が長くつながっている」

 「都は人口100万人を超える大都市に発展したが、534年にササメダケの花が咲き、パゴスによって滅ぼされた」
 
 「タクラマカンの砂漠に出現し、科学特捜隊特殊冷凍弾で倒された怪獣モルゴの化石が、アスターナ古墓群から発見されたのだ」


 

 なんて勝手な妄想ナレーションが頭の中で流れだし、それもまた楽しいのである。
 

 


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