正しいことを人に伝えることが一番難しいと、僕は想います。
一番伝えやすいことを、人に伝えることが、一番難しい。
不思議なものです。
たとえば、山や川や海や大地や空気の大切さとか。
たとえば、命よりも大切なものなどないってこととか。
たとえば、優しさや大らかさは、怒りや欲望よりも大事なんだよってこととか。
逆に言うと、正しくないこととか嘘っていうのは、伝えるのがあまりに簡単みたいだ。
たとえば、自然を守りながらみんなで豊かになりましょうとか。
たとえば、お金は命と同じくらい大切なものですとか。
たとえば、人よりも幸せになることが、幸せになるってことですとか。
不思議なものです。
良きこととか、正義とか、情熱とか、献身とか、理想とかってのは、どうにも伝わりにくいのです。
良き人たちは、絶望に打ちひしがれながら、ただただ、信じる道を進むしかないのです。笑顔のままで、進むしかないのです。
世界は全然良くならねぇじゃねぇか。
世界はちっとも変わらねぇじゃねぇか。
バカばっかりだ、ふざけんじゃねぇ!
と、想いながらも、信じる道を進むしかないのです。笑顔のままで。
ホンモノとはなんですか?
ホンモノとは「持続」です。
良き人がみんなホンモノになれたら、きっと世界は少しだけ変わります。
少し変われば、また少し変わります。少しが少しずつたくさんになって、少しがたくさんに変わります。
良き作家も、良き歌うたいも、良き普通の人々も、この世界にはたくさんいるのです。
みんな、打ちのめされながらも、少しずつ少しずつメッセージを発信しています。
理解されなかったり、違う風に取られたり・・・そんな中で、持続している人はホンモノです。決してあきらめない、そんな人たちはホンモノです。
僕もいつか、そんな、ホンモノに、なりたい。
僕は全然ひとりぽっちなんかじゃないから、いつか、そんな、ホンモノに、なりたい。