三日間、くんたんを作り続けている。毎日毎日、籾殻を積んで火を点けて、小豆を摘んだり、枝豆を捥いだり、昼寝をしたりしながら待って、水をかけて火を消す。
燻りが残っているので、翌朝には様子を見にいく。だいたい薄っすらと煙が上がっている。
せっかく来たんだからもう一回くんたん作るか!と、また籾殻を積んで火を点ける。
だから、毎日くんたん作りになってしまうというスパイラル。もう、飽きた。
真っ暗闇である。真っ暗闇でも構いはしないのだがね。まだくんたんが燃えている。
それはさておき。
三日前、突然、あるフレーズが頭によぎった。なぜかは、わからない。
「息が止まるような口づけを〜どうぞわたしに投げてください〜」
なんだっけ?これ?という、よくある感じなのだがね・・・。
「カナダからの手紙」。という、すごく昔の唄。
なぜだろうか?なぜ急に。。。
それから、この三日間。頭の中は、ずっと、カナダからの手紙。
畑で動画を観たりする。平尾昌晃のリーゼントを畑で観たりしている。
畑中葉子の「ラブレラーフロームカナーダー」という可愛らしい歌い方を畑で動画で観たりしている。
家に帰っても、キッチンで、大豆を水に浸けながら、動画を流したりしている。
寝る前に一回観ておくか!と、動画を観たりしている。
なんなんだろうか?どうしちゃったんだろうか?
なんで、急にカナダからの手紙なのだろうか?
よくわからない。。。どうしちゃったんだろう?
もう、完全に歌える。そらで歌える。歌詞、全部覚えちゃった。他人の唄の歌詞なんぞは絶対に覚えられない僕なのに。。。
しかし、畑中葉子の歌の上手さには驚愕する。平尾昌晃よりも上手い。なんなんだろうか?この上手さは。
まぁ、それはさておき。
そろそろくんたんを消して家に帰ろう。
一輪車に水を汲んで、6往復くらいきなければならない。これが辛い。30メートル歩く間に、凸凹道のせいで水は半分くらいなくなる。なんなんだろうか?すごく不条理な感じがする。なんのために水を運んでいるのだろうか?こぼすためなのだろうか?とかなる。
まぁ、それもさておき。
つまり、カナダからの手紙を口ずさみながら、一輪車で水をこぼしながら、僕は畑の凸凹道を行く。という話、なのである。