ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

珍訪者。3

2014-06-07 23:59:09 | Weblog
セブンイレブンから歩いて来ましたって言われても・・・

知らねーよ。ってことでしょうよ。

いきなり知らない人に「養鶏場まで乗せていってください」と頼まれたとして・・・

すぐそこなんだから、自力で行けよ。ってことでしょうよ。

でもね、そこは、我が人生、幾多の親切を受けてきた僕なのですよ。貯まった親切マイレージをこの世界にお返しするチャンスなのです。

車で連れていってくださいって言われて、「嫌だね」とも言い難い。
でもね、養鶏場はほんとにすぐそこで、車で行くほどの距離でもないのね。
どちらかというと、車で行くと遠いけど、歩いて行けばあっという間・・・的なね。

そんなわけで、「じゃあ、案内するからついて来て」ってことになった。

二人並んでトコトコと、山と山の間の道を歩く。

道中、疑問に想った事を聞いてみる。

どこから来たの?

「江南です」

セブンイレブンまではどうやって来たの?バス?

「親の車で送ってもらいました」

どうして直接養鶏場に行かなかったの?なんでセブンイレブンまでしか乗せてもらわなかったの?

「間違って高速道路に入ってしまったら困るって言われて、降ろされました」

養鶏場の仕事に就けたとしてよ、毎日どうやって通うの?

「兄弟が近くの工業団地で働いてるんで、一緒に来て一緒に帰るつもりです」

どっちかが残業だったらしたらどうするの?

「たぶん、大丈夫です」

大丈夫じゃないと想うなぁ。自力で通えない場所の面接を受けるって・・・。家の近くで探したほういいんじゃないの?

「たぶん、大丈夫です」

いやぁ、ダメだと想うけど・・・などと考えているうちに、道の左側の小山を登る。

「こんなところを登るんですか?」

近道だよ。

「こんな蛇が出そうなところをいくんですか?」

近道だよ。マムシに気をつけてね。
ほら、あれが養鶏場。ここを降りたら道があるから、それを行けば受付とかがあるんじゃないの?

「え?ここをおりんですか?」

ここを降りるんだよ。近道だもん。

「ここ、高くないですか?」

・・・そうだね、ちょっと高いね。6メートルくらいあるね。
そこのパレットに一回飛び降りて、それから地面に飛び降りれば、行けるんじゃない?うーん、無理かなぁ。怪我するかもね。

「ここは無理ですよぉ」

いや、でもさ、このくらいの高さから飛び降りれなくてさ、職に就こうなんてさ、ダメじゃない?
ここはさ、グッとやる気を見せてさ、飛んじゃおうよ。

「他に降りる場所、ないんですか?」

ん?あるよ。ほら、この崖沿いに向こうに歩けば、低くなってるからね。そっちから行けば?

「はい、そうします!わざわざありがとうございました。」

これで、親切マイレージの返還は終了。
頑張ってねぇ、と声かけて僕は帰る。

すると青年が言った。

「あのぉ、帰りに水を一杯飲ませてくれませんか?」

えっ?

うん、まぁ、いいけど。


まぁ、そんなこんなで、謎の珍訪者の話は終わりなんだけれど。
まぁ、こんなに引っ張る話ではなかったんだけど。
まぁ、小さな驚きが連続して面白かったので、書いてみました。

その後の彼がどうなったのか・・・?
それはまた、別のお話。

おわり。

お知らせ。

2014-06-07 15:15:25 | Weblog
シトシトシトシト雨は降る。水浸しの世界だ。梅雨らしい梅雨ってのも、なんだか久しぶりな気がする。

今日のストリートは中止です。残念だけど中止です。

雨を見ながら過ごしましょう。雨のサウンドも、なかなか乙なものですよ。