高校卒業後、故郷の佐賀を離れて約三十年になりますが、昨年十月の同窓会で帰郷した折の年老いた両親とのひととき。
将棋の対局はいつも一勝一敗、なぜか勝ち越せないのは、もしかしたら年老いた父がわざと勝たせてくれているだけなのかもしれません。
そんな父の世話を焼く年老いた母を観ていると、これまでもこれからも変わらない二人だけの〈世界〉が在るような気がします。
ところで、誰しも生まれたからには死は免れぬものだからこそ、その一瞬一瞬の二人の〈世界〉のありようを留めようとしているもののひとつが雛祭りのような気もします。
ひょっとしたら、お内裏さまとお雛さまの傍らに控える三人官女と御台人形もまた、両親の傍らに戯れる子供たちとの〈世界〉のひとつなのかもしれません。
初稿 2023/03/31
写真「鍋島家の雛祭り」
撮影 2023/02/22(佐賀◦徴古館)
将棋の対局はいつも一勝一敗、なぜか勝ち越せないのは、もしかしたら年老いた父がわざと勝たせてくれているだけなのかもしれません。
そんな父の世話を焼く年老いた母を観ていると、これまでもこれからも変わらない二人だけの〈世界〉が在るような気がします。
ところで、誰しも生まれたからには死は免れぬものだからこそ、その一瞬一瞬の二人の〈世界〉のありようを留めようとしているもののひとつが雛祭りのような気もします。
ひょっとしたら、お内裏さまとお雛さまの傍らに控える三人官女と御台人形もまた、両親の傍らに戯れる子供たちとの〈世界〉のひとつなのかもしれません。
初稿 2023/03/31
写真「鍋島家の雛祭り」
撮影 2023/02/22(佐賀◦徴古館)