ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

小さな国の小さな町の物語(2)

2008-09-25 02:11:01 | Weblog
 そのいかにも素敵な紳士の誰もが夢見るような素敵なプロポーズの話は、瞬く間にその小さな国中の噂になりました。
 その小さな国の人々は、素敵な貴族と美しい少女の結婚式の日取りや豪華さを、その小さな国のいたるところで語らいました。その話はことごとくその小さな国のいたるところで語られたのです。お城の舞踏会で、バーで、食堂で、花屋で、床屋で、家族の団らんで・・・もちろん少年の働く靴屋でも・・・。

 少年は少女の夢を知っていました。少年は少女を愛していました。だから、少年は一晩中泣きました。
 少年は少女を深く深く愛していました。だから・・・少年は少女を許しました。そして少年は働いていた靴屋を辞め、その小さな国を後にし旅に出ました。