解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC 「ダメだったら解散だからな」と藤田進は言った編

2023年04月30日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「矢倉規広世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 
 「主人公が妹の治療費を稼ぐためにインドに修行に行き、正義のヒーローになるも、そこで第三次印パ戦争に巻き込まれるなど苦労し、そのつらい人生をエンディングで《お金もほしいさ、名もほしい》《恋もしたいさ、遊びたい》とグチりまくる」 
 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。

 今回は「自衛隊が出れば怪獣は普通にやっつけられる」という話から、

 「でも、『ウルトラマン』の科学特捜隊はまだしも、その他の防衛組織はかなり弱い

 という流れになってからの続きで……。 


 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。
 
 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣はダンガー
 
  
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣は特になし
 
 
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣はサドラ
 
 
 
 4.。通称

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。
 
 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣はキングマイマイ

 

 それでは、張り切ってどうぞ。

 


  
解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC
 
ベットウ「あるいは、解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MAC」
 
ワカバヤシ「そのマットとかタックって、自衛隊とか地球防衛軍みたいなの?」
 
ベットウ「それぞれ、『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンA』『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンレオ』の正義の組織です」
 
ワカバヤシ「それが、解散とか謹慎とか全滅とか、大丈夫なの?」
 
ベットウ「それが、大丈夫やないんです」
 
ワカバヤシ「だよねえ。これが解散陸自、脱出空自、お遊び海自、全滅在日米軍だったら、日本も終わりだもん」
 
カネダ「まずはMATか」
 
ベットウ「MAT。【Monster Attack Team】の略ですね」
 
ワカバヤシ「【怪獣攻撃隊】。なかなかカッコイイね。で、それがなんで【解散】なの?」
 
「それは、このチームがしょっちゅう《解散、解散》言われてるからやねん」
 
ワカバヤシ「解散って、なんで?」
 
カネダ「そら、怪獣やっつけ……じゃなかった攻撃隊が、怪獣退治に失敗したら、その罰ゲームは受けなあかんわ」
 
ベットウ「だいたい、藤田進に《次ダメだったら、MATは解散だからな》って、シメられてますよね」

 

 

 

「MATは解散だからな」が持ちギャグ(?)の地球防衛庁長官。昭和特撮ではおなじみの、藤田進さん。


 


ワカバヤシ「でも、前線で戦う人達が解散したら、怪獣はどうなるのさ?」
 
「さあ……」
 
ベットウ「ねえ……」
 
ワカバヤシ「ダメじゃん!」
 
ベットウ「まあ、物語に緊迫感を出すために、解散言うてるんでしょうケド」
 
カネダ「そんな戦後処理は、怪獣倒してからやってくれって話やわな」
 
ベットウ「MATって、地球防衛庁のかなり下っ端なんでしょうね」
 
「初めて言われたんって、グドンツインテールのとこやっけ?」
 
ベットウ「最初かどうかは憶えてないですけど、第5話の『二大怪獣東京を襲撃』と、第6話の『決戦!怪獣対MAT』」
 
ワカバヤシ「なんか、おもしろそうなサブタイトル」
 
ベットウ「ここでは、ツインテールと、それを捕食する地底怪獣グドンが大暴れ」
 
カネダ「MATはMN爆弾で攻撃するけど、これでは倒せない」
 
ベットウ「頼みの綱のウルトラマンも敗れて、さあ大変」
 
ワカバヤシ「あ、ウルトラマン、負けちゃうんだ」
 
カネダ「死にはせーへんけどな。わりとボロ負け」
 
「まあ、2対1ですし」

ワカバヤシ「(スマホで検索しながら)ツインテールって、おもしろいフォルムだねえ」
 

 

 

ツインテール。特撮史上に残る、すばらしいデザイン。髪型のツインテールの元ネタも、たぶんコレ。かわいい。

 

 

「この2匹は強いし、デザインもいいし、いい戦いやなあ。大好き」
 
ベットウ「エビの味しますしね」
 
カネダ「で、この状況で《MATは解散》と」
 
ワカバヤシ「そんな無茶なって」
 
カネダ「ホンマ、今する話とちやうよな」

 



古代怪獣グドン。ツインテールとのタッグとは言え、ウルトラマンをボコボコにした実力者。シブい。

 


 
「民間人が地下道に閉じこめられて、それもなんとかせなアカンなのに、そんな内輪もめしてる場合とちゃう!」
 
ベットウ「郷隊員の恋人、アキちゃんも死にかけてるのに……」
 
カネダ「まあ、お偉いさんのリアルではあるよな」
 
ワカバヤシ「んで、本当に解散しちゃうの?」
 
カネダ「いや、そこは防衛軍もなんとかせなあかんから、ついにあれを出してくる」
 
ベットウ「出ましたね、スパイナー

ワカバヤシ「お、新兵器?」
 
「これはすごいねん。なんちゅうても、小型水爆に匹敵する威力があるという」
 
ワカバヤシ「え? え? そんなの使うの? 東京、壊滅してしまわない?」
 
カネダ「ま、するやろね」
 
ワカバヤシ「おさまってる場合じゃないよ。避難できない民間人は?」
 
「まあ、もろともということで」
 
ワカバヤシ「首都機能の施設とかも?」
 
カネダ「大阪か名古屋に遷都しますか」

ワカバヤシ「前も聞いたけど、本当に核兵器を街中で使っちゃうんだねえ」

ベットウ「正確には核やないということになってますけど、まあ核ですよね」

「エヴァに出てくるN2地雷と同じやな。核やけど、核やないと」

カネダ「キノコ雲が上がっても、劇中で核って言うてないから核にならへん」

ベットウ「シュレディンガーの核兵器!」

「ここで岸田森が、東京大空襲の話をするのがグッとくるねんな」
 
カネダ「昭和と平成以降の特撮の違いに、《戦争がリアル》な世代かどうかはあるやろね」
 
ワカバヤシ「いくら怪獣をやっつけられないとはいえ、じゃあ人間とか施設ふくめて、東京もろとも焼き払えばいいじゃんって、すごいねえ」
 
「パンがなければ、ケーキを食べれべええのよ」

ベットウ「『シン・ゴジラ』の東京壊滅シーンの元イメージって、たぶんこのスパイナーのエピソードですよね」

 

続く


 

 


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