Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

♪10「美しさというものは」

2014-01-01 | Season's Greeting
 小林秀雄が、「無常という事」で記した言葉。

「美しい花がある、『花』の美しさというものはない」(59頁, 1942.) 

 ひょっとしたら、美しいと感じた光景があっても、その光景の美しさなるもは存在しないのかもしれません。

 自らの五感を通じて認知した対象を、自らが「美しい」と認識することによってのみ、美しいと感じた光景は存在するかもしれませんが、「美しさ」そのものは存在しないということを示唆しています。

 言葉は、自分が思いついたことを表現する手段としてではなく、ありのままの自分があるがままに記すとき、何かをを語らしめるのかもしれません。

初稿 2014/01/01
校正 2022/05/14
写真 高層ビル群から差し込む夕日
撮影 2013/12/01(東京・西新宿)