今回ご紹介するのは「SOSの猿」(著:伊坂幸太郎)です。
-----内容-----
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男。
奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。
「本当に悪いのは誰?」
はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?
そもそも答えは存在するの?
面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成!
-----感想-----
久しぶりに読んだ伊坂作品です。
調べてみたら何と2010年の「マリアビートル」以来2年ぶりでした。
そんなに時間が経っていたとは、月日が経つのは早いものですね。
文庫化されたこの作品が平積みになっているのを見て興味を持ったのでした。
物語はひきこもりの少年眞人(まさと)を悪魔祓いで治そうとする遠藤二郎という男が主役の「私の話」と、三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる五十嵐真という男が主役の「猿の話」が交互に展開されていきます。
「猿の話」の五十嵐真は「ミスター因果関係」ともいうべき理詰めな人物で、物事の因果関係を徹底的に調べることを得意としています。
三百億円もの損害を出した株の誤発注事件の原因の調査において五十嵐真は、持ち前の因果関係追及ぶりを発揮して「こうなったのにはこの原因がある。そしてその原因には、さらに別の原因がある…」とどんどん因果関係を追及していきました。
その先に行き着くものは、果たして。。。
そして「猿の話」の語り手は何と、「孫悟空」
西遊記に出てくるあの斉天大聖・孫悟空です。
ごく当たり前のように孫悟空が出てきて物語を語り始めるのが何だか面白かったです。
しかもこの孫悟空、語り口調がちょっと偉そうな感じなんですよね(笑)
それが読んでいて小気味良くて楽しく読めました
「私の話」のほうの遠藤二郎はイタリアに美術留学していた時にひょんなことからエクソシストの神父の助手になって悪魔祓いをしていたことがあって、その縁で日本に帰ってきてからも副業として悪魔祓いをしていました。
ただし、副業といっても報酬は一切貰いません。
困っている人を見ると助けずにはいられないという生来の性格から、頼まれた時にだけ悪魔祓いをしてきました。
この遠藤二郎がひきこもりの少年眞人の母親から「息子のひきこもりを何とかしてくれ」と頼まれて(母親とは昔からの知り合い)、悪魔祓いの手法で眞人君との対話を試みようとするのですが。。。
何とこちらにも斉天大聖・孫悟空が関わってくることになります
孫悟空はこの作品における重要なキーワードです。
こちらは語り手としてではなく、別の形での関わりとなりますが、ここからが伊坂作品の真骨頂でした。
物語がうなりを上げて動き出します
別々に進んできていた「私の話」と「猿の話」が絡み合い、一気に一つの物語になっていきました。
この構成は伊坂作品でお馴染ですね
全く関係がなさそうな二つの物語が見事にリンクしていくのはさすが伊坂さんです。
2年ぶりの伊坂作品、とても楽しく読むことが出来ました
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
※図書ランキングはこちらをどうぞ。
-----内容-----
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男。
奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。
「本当に悪いのは誰?」
はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?
そもそも答えは存在するの?
面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成!
-----感想-----
久しぶりに読んだ伊坂作品です。
調べてみたら何と2010年の「マリアビートル」以来2年ぶりでした。
そんなに時間が経っていたとは、月日が経つのは早いものですね。
文庫化されたこの作品が平積みになっているのを見て興味を持ったのでした。
物語はひきこもりの少年眞人(まさと)を悪魔祓いで治そうとする遠藤二郎という男が主役の「私の話」と、三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる五十嵐真という男が主役の「猿の話」が交互に展開されていきます。
「猿の話」の五十嵐真は「ミスター因果関係」ともいうべき理詰めな人物で、物事の因果関係を徹底的に調べることを得意としています。
三百億円もの損害を出した株の誤発注事件の原因の調査において五十嵐真は、持ち前の因果関係追及ぶりを発揮して「こうなったのにはこの原因がある。そしてその原因には、さらに別の原因がある…」とどんどん因果関係を追及していきました。
その先に行き着くものは、果たして。。。
そして「猿の話」の語り手は何と、「孫悟空」
西遊記に出てくるあの斉天大聖・孫悟空です。
ごく当たり前のように孫悟空が出てきて物語を語り始めるのが何だか面白かったです。
しかもこの孫悟空、語り口調がちょっと偉そうな感じなんですよね(笑)
それが読んでいて小気味良くて楽しく読めました
「私の話」のほうの遠藤二郎はイタリアに美術留学していた時にひょんなことからエクソシストの神父の助手になって悪魔祓いをしていたことがあって、その縁で日本に帰ってきてからも副業として悪魔祓いをしていました。
ただし、副業といっても報酬は一切貰いません。
困っている人を見ると助けずにはいられないという生来の性格から、頼まれた時にだけ悪魔祓いをしてきました。
この遠藤二郎がひきこもりの少年眞人の母親から「息子のひきこもりを何とかしてくれ」と頼まれて(母親とは昔からの知り合い)、悪魔祓いの手法で眞人君との対話を試みようとするのですが。。。
何とこちらにも斉天大聖・孫悟空が関わってくることになります
孫悟空はこの作品における重要なキーワードです。
こちらは語り手としてではなく、別の形での関わりとなりますが、ここからが伊坂作品の真骨頂でした。
物語がうなりを上げて動き出します
別々に進んできていた「私の話」と「猿の話」が絡み合い、一気に一つの物語になっていきました。
この構成は伊坂作品でお馴染ですね
全く関係がなさそうな二つの物語が見事にリンクしていくのはさすが伊坂さんです。
2年ぶりの伊坂作品、とても楽しく読むことが出来ました
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
※図書ランキングはこちらをどうぞ。