今回ご紹介するのは「PRIDE―プライド」(著:石田衣良)です。
-----内容-----
自分をレイプしたワンボックスカーの4人組を探してほしい――
ちぎれた十字架のネックレスをさげた美女はマコトにそう依頼した。
広域指名手配犯B13号を追うさなか、若者ホームレス自立支援組織の戦慄の実態が明らかになる表題作ほか3篇、最高の燃焼度で疾走するIWGPシリーズ第1期完結10巻目!
-----感想-----
この作品は「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの第10作目となります。
そして同時にIWGPシリーズ第1期の完結巻でもあります。
池袋の街(ストリート)を舞台に、実家の果物屋で働くマコトが、この街で起きる様々なトラブルを解決していく物語ともしばらくお別れとなります。
今作は以下の四編で構成されています。
・データBOXの蜘蛛
・鬼子母神(きしもじん)ランダウン
・北口アイドル・アンダーグラウンド
・PRIDE―プライド
さすがに第1期の完結巻だけあってどの作品も疾走巻溢れるスピーディーな作品でした。
そしてやはり、紹介すべきは表題作の「PRIDE―プライド」だろうと思います。
池袋ウエストゲートパークシリーズの原点である「池袋西口公園」、池袋のギャング団「Gボーイズ」、そのGボーイズの王様「キング・タカシ」、天才ハッカー「ゼロワン」、さらには池袋署の吉岡刑事、こういったお馴染みの要素が次々と登場し、第1期の最終回らしく非常にスピーディーかつ緊迫した展開になっていました。
「PRIDE―プライド」の物語は、マコトのもとに「自分をレイプしたワンボックスカーの4人組を探してほしい」と女性が依頼をしに来るところから始まります。
女性の名前は「畑中鈴(はたなかりん)」。
問題の4人組は広域指名手配犯B13号と呼ばれ、警察でも長い間その足取りが掴めていないほどの巧妙な組織です。
東京近郊で同じ手口の犯行が既に30件以上報告されています。
しかしリンからの情報によると、最近の2ヶ月では四件の事件があって、その全てが池袋周辺で起きているとのこと。
今までは広域に渡って犯行に及んでいたものが、ここ最近は池袋周辺に集中している。。。
これはもしかすると、長きに渡って捕まえられなかった広域指名手配犯B13号を捕まえるチャンスかも知れないと、リンとマコトは考えます。
池袋ウエストゲートパークシリーズには「ミステリー」の要素もあるのですが、今回はそれが特に強く感じられる展開でした。
そしてマコトがB13の情報を得ようとして池袋署の吉岡刑事に電話をかけてみると、池袋署のほうでも既に最近の犯行が池袋周辺で起きていることを把握していて、捜査に乗り出していることが明らかになります。
さらに吉岡刑事から衝撃の情報が。
昨夜、要町(かなめちょう)の地下鉄駅付近で、21歳の女子大生がワゴン車に乗った男4人組に拉致され、レイプ被害に遭ったというのです。
この手口は十中八九、B13によるもの。
これで池袋周辺で5件連続での事件です。
しかもB13は二週間に一度のペースで犯行に及んでいるため、誰かがB13を止めないと月に二人のペースで被害者が増えていくことになります。
さらに被害に遭った女性がGボーイズのキング・タカシのチームのメンバーでもあったことから、タカシはかつてないほどに大激怒。
広域指名手配犯B13号を捕まえるべく、マコト、リン、Gボーイズ、キング・タカシ、池袋署と、様々な人達が動き出します。
最終回だけあって、しばらく登場していなかった池袋の天才ハッカー、「ゼロワン」が登場したのも印象的でした。
マコトはB13を追い詰めるために、この天才ハッカーにあることをお願いしたのでした。
しかし、上手く事が運ぶかと思われたその時、リンのもとにB13の魔の手が迫り…
本当に今回はミステリーの要素全開な話だったなと思います。
驚愕の展開とともに怒濤のクライマックスに向かっていきますが、こちらは池袋で長年トラブルシューターをやってきた真島誠に、Gボーイズの頂点に立つキング・タカシこと安藤崇。
百戦錬磨の強者達が怒り心頭、B13との決戦に向かっていきます。
第1期の最後を飾るに相応しい、怒濤の最終回だったと思います。
そして、当分の間のお別れに際しての、マコトからの言葉。
「最後にひと言。あんたがどれほどきついところで生きているのかはわからない。
だが、おれは全力でいう。
負けるな、明日は必ずやってくる。
つぎのステージで、また会おう」
またいつかマコト達に会える日を、私も楽しみに待ちたいと思います。
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-----内容-----
自分をレイプしたワンボックスカーの4人組を探してほしい――
ちぎれた十字架のネックレスをさげた美女はマコトにそう依頼した。
広域指名手配犯B13号を追うさなか、若者ホームレス自立支援組織の戦慄の実態が明らかになる表題作ほか3篇、最高の燃焼度で疾走するIWGPシリーズ第1期完結10巻目!
-----感想-----
この作品は「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの第10作目となります。
そして同時にIWGPシリーズ第1期の完結巻でもあります。
池袋の街(ストリート)を舞台に、実家の果物屋で働くマコトが、この街で起きる様々なトラブルを解決していく物語ともしばらくお別れとなります。
今作は以下の四編で構成されています。
・データBOXの蜘蛛
・鬼子母神(きしもじん)ランダウン
・北口アイドル・アンダーグラウンド
・PRIDE―プライド
さすがに第1期の完結巻だけあってどの作品も疾走巻溢れるスピーディーな作品でした。
そしてやはり、紹介すべきは表題作の「PRIDE―プライド」だろうと思います。
池袋ウエストゲートパークシリーズの原点である「池袋西口公園」、池袋のギャング団「Gボーイズ」、そのGボーイズの王様「キング・タカシ」、天才ハッカー「ゼロワン」、さらには池袋署の吉岡刑事、こういったお馴染みの要素が次々と登場し、第1期の最終回らしく非常にスピーディーかつ緊迫した展開になっていました。
「PRIDE―プライド」の物語は、マコトのもとに「自分をレイプしたワンボックスカーの4人組を探してほしい」と女性が依頼をしに来るところから始まります。
女性の名前は「畑中鈴(はたなかりん)」。
問題の4人組は広域指名手配犯B13号と呼ばれ、警察でも長い間その足取りが掴めていないほどの巧妙な組織です。
東京近郊で同じ手口の犯行が既に30件以上報告されています。
しかしリンからの情報によると、最近の2ヶ月では四件の事件があって、その全てが池袋周辺で起きているとのこと。
今までは広域に渡って犯行に及んでいたものが、ここ最近は池袋周辺に集中している。。。
これはもしかすると、長きに渡って捕まえられなかった広域指名手配犯B13号を捕まえるチャンスかも知れないと、リンとマコトは考えます。
池袋ウエストゲートパークシリーズには「ミステリー」の要素もあるのですが、今回はそれが特に強く感じられる展開でした。
そしてマコトがB13の情報を得ようとして池袋署の吉岡刑事に電話をかけてみると、池袋署のほうでも既に最近の犯行が池袋周辺で起きていることを把握していて、捜査に乗り出していることが明らかになります。
さらに吉岡刑事から衝撃の情報が。
昨夜、要町(かなめちょう)の地下鉄駅付近で、21歳の女子大生がワゴン車に乗った男4人組に拉致され、レイプ被害に遭ったというのです。
この手口は十中八九、B13によるもの。
これで池袋周辺で5件連続での事件です。
しかもB13は二週間に一度のペースで犯行に及んでいるため、誰かがB13を止めないと月に二人のペースで被害者が増えていくことになります。
さらに被害に遭った女性がGボーイズのキング・タカシのチームのメンバーでもあったことから、タカシはかつてないほどに大激怒。
広域指名手配犯B13号を捕まえるべく、マコト、リン、Gボーイズ、キング・タカシ、池袋署と、様々な人達が動き出します。
最終回だけあって、しばらく登場していなかった池袋の天才ハッカー、「ゼロワン」が登場したのも印象的でした。
マコトはB13を追い詰めるために、この天才ハッカーにあることをお願いしたのでした。
しかし、上手く事が運ぶかと思われたその時、リンのもとにB13の魔の手が迫り…
本当に今回はミステリーの要素全開な話だったなと思います。
驚愕の展開とともに怒濤のクライマックスに向かっていきますが、こちらは池袋で長年トラブルシューターをやってきた真島誠に、Gボーイズの頂点に立つキング・タカシこと安藤崇。
百戦錬磨の強者達が怒り心頭、B13との決戦に向かっていきます。
第1期の最後を飾るに相応しい、怒濤の最終回だったと思います。
そして、当分の間のお別れに際しての、マコトからの言葉。
「最後にひと言。あんたがどれほどきついところで生きているのかはわからない。
だが、おれは全力でいう。
負けるな、明日は必ずやってくる。
つぎのステージで、また会おう」
またいつかマコト達に会える日を、私も楽しみに待ちたいと思います。
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