セブンイレブンから歩いて来ましたって言われても・・・
知らねーよ。ってことでしょうよ。
いきなり知らない人に「養鶏場まで乗せていってください」と頼まれたとして・・・
すぐそこなんだから、自力で行けよ。ってことでしょうよ。
でもね、そこは、我が人生、幾多の親切を受けてきた僕なのですよ。貯まった親切マイレージをこの世界にお返しするチャンスなのです。
車で連れていってくださいって言われて、「嫌だね」とも言い難い。
でもね、養鶏場はほんとにすぐそこで、車で行くほどの距離でもないのね。
どちらかというと、車で行くと遠いけど、歩いて行けばあっという間・・・的なね。
そんなわけで、「じゃあ、案内するからついて来て」ってことになった。
二人並んでトコトコと、山と山の間の道を歩く。
道中、疑問に想った事を聞いてみる。
どこから来たの?
「江南です」
セブンイレブンまではどうやって来たの?バス?
「親の車で送ってもらいました」
どうして直接養鶏場に行かなかったの?なんでセブンイレブンまでしか乗せてもらわなかったの?
「間違って高速道路に入ってしまったら困るって言われて、降ろされました」
養鶏場の仕事に就けたとしてよ、毎日どうやって通うの?
「兄弟が近くの工業団地で働いてるんで、一緒に来て一緒に帰るつもりです」
どっちかが残業だったらしたらどうするの?
「たぶん、大丈夫です」
大丈夫じゃないと想うなぁ。自力で通えない場所の面接を受けるって・・・。家の近くで探したほういいんじゃないの?
「たぶん、大丈夫です」
いやぁ、ダメだと想うけど・・・などと考えているうちに、道の左側の小山を登る。
「こんなところを登るんですか?」
近道だよ。
「こんな蛇が出そうなところをいくんですか?」
近道だよ。マムシに気をつけてね。
ほら、あれが養鶏場。ここを降りたら道があるから、それを行けば受付とかがあるんじゃないの?
「え?ここをおりんですか?」
ここを降りるんだよ。近道だもん。
「ここ、高くないですか?」
・・・そうだね、ちょっと高いね。6メートルくらいあるね。
そこのパレットに一回飛び降りて、それから地面に飛び降りれば、行けるんじゃない?うーん、無理かなぁ。怪我するかもね。
「ここは無理ですよぉ」
いや、でもさ、このくらいの高さから飛び降りれなくてさ、職に就こうなんてさ、ダメじゃない?
ここはさ、グッとやる気を見せてさ、飛んじゃおうよ。
「他に降りる場所、ないんですか?」
ん?あるよ。ほら、この崖沿いに向こうに歩けば、低くなってるからね。そっちから行けば?
「はい、そうします!わざわざありがとうございました。」
これで、親切マイレージの返還は終了。
頑張ってねぇ、と声かけて僕は帰る。
すると青年が言った。
「あのぉ、帰りに水を一杯飲ませてくれませんか?」
えっ?
うん、まぁ、いいけど。
まぁ、そんなこんなで、謎の珍訪者の話は終わりなんだけれど。
まぁ、こんなに引っ張る話ではなかったんだけど。
まぁ、小さな驚きが連続して面白かったので、書いてみました。
その後の彼がどうなったのか・・・?
それはまた、別のお話。
おわり。
知らねーよ。ってことでしょうよ。
いきなり知らない人に「養鶏場まで乗せていってください」と頼まれたとして・・・
すぐそこなんだから、自力で行けよ。ってことでしょうよ。
でもね、そこは、我が人生、幾多の親切を受けてきた僕なのですよ。貯まった親切マイレージをこの世界にお返しするチャンスなのです。
車で連れていってくださいって言われて、「嫌だね」とも言い難い。
でもね、養鶏場はほんとにすぐそこで、車で行くほどの距離でもないのね。
どちらかというと、車で行くと遠いけど、歩いて行けばあっという間・・・的なね。
そんなわけで、「じゃあ、案内するからついて来て」ってことになった。
二人並んでトコトコと、山と山の間の道を歩く。
道中、疑問に想った事を聞いてみる。
どこから来たの?
「江南です」
セブンイレブンまではどうやって来たの?バス?
「親の車で送ってもらいました」
どうして直接養鶏場に行かなかったの?なんでセブンイレブンまでしか乗せてもらわなかったの?
「間違って高速道路に入ってしまったら困るって言われて、降ろされました」
養鶏場の仕事に就けたとしてよ、毎日どうやって通うの?
「兄弟が近くの工業団地で働いてるんで、一緒に来て一緒に帰るつもりです」
どっちかが残業だったらしたらどうするの?
「たぶん、大丈夫です」
大丈夫じゃないと想うなぁ。自力で通えない場所の面接を受けるって・・・。家の近くで探したほういいんじゃないの?
「たぶん、大丈夫です」
いやぁ、ダメだと想うけど・・・などと考えているうちに、道の左側の小山を登る。
「こんなところを登るんですか?」
近道だよ。
「こんな蛇が出そうなところをいくんですか?」
近道だよ。マムシに気をつけてね。
ほら、あれが養鶏場。ここを降りたら道があるから、それを行けば受付とかがあるんじゃないの?
「え?ここをおりんですか?」
ここを降りるんだよ。近道だもん。
「ここ、高くないですか?」
・・・そうだね、ちょっと高いね。6メートルくらいあるね。
そこのパレットに一回飛び降りて、それから地面に飛び降りれば、行けるんじゃない?うーん、無理かなぁ。怪我するかもね。
「ここは無理ですよぉ」
いや、でもさ、このくらいの高さから飛び降りれなくてさ、職に就こうなんてさ、ダメじゃない?
ここはさ、グッとやる気を見せてさ、飛んじゃおうよ。
「他に降りる場所、ないんですか?」
ん?あるよ。ほら、この崖沿いに向こうに歩けば、低くなってるからね。そっちから行けば?
「はい、そうします!わざわざありがとうございました。」
これで、親切マイレージの返還は終了。
頑張ってねぇ、と声かけて僕は帰る。
すると青年が言った。
「あのぉ、帰りに水を一杯飲ませてくれませんか?」
えっ?
うん、まぁ、いいけど。
まぁ、そんなこんなで、謎の珍訪者の話は終わりなんだけれど。
まぁ、こんなに引っ張る話ではなかったんだけど。
まぁ、小さな驚きが連続して面白かったので、書いてみました。
その後の彼がどうなったのか・・・?
それはまた、別のお話。
おわり。