読書日和

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「SOSの猿」伊坂幸太郎

2012-12-27 21:39:23 | 小説
今回ご紹介するのは「SOSの猿」(著:伊坂幸太郎)です。

-----内容-----
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男。
奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。
「本当に悪いのは誰?」
はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?
そもそも答えは存在するの?
面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成!

-----感想-----
久しぶりに読んだ伊坂作品です。
調べてみたら何と2010年の「マリアビートル」以来2年ぶりでした。
そんなに時間が経っていたとは、月日が経つのは早いものですね。
文庫化されたこの作品が平積みになっているのを見て興味を持ったのでした。

物語はひきこもりの少年眞人(まさと)を悪魔祓いで治そうとする遠藤二郎という男が主役の「私の話」と、三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる五十嵐真という男が主役の「猿の話」が交互に展開されていきます。
「猿の話」の五十嵐真は「ミスター因果関係」ともいうべき理詰めな人物で、物事の因果関係を徹底的に調べることを得意としています。
三百億円もの損害を出した株の誤発注事件の原因の調査において五十嵐真は、持ち前の因果関係追及ぶりを発揮して「こうなったのにはこの原因がある。そしてその原因には、さらに別の原因がある…」とどんどん因果関係を追及していきました。
その先に行き着くものは、果たして。。。

そして「猿の話」の語り手は何と、「孫悟空」
西遊記に出てくるあの斉天大聖・孫悟空です。
ごく当たり前のように孫悟空が出てきて物語を語り始めるのが何だか面白かったです。
しかもこの孫悟空、語り口調がちょっと偉そうな感じなんですよね(笑)
それが読んでいて小気味良くて楽しく読めました

「私の話」のほうの遠藤二郎はイタリアに美術留学していた時にひょんなことからエクソシストの神父の助手になって悪魔祓いをしていたことがあって、その縁で日本に帰ってきてからも副業として悪魔祓いをしていました。
ただし、副業といっても報酬は一切貰いません。
困っている人を見ると助けずにはいられないという生来の性格から、頼まれた時にだけ悪魔祓いをしてきました。
この遠藤二郎がひきこもりの少年眞人の母親から「息子のひきこもりを何とかしてくれ」と頼まれて(母親とは昔からの知り合い)、悪魔祓いの手法で眞人君との対話を試みようとするのですが。。。
何とこちらにも斉天大聖・孫悟空が関わってくることになります
孫悟空はこの作品における重要なキーワードです。
こちらは語り手としてではなく、別の形での関わりとなりますが、ここからが伊坂作品の真骨頂でした。
物語がうなりを上げて動き出します
別々に進んできていた「私の話」と「猿の話」が絡み合い、一気に一つの物語になっていきました。
この構成は伊坂作品でお馴染ですね
全く関係がなさそうな二つの物語が見事にリンクしていくのはさすが伊坂さんです。
2年ぶりの伊坂作品、とても楽しく読むことが出来ました


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安倍新内閣発足 簡単に解説

2012-12-27 00:47:16 | 政治
本日開会された特別国会で自民党の安倍晋三総裁が第96代内閣総理大臣に指名されました
これはとても嬉しいです
民主党政権の悪夢のような酷過ぎる政治が終わり、ようやくまともな政治が戻ってきました。
夕方には菅義偉官房長官から第2次安倍内閣の閣僚名簿が発表され、以下のようになりました。

▼総理大臣 安倍晋三
▼副総理・財務・金融大臣 麻生太郎
▼総務大臣 新藤義孝
▼法務大臣 谷垣禎一
▼外務大臣 岸田文雄
▼文部科学大臣 下村博文
▼厚生労働大臣 田村憲久
▼農林水産大臣 林芳正(参)
▼経済産業大臣 茂木敏充
▼国土交通大臣 太田昭宏(公明党)
▼環境・原子力防災大臣 石原伸晃
▼防衛大臣 小野寺五典
▼官房長官 菅義偉
▼復興大臣 根本匠
▼国家公安・拉致問題・国土強靱化・防災大臣 古屋圭司
▼沖縄・北方大臣 山本一太(参)
▼消費者・少子化大臣 森雅子(参)
▼経済再生・一体改革・経済財政大臣 甘利明
▼行政改革・公務員改革大臣 稲田朋美

こうして見ると民主党の酷過ぎる内閣との差が歴然であり、改めてようやくまともな政治が再開されるのだと思います。
菅新官房長官は会見でこの内閣について「危機突破内閣」と位置づけ、「東日本大震災からの復興、経済再生に向けて一丸となって取り組む」と語りました。
ありがたいことです。
民主党政権ではマニフェストがことごとく詐欺だったことに始まり、その後は被災地の復興や景気対策そっちのけでひたすら党内抗争に明け暮れているという散々な政治だったので、ぜひ被災地の復興や景気の回復に向けて全力で頑張っていってほしいです。

まず安倍晋三第96代内閣総理大臣が最優先課題として掲げているのが日本経済の立て直し。
民主党政権は外交を壊滅させただけでなく景気も冷え込ませてしまいました。
特筆すべきは麻生太郎氏の副総理兼財務大臣・金融担当大臣としての起用で、これは全幅の信頼を寄せているということであり、同時に日本経済立て直しへの本気度の高さが見て取れます。
甘利明氏の経済再生・一体改革・経済財政大臣としての起用も同様。
この二人が中心となり冷え込んでいる景気の回復に取り組んでいくようです。

景気の回復に向けた対策の一つとして、公共事業が取り上げられています。
このことについてテレビや新聞の既存マスコミが「古い政治」と批判していますが、少し考えてみてください。
「被災地の復興」や、笹子トンネルの崩落事故で必要性が浮き彫りになった「国土強靱化」はまさしく、「必要な公共事業」ではないでしょうか。
既存マスコミはとかく公共事業を批判しますが、何でもかんでも批判すれば良いというものではないと思います。
無駄なものを造るのは論外ですが、上記のような「明らかに必要な公共事業」があるということも理解しておく必要があります。
不況で雇用の創出も必要な今、こういった公共事業は雇用も生み出せ、なおかつトンネルなどのインフラの安全性も高められるという二つの効果がある有効な対策ではないでしょうか。

農林水産大臣には林芳正氏を起用。
これはTPP(環太平洋経済連携協定)の対応を見据えての起用だと思います。
この方は政界きっての政策通の実力派であり、TPPのような国益がぶつかり合う重要な問題に取り組むに相応しい人です。
ぶっちゃけ民主党政権時代の歴代の全農水相が束になってかかってもこの人には手も足も出ないのではというくらいの力の差があります。

文部科学大臣には下村博文氏を起用。
この人は教育問題に熱心に取り組んできた人で、安倍晋三氏とほぼ同じ教育理念を持っているようです。
となれば間違いなく、日教組(日本教職員組合)が子供達に押し付けている歪んだ反日左翼教育の是正に取り組んでいくと思います。
※日教組教育の是正については、「安倍総裁の決意① 日教組との対決」をご参照ください。

拉致問題担当大臣には古屋圭司氏を起用。
この方は安倍晋三氏らと同じく、初期の頃から北朝鮮の拉致問題に真剣に向き合ってきた人です。
テレビのニュースで拉致被害者家族会の横田さんらが「拉致問題に真剣に向き合う人がなってくれて良かった」と安堵の表情を見せてくれていて良かったです。
gooのニュースにも拉致被害者家族会の方々の談話が載っているので良かったら見てみてください。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-121226X095.html
民主党政権下では拉致問題担当大臣が3年間で8人も代わり、しかも松原仁氏以外は全員拉致問題に不熱心な人を起用するという酷いことをしていました
安倍晋三氏は政界で最も拉致問題に真剣に取り組む人なだけに、どこかのタイミングで必ず動くと思います。

そしてこの新内閣の顔ぶれを見ると、中国・韓国への牽制も忘れていません。
安倍晋三氏はもとより、総務大臣の新藤義孝氏、行政改革・公務員改革大臣の稲田朋美氏はいずれも中国・韓国が日本に対して好き放題やる横暴に黙っているような人ではありません。
ちなみに新藤義孝氏は「硫黄島からの手紙」の栗林中将のお孫さんとしても知られる議員です。
さらに党執行部に目をやると総務会長の野田聖子氏、政調会長の高市早苗氏ともに終戦記念日の8月15日に靖国神社に参拝したことのある人物です。
これらは強烈な政治的メッセージになっていると思います。
実際にNHKの「ニュース7」と「ニュースウォッチ9」を見てみたら「中国と韓国が日本の右傾化を警戒している」などと報道していたので、それはつまり日本の国益になるということです。
この二カ国が「日本の新政権を歓迎する」などと言うようでは舐められているということですから。
警戒してもらうのが丁度良いです。
その上で、安倍晋三氏を中心に民主党政権時代の酷過ぎる弱腰外交とは違う、日本の国益に沿う外交を展開していくことでしょう。

外交立て直しの鍵は、民主党によって壊されてしまった日米同盟の修復ですね。
まずはそこからです。
この3年3ヵ月の間に受けた外交的損失はあまりに大きいです。
時間をかけて、少しずつ立て直していくしかありません。
そのためにも、強い決意が感じられる第2次安倍内閣を応援していきたいと思います。