ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ユトリーヌ、カムバック!

2013-04-09 12:07:15 | Weblog
ゆとり世代って言うじゃない?まぁ、ネガティブなイメージだよね。と言うより、ネガティブなイメージで語られる言葉だよね。協調性がないだとか?向上心がないだとか?
当のゆとり世代の人たちにとっては、まぁ、憤慨する呼び方だと思うよね。大人たちが勝手に実験的に導入したシステムの中で育って、あたかも失敗したかのようにシステムは戻されつつあって・・・ゆとり教育は失敗でーす。失敗作がたくさん出来ちゃいました!・・・的なね。まぁ、ひどいよね。

職場の話ね。

我が会社には、食堂兼休憩所みたいな広い部屋がある。昼休みにはそこでご飯を食べる。各々、お弁当だったり、カップラーメンだったり。和気あいあいとした雰囲気というわけでもなく、個人個人ひっそりと食べているわけ。食べ終わると、黙って時間が経つのを待ったり、本を読んだり、携帯をいじったり、眠ったり。結構シーンとした空気なわけ。

一人ね、いるんだよね。いわゆる・・・ゆとりっ子がさ。もうさ、ゆとり世代見っけ!くらいの子なんだね。

まずは、電話ね。シーンとした空気の中にいる時に電話がかかってきました。まぁ、席を外すよね。なんたって、シーンとしてるから、会話が全部聞かれちゃうもの・・・全員に。外す場所はいくらでもあるんだよね。
でも彼は、絶対に席は外さないよね。結構な声で、毎日盛り上がってるんだよね。誰と話してるのかわかっちゃうし、彼の予定や日々の暮らし方まで、全員に筒抜けだよね。でも、彼は気にしないよね。

電話が終わると、彼はお弁当を食べるよね。手作り弁当だから、多分お母さんが作ってくれたのかな。
携帯の会話が終わって、再び静けさが訪れた休憩所だよね。
なんか・・・ジャンジャンシャカシャカ、音が聞こえるんだよね。・・・。なんだろう?と顔を上げると・・・やっぱり彼だよね。
お弁当を食べながら、スマホの画面を眺めているよね。多分、YouTubeかなんかで動画を観ているんだよね。音量MAXで。
所詮スマホのスピーカー。離れているから、何を聴いているのかまでは判別できないんだよね。つまり、ジャンジャンシャカシャカというノイズだけが耳に届くという・・・。

まぁ、そんな彼なんだけど・・・ただのバカなのか?って話もあるんだけど・・・仕事も出来るみたいだし、挨拶もちゃんと出来る普通の子なんだよね。それ故に・・・ゆとりか?ゆとりなのか?と思わざるを得ない・・・という。

また別の子の話ね。

夜勤専門の21歳の少年がいるんだけどね。まぁ、ダルビッシュ似のイケメンなんだよね。
塗装屋を始める開業資金を貯めるために、週六日、休まずに仕事に来ているわけ。ちょっとヤンキー風な顔立ちもあって、塗装屋をやりたいなんて言うから、塗装屋になれば合法的にトルエン吸い放題だぜ!なんて思っているんじゃないか?と思いきや、そういう感じでもないんだな。何しろ真面目なのよ。しっかりしてるのよ。仕事中、すれ違うたび、目が会うたびに、ぺこりと頭を下げて会釈をしたりするのよ。敬語もしっかりしてるし・・・非の打ち所がない若者って感じ。

まぁ、21歳といえば、ヤングだよね。所詮ヤングよ。遊びたい盛りよ。
休憩所で一緒になった時に、車の話を振って来たわけよ。まぁ、思ったね。
そうだろ?やっぱり暴走超特急みたいな車に乗って、首都高ガンガン攻めちゃうだろ?と。いい車ありませんか?だろ?速い車に乗りたいっす。だろ?イルミめちゃんこ付けたいっす。だろ?

ところが、彼は軽自動車について聞いてくる。何を若い者が軽自動車なんて・・・。今から現実に翻弄されるんじゃない。夢を追え!スピードを追え!なんて説教をしようと思った時、彼は言ったね。彼は言ったんだよね。

「自分は車は要らないんです。母親に、プレゼントしようと思って。」

え?うそ?そうなの?
21歳でそんなこと想うことが可能なの?夜な夜な身を粉にして働いているのは、自分の欲望を果たすためじゃないの?そんなのあり?そんな若者、あり?

思わず、涙が零れるかと思ったね。
今夜、ジュースをおごってあげよう。

彼もまた、ゆとり世代なのは間違いないのである。
十把一絡げにゆとり世代と呼ぶんじゃない!とか、そんなことを言いたいわけではない。
どちらかと言うと、後出の彼をゆとり世代の賜物と呼んでもいいのではないかと思うのだ。
競争を排除したら、優しい子が出来上がりました。自分の夢をしっかり持って、仕事は真面目に、コミュニケーションはしっかり取れ、何しろ母親に車をプレゼント・・・若干21歳。

おれなんてほら、ゆとり世代でもないのに、ずっと一人ゆとらーじゃない?ゆとりひとり?ゆとりオブゆとり?
まぁ、ゆとり世代を批判する気もさらさらない訳で。

でもまぁ、世間の風潮は、少し気になる。もういまや、一億総ゆとりみたいな社会になりかけているのだぞ?そんな気がしないかい?
鏡だよ、鏡。世間に起こる現象は、すべて鏡だ。
文句を垂れてばかりで、自分を戒めることをしない人たちが形成する社会ってやつ、世界ってやつ。まぁ、滑稽でもあり、悲劇でもある。
さてさて、自分も然り。今夜は彼にジュースをおごって、自分を戒めることにしよう。

#65

2013-04-09 10:58:35 | Weblog
魔法の鏡を覗いてごらん。
僕が見える?
僕の歩いている道が見える?
僕が見ている空が見える?
僕が口ずさんでいる唄が聴こえる?
でもそれは・・・本当は君の姿。
それは・・・君の道。君の空。君の唄。

わかるかい?
君は、こういう解り難い話が・・・好きだよね?