Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

α26C「セーラ」朝倉響子, 1999.

2023-04-21 | Exhibition Reviews
 細長い指を絡ませながら、なにやら逡巡しているのか、はたまた見えない糸を使ってあやとりをしているかのような印象も受けます。

 でも、彼女の視線は自らの指先を凝視しながらも、両足のつま先に力を入れながら踵をあげている姿からは、どことなく不安感と緊張感もが入り混じっているかのようです。

 ところで、"いづれの道を進むべきか?"、そう問うているかもしれないと思うからこそ、ひょっとしたら見えない糸を使ったあやとりを連想させてくれるのかもしれません。

 進むべき道は険しいかもしれませんが、何かに挑もうとするときに、地に足をつけてどんな靴を用意すべきか?その姿からはなぜかしら、そんな解決の糸口を見出そうとしているような気がします。

初稿 2023/04/21
写真「セーラ」朝倉響子, 1999.
撮影 2023/01/22(千葉・佐倉ミレニアムセンタ)