鶴ゴン、からのぉ、武蔵らんまる。

昔はさ、欲しいCDがあったりするとお小遣いを貯めてさ、お金が貯まるとCD屋に買いに行ってさ、もうワクワクよ。帰って、キャラメル包装を破って、プレイヤーに入れて再生ボタンを押す。最初の一音が飛び出して来るまでのあのドキドキ。たまらなかったねぇ。

服でもさ、気に入ったものを買って帰る電車の中のワクワク。帰ってから鏡の前で袖を通す時のドキドキ。失敗した時の衝撃たるや、言葉に出来ないくらいだよ。

まぁ、昔の話ね。

大人になると変わるやね。多少なりとも変わるやね。
買ったCDが開けられぬまま、放置されたり。新しいはずの服が、袋に入ったまま季節が変わっていたり。

あれだね？買った時点で満足しちゃうと言うか・・・買うことに意義があると言うか・・・欲求は、使う事よりも買うことで満たされるというか・・・。

まぁ、あるやね。多々あるやね。

先ほど、ホームセンターに行って、お掃除グッズを買って来たよ。
クィックルワイパーの偽物とか、お風呂掃除をするやつとか、なんか色々。散財しちゃったよ。
見てると何でも欲しくなっちゃうんだよね。何でも買っちゃうよね。

で、帰って来て、あれだよね。

すでに満たされちゃってるよね。

もう、あれだよね。

掃除をする気なんて・・・さらさらないよね。・・・あるわけないよねぇ？

暴挙。

荷物の片付けは、きっと、永遠に終わらないだろう。まぁ、とりあえず暮らせればそれでいい。

少しずつ整理をしていけば、いいのだ・・・そう自分に言い聞かせながら・・・暴挙に出る。

山積みになった段ボールやらを無視して、いきなりハンモックを取り付け始める。男って、きっと、こういう生き物なんだ。嫁がいたりしたら、きっと死ぬほど怒られるんだろうな。良かった、嫁がいなくて。

終いには、ハンモックの壊れた部分をタコ糸を針に通して直し始める。チマチマチマチマ針仕事。

雨が降ってきた。豪雨だ。でも・・・ハンモックは濡れない。
なんて素敵な家なんだ。雨を眺めながらハンモックで本を読む。憧れが現実となってしまった。

雨樋に積年の葉が詰まってるみたいだ。雨垂れがひどい。
針仕事をしていたら、背中がびしょ濡れになった。晴れたら掃除をしよう。

そんなわけで、僕の新居初日は、ハンモックの取り付けから始まったのであるϵ( 'Θ' )϶

荷物の整理？ノンノンノン、急いで生きたら損しちゃうぜ。